On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-05-07 09:40:33

つかの間の海外、つかの間の祖国



▼今朝早く、ベトナムから成田空港に着き、都内の自宅に一瞬だけ寄って洗濯機を回してから、そのまま着替えもせずに羽田空港へ。
 ベトナムはすごく暑かった。
 東京の風が冷たくて、寒いのには、かなりびっくり。

 日本に帰国したと言うよりは、東南アジアから北欧諸国に回ったような感じだなぁ。
「水曜アンカー」(関西テレビ)といった番組がまだなかった頃は、1か月のあいだ、毎日1か国を次から次へと、巨大なトランク数個を抱えて、ひとりで回っていくこともありました。
 その国の政府当局者や、軍の将軍、佐官らと議論している最中に、「ところで、ここはどこの国だっけ」という宙に浮くような感覚に、ほんとうに襲われて困ったりしていました。
 もちろん一瞬だけの感覚ですが、議論のあと、街を歩いていても、そうなりました。
 国情や雰囲気、気候が似ている国もありますからね…。

 今は基本的に、ひとりで海外に出ることがなくて、ほとんどの場合、独研(独立総合研究所)から同行者が居ます。
 それに、1か月なんてトンでもない、海外出張の行程が数日あれば、まだいい方。
 ひどいと、日帰り状態です。
 ずいぶん変われば変わるものです。ふひ。

 それはともかく、五月とは思えない寒さの日本に帰り、祖国が四季を失って、二季になりつつあると深く懸念しています。


▼ぼく自身は、とにかく、とにかく、眠い。すこし吐き気もするかな。
 金曜日にはインドへ向かいます。
 ベトナムで「暑いなぁ」と思いつつCNNの天気予報を見ていると、インドは、それどころか43度を超えるのがふつうで、ちょっとげんなり。

 しかし、体調はむしろ日本にいるときより、外にいればいるだけ、快調になります。
 これだけは、変わらないなぁ。


▼ベトナムでの深夜や夜明け前に、小説の新作はかなり進みました。
 独研から配信している会員制レポート(東京コンフィデンシャル・レポート/TCR)も、長めのレポートを書いて、ベトナムから日本へ送っておいたので、きょう、連休が明けた独研・総務部から配信されました。
(独研は、社員たちはふつうに休みます)
 TCRレポートはそれ以外にも、あと2本、仕上げを待つだけになっています。よっしゃ。
 このTCRは、ぼくの発信の根幹なので、配信が順調だと、なんとも言えない安心感があります。

 海外での執筆はふだん、おのれへの期待ばかりが大きくて、実際はやはり昼間の安全保障や危機管理の実務の疲れでつい、仮眠してしまい、あまり進まないのです。
 しかし、今回はなんとか耐えましたね~。
 意志が弱いのは、ほとんど良くなっていないのだけど。
 気はそりゃ、いくらかは強いのかもしれないけど、意志は、ホントに弱いのです。会食から帰って歯磨きしないで寝ちゃったり、するから。
 だから親友と歯の本を出した…わけじゃないですが。


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