On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-01-30 02:08:07
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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実際のところ、体力はどれくらいか  これからのためにトレーナーと一緒に検証しました



▼1月5日に、米国ハワイ州真珠湾の米軍インド太平洋軍司令部を目指して、出発しました。
 自主・自費によって行動と発言の自由を確保したうえで、台湾有事への備え、ザポリージャ原発への軍事攻撃を踏まえた核セキュリティ、これらの安全保障の課題を解くカギを日本がつかむための海外出張の始まりです。
 7か国10か所を強行軍でまわり、17日間の旅から最終的に帰国したのが、22日の日曜の夜。

 翌23日月曜から通常国会が始まり、27日金曜まで、毎日必ず朝5時半から準備して8時までに、自由民主党の部会に入り、そのあと長時間の本会議の連続でした。
 そして1月28日の土曜が、4時間半、立ちっぱなしの独立講演会でした。

 こうして合計23日間の厳しい日々を、すべて予定の通りにこなしました。
 きのう1月29日の日曜は、朝早くからトレーニングに出ました。

 ・・・と、淡々と書いてきましたが、ホンマは、きつかったぁ。
 トン死、頓死しないのが不思議でした。
 しかし朝起きるのがいちばん辛かったのは、間違いなく、きのう日曜の早朝です。

 やっとこさ、出張も、アポイントメントも、公務日程もない日の朝なのに、なぜ起きて鍛錬に行くのか。
 すこしゆっくり寝て、やっと書ける原稿を書けばいいのに。

 そう思いました。
 けれども、土曜の夜から日曜の未明にかけて、たいへんに鬱屈しました。
 それをトレーニングで打ち破りたい。
 這うように起きて、鍛錬に向かいました。
 ひとつには、誠実なトレーナーが待っているからです。彼をガッカリさせたくない。

▼写真は、その鍛錬の後半です。トレーナーが撮ってくれたうちの1枚です。
 かなり広い部屋で、トレーナーとふたりきりです。そこでトレーナーの許可を得て、呼吸を楽にするためにマスクを取っています。トレーナーはマスクをしています。筋肉の動きを見るために、上半身は裸です。

 別の部屋で、ストレッチから入りました。難度の高いストレッチです。ここで、まず身体の柔らかさを確認しました。
 次は上半身です。徹底的に追い込んで、やり切りました。
 そして写真の部屋に移って、下半身です。

 写真のメニューは、こうやって屈んでから、ボールの重さ ( 球技用のボールではなく、中に重さを詰めた、鍛錬専用のボールです ) を感じながら、思い切りジャンプします。
 ジャンプして、バランス良く着地し、それを左右にわたって繰り返します。

 トレーナーは、サッカー出身なのにアルペン競技スキーを良く研究して、ぼくがアルペンの試合に復帰することを前提に、メニューを作ってくれます。
 素晴らしい、そしてキツーイ、特製メニューの数々を無理にでもこなしていくうちに、身体はどんどん目覚め、快調になっていきます。

▼このあと、元の部屋に戻って、腹筋、そして首の鍛錬で、遂にトレーニングは終わります。
 あ~、極限の23日も完遂、鍛錬も完遂。
 この、気は無類に強くても意志は弱い男が、みんなの気持ちに応えようというだけで、ここまで、やれます。

▼さて、トレーナーとぼくの真の体力について話し合いました。
 ブログへのコメントに「青山さんの体力は50歳代だ」と仰る書き込みがありましたが、一般的な50歳代の体力では、この23日を乗り切るのは、無理です。

 その国に入るともう夜で1泊だけして、翌朝早くからすべて外国語 ( 米語 ) で緊迫したやり取り、それが終わるとすぐ空港から次の国へ飛ぶ。
 時差も変転し、食事は、その多くが狭い機内。
 いくらか鳥か猫の餌に似ているなと思うこともある。

 パリでやっと2泊なのに、ほかの仕事のためにとうとう、ベッドに上がれず。今回の長い旅程で唯一、快適なホテルで気持ちよさそうなベッドだけど、ゼロ使用。
 机でパソコンに向かっているだけ。パソコンが壊れないのが、こゝろから嬉しい。
 ちょっと、うらめしいけど、そう思っている暇もない。
 風呂に入る時間もなく、湯船に3分の1も溜まっていないお湯に2分ほど寝そべって飛び出し、アポイントメントへ向かう。
 同行者が、すべてのホテルでちゃんと充分に寝て、ぼくの強行軍についてきたのは、ほんとうにエラいと思う。
 一方で、ぼくの現実は、分野の違う仕事をいくつも背負っていること。なにもかも気力と体力で補うしかない。
 ところがまったく身体に問題ない。顔もむくまない。自分でもびっくり。
 パリから遠く大西洋を越えて着いたワシントンDC、そこからまた飛んだニューヨーク、いずれも数十分の仮眠をとる時間しかありませんでした。
 ・・・一般的な50歳代の体力では、無理です。

 トレーナーは、人間ドックの精査でぼくの体内年齢が継続して32歳であることを、「なるほど」と言います。トレーニング中のぼくを見て、そう言っているわけです。
 では、30歳代、あるいは20歳代の体力なら、上記の強行軍をこなせるのか。

 いや、それも無理だろうと、トレーナーと意見が一致しました。
 トレーナーはそれ以上、言いませんでしたが、ぼくは『ほんとうの体力とは、気力と体力と、身体の柔らかさといった特性の3者が合わさったもので、年齢で輪切りにすることはできないのかも知れない』と考えました。

 体内年齢は、筋肉量と、基礎代謝の量で測定するそうです。
 代謝は確かに、とても良いです。

 しかし海外では、顔もむくまず、帰国すると、いくらかそうなってきたのは、やはり海外で気合いが格段に入っていたからでしょう。
 にんげんは面白いですね。

▼というわけで、ぼくに間近で鍛錬を付けてくれるプロのトレーナーと、ぼく自身は、充分にこれから先、大丈夫という結論になりました。
 そして鬱屈も吹き飛びました。

 トレーニングが終わると即、つまり自宅へ運転して帰るまえに駐車場で、「韓国をホワイト国に戻してはならない」という電話作戦を続けました。
 総理や閣僚、中央省庁の高級幹部といった地位の高いひとびとは、最初、留守電になっていて、あとでコールバックのあることがほとんどです。
 最初の電話は、早すぎず、遅すぎず、良いタイミングをみてかけておいて、コールバックに備えねばなりません。
 きのうは、ジムの駐車場に降りた時間帯が、ベストのタイミングと考えたのです。結果的に、それは正しかったです。

 帰ってきて、パソコンを見ると、コメントは怒声、怒声、怒声です。ぼくが何もせず、ケシカランのはすべてぼくです。
 しかし、それは怒声の主の真意ではないでしょう。
 昂奮と、やり場のない怒り、それはこうやってブログのコメント欄を公開している、ワタクシメに来るのでしょう。

 で、ぼくに、吹き飛んだ鬱屈が戻ってくるのか ?
 そりゃ、いくらかは戻ってきます。
 だが、なにも問題はないのです。
 国家国民に役立つために、根幹から支えるのが、おのれの気力だということが、怒濤の23日間プラス鍛錬の日、それであらためて良く分かったからです。

 気力、筋肉量、代謝量、喪われない柔軟さ、その総合がぼくの体力です。

 ちなみに、独立講演会では、ずっと同じ場所に立っていると腰が曲がらなくなります。動いていれば、何も起きないのですが、話への集中力が高まると、同じところに立ったままになるのです。
 おととい土曜の独立講演会で、参加者名簿の紙を落とし、参加者に拾ってひろってもらいました。ありがとうございました。
 自宅に戻ると、気づかないうちに腰は治っていました。身体をふつうに動かしたからです。ご心配なく。





 
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