On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-06-21 12:36:07
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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至高の決断のひと 横田滋さん その2(完)

▼みなさん、すっかり遅くなってしまいました。お詫びします。

 おととい6月19日金曜に、自由民主党本部で開かれた「党・拉致問題対策本部」で救う会会長の西岡力さんが講演された、そのエッセンスのひとつを、ぼくの責任でお伝えします。
 講演されれるにあたって、西岡さん、また党から「オフレコで」という縛りは全くありませんでした。そうでなければ、ぼくは決して、この誰にも広く無条件で公開するブログにて講演内容を明らかにすることはありません。
 ただ同時に、この対策本部は、冒頭だけ報道陣に公開し、西岡さんの講演、ぼくを含め各議員の発言、それに対する政府のいわば答弁はいずれも、報道陣に退去を求めてからのことです。
 したがって、一定の配慮は、これもぼくの責任、ひとりの自由民主党議員の責任においておこないます。

▼さて、西岡さんは講演のレジュメを用意してくださっていました。
 そこに「執拗な横田家工作」という言葉がありました。

 西岡さんによると、その工作の鍵は「孫」と「骨」だったということです。
 以下、すべて西岡さんの説明です。

 北朝鮮は横田めぐみさんが自殺したと主張した上で、「骨は(めぐみさんが結婚された韓国人拉致被害者の夫の)自宅にある。いったん土葬していたが、夫が掘り返して火葬し、その骨だ」と奇妙な説明をし、「横田滋さん、早紀江さんがその家に来れば、渡す」と主張して、めぐみさんのご両親を北朝鮮に呼ぼうとしました。
 滋さんは、それに応じそうになりましたが、早紀江さんが「行ってはいけません」と引き止めて、滋さんも納得され、北朝鮮の奸計には乗りませんでした。
 すると、北朝鮮は他人の骨を1200度の高温で焼いて、日本に送ってきました。
 それは日本の技術力で他人の骨だと分かりました。
   しかし北朝鮮はその後も、「孫(横田めぐみさんが出産なさった女の子)に会いたいなら、北朝鮮に来い」と働きかけ続け、メディアに「滋さん、早紀江さんは会いたがっている」という情報を流し続けました。

 北朝鮮は、帰国が実現した拉致被害者5人に「日本に一時帰国させるから、やって欲しいことがある。横田(ご夫妻)を平壌に連れてこい」と耳打ちもしていたそうです。
 この最後の話は、西岡さんならではの証言だと思います。

▼西岡さんは「横田滋さんの功績」という項目を立てて話され、北朝鮮の二つの嘘、すなわち「拉致は無い」、「拉致したのは13人だけ。8人死亡、5人帰国で拉致は解決した」という嘘に対して戦ううえで、滋さんがどれほど功績があるかということを強調されました。
 それは平成9年に、滋さんが「横田めぐみ」という愛娘の実名を公表することを、その当時はほぼただひとり主張されたことです。
 このことが救出運動を国民運動に変えることに繋がり、家族会の結成、救う会の結成にも繋がり、拉致議連の結成にも繋がっていったという認識を、話されました。

 ぼくも、まさしくその通りだと考えます。
 今となれば埋もれがちのことですが、当時は、横田めぐみさんの実名を公表することに反対論が横田さんご夫妻の周囲に非常に強かったそうです。
 ぼくもその証言を、複数のひとから聴いています。

▼滋さんは、ほんとうに、ほんとうに優しい、どこまでも温厚なかたでした。
 だからこそ、北朝鮮がそこにつけ込もうとして、そのことでも苦しまれたと思います。
 しかし実際には、あの滋さんがいざという時は、孤独な決断をできるひとだったからこそ、横田めぐみさん事件の存在がきちんと日本国民と国際社会に伝わりました。
 そのおかげで、ようやくにして、北朝鮮と、産経新聞以外のメディアが実質的に組んだかのように「拉致なんてあるはずが無い」、「在日朝鮮人が北朝鮮に帰国もしているのに、わざわざ日本人を拉致する必要がどこにあるのか」という俗説が広く流されていた現実が一変しました。
 滋さんたったひとりの孤独な決断が、覆したのです。

▼この日の拉致問題対策本部にて、不肖ぼくが何を発言したか、あるいは西岡さんの講演で他に何が話されたかを含めて、来月に新動画で資料を提示しつつお話しします。

 拉致被害者もまた、海外の同胞です。
 海外の同胞を国内のわたしたちと同じくお扶(たす)けすることをめぐって、この日曜も朝早くから政官に対する電話交渉を続けています。
 横田滋さん、有本嘉代子さんのご遺志を継ぐためにも。



 
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