On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-04-09 19:30:17

行ったり来たり



▼北朝鮮をめぐる緊張は、これまでとは質が違う。
 その理由、背景は幾つもある。これから、それについて東京コンフィデンシャル・レポート(TCR/独立総合研究所が配信している会員制レポート)に記していくのだけれど、もっとも端的な理由をひとつ、示しておくと、それは北朝鮮ではなくアメリカの変化だ。
 アメリカが韓国と共に反撃する準備をしている。

 北朝鮮が単なるミサイル発射実験ではなく、実際の被害が出る限定攻撃を行うと、米韓が今回は攻撃する構えだ。2010年に北朝鮮が韓国のパトロール艦を沈め、テヨンピョンド島を砲撃し、合わせて50人の韓国人を殺したのに、アメリカは韓国の反撃を認めなかった。

 今回、北朝鮮が仮に2010年の限定攻撃の再来をやり、ほんとうに米韓の反撃があれば、1953年7月の朝鮮戦争休戦以来、実に60年ぶりにアメリカと北朝鮮が戦火を交えることになる。
 そして、これが限定的な戦闘にとどまる保障は、ない。


▼金曜にメタンハイドレートをめぐって、和歌山県庁を訪ね、仁坂知事らと協議や議論をし、土曜に沖縄に入ってさまざまに議論し、日曜に「白梅の塔」に、インディペンデント・クラブ(独立総合研究所の会員制クラブ)の会員、それに白梅学徒看護隊の生き残りのかたがた(白梅同窓会)も加わっていただいて、計およそ50人と、お参りをした。

 白梅の塔が荒らされて、お地蔵さまや花瓶、掃除道具に至るまで盗まれているのを白梅同窓会のかたがたが発見するという、信じがたい事件にも遭遇した。
 そして月曜に、沖縄県庁を二度、訪ねて、仲井眞知事らと普天間をはじめ安全保障問題をめぐって突っ込んで協議し、きょう火曜に那覇空港から神戸空港に飛んで、そこから東大阪市の近畿大学の経済学部に行き、新年度の講義(国際関係論)をふたコマおこなった。90分授業を連続でふたコマ。正直、ちと疲れる。

 いまは近畿大学から関西テレビに移動している。
 これから、明日水曜日に報道番組「スーパーニュース・アンカー」の生放送に参加するための、議論をやる。

 そして、その明日水曜の朝に、ふだんと違って伊丹空港へ向かうタクシーに乗り込む。
 タクシーの中から携帯電話で、RKB毎日放送ラジオ(福岡)の「スタミナラジオ」の生放送に参加し、伊丹から羽田へ飛び、正午から12時40分頃まで、六本木のテレビ朝日で「ワイド・スクランブル」の北朝鮮情勢をめぐる特別番組の生放送に参加し、すぐに羽田にとって返し、伊丹へ飛び、そこからギリギリで「水曜アンカー」の生放送のスタジオに入る。

 無茶なスケジュールだけど、北朝鮮情勢を真正面から受け止めて感度良く特番をやる姿勢を、ぼくなりに僭越ながら評価して、参加を決めた。
 この「ワイド・スクランブル」の特番は、あさって木曜にも同時刻でやる予定で、それにも参加し、場合によっては金曜にも参加する。
 あさって木曜は、ニッポン放送の「ザ・ボイス」の生放送や、チャンネル桜の「青山繁晴が答えて、答えて、答える」の収録や、日本版NSC(国家安全保障会議)創立の有識者会議の第4回会合などなどもあって、烈しいスケジュールになるけど、疲れたとも言ってられない。


▼ちなみに、今週の土曜日には「たかじんnoマネー」がゴールデンタイムの放送になるそうだけど、「芸能人とタレントでやるので、文化人のかたの出演(参加)はありません」と連絡が来たという。
 文化人。
 ははは。こんな奇怪な日本語をいまも使うのは、テレビ界らしいナァ。
 …というわけで、ぼくの参加はありません。その次はどうなるか、まだ存じませぬ。
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