On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-05-02 17:51:11
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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不可思議はむしろ深まる  ( かなり大幅に書き加えました ) ( かつ推敲しました )

▼さてさて、北朝鮮の金正恩委員長が国営メディアにて姿を現した、ということになっています。
 と言っても北朝鮮には、極端な独裁主義のもとでの官製メディアしか存在しないので、いつも通り、情報は僅 ( わず ) かです。
 みなさんと同じように画像を見てみると、5月1日と日付が明示された舞台のうえで金正恩委員長がさらに太った印象の姿にて、非常に上機嫌で儀式をこなしているように見えますね。

▼不肖ぼくは、このブログをご覧になっているみなさんへの責任も含めて、すぐに国内外のインテリジェンスと暗号化されたやり取りにて、具体的な協議を行いました。
 このブログはあくまで、無条件に広く公開する場ですから、限られたことしか申せませんが、インテリジェンスはほぼ一致して「画像そのものが偽造であるという痕跡は今のところ見つからない」という分析です。
 それなら、上記の様子からして、異変説はすべて間違いだったという結論になってもおかしくないと少なくとも表面的には言えるはずです。
 しかし・・・そのように判断しているインテリジェンスは、ぼく個人の受けている印象からすると、ひとつもありません。
「何らかの異変はあった」という分析の方がむしろ、目立ちます。
 その根拠は、すみません、申しあげられません。

▼もうひとつ。
 中国の表向きの反応も今のところ、「良かった、良かった。ほら、何でもないじゃないか」という論調はありません。
 中国も、報道の自由がない点では北朝鮮と似たり寄ったりの実態ですから、この不思議に慎重な報道姿勢は、中国共産党の姿勢と幾分かは、いや、かなり通じているとみるべきです。
 みずからが引き起こした武漢熱のさなかですから、中国共産党が北朝鮮の深刻な動揺を、いまは特に歓迎できないのは明らかです。
 したがって、本来なら「そら、見たことか」というトーンになるはずが、それがほぼありません。

▼中国と対照的なのが、韓国の「そら、見たことか」とまるで、はしゃぐかのような反応です。
 ところが「韓国は正しかった」という受け止めは、少なくともインテリジェンスの世界では全く見受けられません。
 それどころか「文在寅政権下の韓国は、北朝鮮とまるで一体化しているかのように、金正恩委員長の健在を請い願っていることがあらためて分かった」という分析で見事に一致しています。

▼あえて、いちばん常識的な見方を仮にするのなら「金正恩委員長も武漢熱に感染し、一時は悪化も懸念されたが、中国の医療協力もあってか、重症化は避けられた・・・のではないか」ということになりそうです。
 しかしインテリジェンスはほぼ共通して ( 1 ) その可能性はある ( 2 ) しかし分からないーというところに留まっています。

▼いま確実に言えることは、たったひとつです。
 もしも金正恩委員長の存在に問題が生じれば、北朝鮮は金一族の独裁が何事もなく続くという情況には無いことが、今回の不可思議な健康不安情報、重篤情報を通じて、赤裸々に明らかになったということです。
 金正恩委員長の妹の金与正氏が、すんなり独裁を継ぐことができるという様相ではなさそうです。
 同時に、その金与正氏への継承が慌ただしく用意されている気配は、気配としては、はっきりあります。
 また金正恩委員長の子どもたちは、二男一女ではないかと言われています ( 明瞭ではありません ) が、いちばん年上の長男でもまだ10歳ぐらいではないかと見方は、諸国のインテリジェンスが一致しています。
 北朝鮮のような小国、また異様な世襲独裁の国であっても、さすがに「10歳で4代目の独裁者」というのは無理筋です。

▼したがって、同胞が数多く拉致されたままの日本としては、もう一度申しますが、不肖ぼくが提案し続けている医療チームの派遣を含めて積極的な動きに出ることがたいせつです。
 場合によっては、トランプ政権下のアメリカを含め国際医療団の結成をはかり、そのなかに日本も入る方途も次善の策としてあり得ます。
 武漢熱のもたらした未曾有のさなかにあっても、こうした取り組みは強化せねばなりません。
 武漢熱があるからと言って、拉致被害者とそのご家族の加齢が止まるわけでは無いのですから。
 奪われたままの人生が、また一日一日、一刻一刻、積み重なっているのですから。

 独立講演会が武漢熱で2月からずっと延期になり、神戸開催のときには必ず、お楽ではない足どりでも来てくださる有本明弘さん ( 拉致被害者の有本恵子さんのお父さま ) とずっと会えないままなのも、悲しいことです。

▼ぼくの胸には、終わったばかりの補正予算審議が、ありありと蘇ります。
 予算委員会でも本会議でも「コロナ対策以外はするな」と大多数の野党が一致して叫び、言葉の綾ではなくほんとうに大声で叫ぶように政府を責め、ついこないままでモリカケや桜を見る会にずっと拘泥 ( こうでい ) して、その質問を長々と繰り返していた事実を本気で忘れているような姿、それが蘇るのです。
 批判とか、そんなことはむしろ通り越して、胸が潰れます。
 これを暗黒国会の一幕と言わずして、何と言うべきでしょうか。

 自由民主党も「自主憲法の制定」を掲げて65年も前に結党しておきながら、自主憲法の新たな制定どころか、一字一句たりとも変えることができず、国会対策と称してそれに安住し、いまも憲法審査会すら膨大な血税を使いながらほとんど開けない実情を、むしろ国会内で担保してきたのです。
 野党だけがおかしいのでは、全くありませぬ。

▼こうした現実を打ち破ろうと、実は、今国会の開幕のとき、憲法審査会のメンバーになりたいと手を挙げていました。
 すんなりいきそうに見えて、何の説明もないまま突然、無くなりました。
 これまで述べなかったのは、必ずしも「避けられた」、「外された」という感じでは無いからです。
 どちらかと言えば、漫然と、これまでと同じ憲法審査会でいようという雰囲気があるのではないかと思います。
 これもまた、暗黒国会の一部と言わざるを得ません。
 ぼくが委員にならなかったから、ではなくて、憲法審査会が現状のママに留まっていることが暗黒です。

▼ぼくは国会に来て3年9ヶ月あまり、ずっと「異業者の人よ、出でよ」と呼びかけ続けています。
 しかし同時に、胸の裡 ( うち ) では『異業種の人たちが、ぼくと同じようにほんらいの人生を壊して国会に来てくれて、こんな暗黒ばかりに直面するのでは辛すぎる。すこしでも光を拡げておかないと』と苦闘千里の日々ばかりが続きます。
 それでもなお、異業種のひとよ、出でよ。
 どんな道も、ひとりよりふたり、ふたりより三人で歩く方が、長い坂道を登れます。
 護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) の50人を超える同志とともに、お待ちしています。
 護る会は、補選で新しく当選なさった深澤陽一代議士を加えて、54人となります。


 
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