On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-09-23 14:52:59
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歴史に学ぶという、いつだって根本的に欠かせない努力について その1

▼みなさんがご存じのように、アメリカがケネディ大統領の時代に、ソ連のフルシチョフ第一書記がまったくの不意打ちとして、アメリカの喉元であるキューバに中距離核ミサイルを配備しました。
 フルシチョフ第一書記は、ソ連の独裁者スターリンをソ連首脳として初めて批判し、アメリカとの平和共存を打ち出して「雪どけ」という世界的流行語 ( 元は小説の題 ) を生みだしたひとでしたから、まさかとしか言いようのない事態でした。

 アメリカは、U2偵察機が高高度から撮影するまで、まるで気づいていませでした。
 U2の撮ったまさかの写真をケネディ大統領が見てから、その核ミサイルが発射できる状態になるまで、残された時間はわずか5日間ほど。どんなに甘く見ても10日も掛からない状態でした。

 もしもミサイルが発射されれば、ワシントンDCにも届き、少なくとも死者は800万人以上、しかも決定的なのはアメリカは同時に軍事基地の多くも核ミサイルで破壊され、反撃能力もその多くを喪失することでした。

 ソ連が先制攻撃をせずとも、アメリカおよび西側諸国はNATOも日本も含めて、外交力をほとんど失う事態が考えられました。
 早い話がソ連の言いなりになるほかない恐怖の時代の到来です。

 これは、ご承知の通り、キューバ危機ですね。

▼最近の中国、特に習近平国家主席が進める異様な覇権主義の政策を日本の眼前に見るまでは、専門家としてのぼくも、このキューバ危機を、米ソの冷戦時代の昔話と考えていたことに、今、気づくのです。
 現在の中国は、21世紀のキューバ危機を引き起こし、トランプ大統領にやり込められている現状を一気に打開することを狙う可能性があります。

 中国は、もともと戦いに弱い国だけに、歴史に学ぶことに長(た)けています。
 キューバ危機の経緯は、アメリカの民主主義によって、そして東西冷戦が終わったことによって、隅々まで公開されています。
 西暦1962年のキューバ危機が米ソの妥協で終わり、そのわずか29年後の1991年のクリスマスにソ連が崩壊に追い込まれたこと、それを中国はしっかり研究していると思います。
 民間の専門家時代のぼくは現在より、遙かに自由自在でしたから、中国軍の将軍や佐官、さらに中国共産党の幹部、党直属のブレーンである専門家の群れから、共産党の青年たちまで、数多くの議論をしました。
 中国を何度でも訪ねて、お互いに本音をぶつけ合えるところまで、議論を深めました。
 その経験から、「今度はアメリカをやがて崩壊させる21世紀版キューバ危機」をじっくり検討していると考えます。

▼日本は、政府と与党が、そのための備えをしているでしょうか。
 全くできていません。
 そして、不肖のぼくではありますが、長い歳月とささやかな努力によって専門能力を非力なりに培っています。
 それを活かすつもりは、政府に無いことも今、痛感しています。

▼何があろうとも何が無かろうとも、主権者のみなさんから預かった任務に取り組むこと、それは任務のある限り、いささかも変えません。
 山田宏・護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) 幹事長らと自由民主党の内部に存在する同志と共に、匍匐 ( ほふく ) 前進を続けます。

 ぼくらは、こういう時代に生きています。






 
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