2013-08-24 10:24:36
滅びざる者
▼きょう8月24日土曜は、実は、待ちに待った日です。
初めての新書「海と女とメタンハイドレート」(ワニブックス)が書店に並ぶ日だからです。
実際は、きのうから東京、大阪などの書店には並び始めていて、ネット書店でも「予約受付中」が「在庫あり」に変りました。
▼この新書は、「希望の現場 メタンハイドレート」(ワニブックス)の姉妹編でもあります。青山千春博士との共著、そして青山千春博士が主役の書の2冊目ですね。
よく聞かれる質問、「青山千春博士とどこで、どうやって出逢ったのですか」に答えることから、女性が、「女は船に乗るな」という愚かな迷信や、子育てという尊いうえにも尊い任務をどうやって中央突破して、祖国への献身を実行していくかまでを、これ以上ないほどに柔らかく、そして、いつもの通り、何もかもありのままに、ふたりそれぞれが話している書です。
ぼくはこれまで、さまざまな編集者から「そろそろ新書を」と求められ、まだ受けていませんでした。
誰もが手に取りやすい、手にとっていただきやすい新書も、こころから書きたいのですが、時間がどうにも見込めないで来ました。
それが、青山千春博士との共著でまず、実現することになったのも、また天の差配かなと(天もお忙しいので僭越な思い込みですが…)感じています。
▼ニューヨーク出張から帰国して、この1週間、昼夜真逆の時差呆けも感じる暇のない日程を、例によって生きてきました。
その途中、日本海のメタンハイドレートをめぐる実務協議のため京都に入ったとき、京都駅の大きな三省堂にふと立ち寄ると、「希望の現場 メタンハイドレート」も、15刷のロングセラーとなっているはずの「ぼくらの祖国」(扶桑社)も、とにかく何もかも、ぼくの書いた本、あるいはぼくが青山千春博士と共に書いた本は影も形も無くて、正直、暗澹としました。
これら出版社はいずれも、さほど大手ではなく営業をなかなかできないという事情もあると思いますが、ぼく関連の本は絶対に置いてやらないという意思まで感じました。
この書店での具体的な根拠はありませんが、大学の生協などによっては、特定の政党活動の影響下にあって、青山繁晴の本はだけはどんなに読者のリクエストがあっても置かない、人目に触れないようにしているところも、現にあります。
この頃、独研(独立総合研究所)という存在や、ぼくの発信、言論について、さらに圧迫が烈しくなっているという事情も背後にあります。
第二次安倍政権になってから、むしろ、さらに苛酷になりました。
京都は本来、ぼくの読者はたいへんに多い地です。記者時代に6年間、青山千春博士らと京都市内に住んでいたことも関係あるかもしれません。
だから京都のアバンティブックセンターでは、何度もサイン会をおこなって、たくさんのかたがいつも駆けつけてくださいます。
その京都で、どの書も、ただの一冊も、とにかく読者の目にも手にも触れないようにしてあるのは、あまりふつうの事とも思えませんでした。
この三省堂京都駅店の幹部店員さんらしい人に聞こうともしましたが、さらり無視されました。
ふひ。
基本的に、どの本を置く、置かないは、あくまでその書店の自由意思です。
そのなかで、ぼくの本に、目を通してくださるかたがたに、あらためて深く感謝します。
少数派であるのは、このブログで何度も述べたとおり、厳然たる事実です。
多数派を形成するために、活動しているのではありません。天のご意思のままに生きるだけ生きて死ぬまでです。
*きのう8月23日金曜は、青山葬儀場の「お別れ会」で、吉田昌郎さんの遺影にお会いし、白い花を捧げてきました。
吉田さんと言葉を交わせたことに、驚きました。
吉田さんの左目に眼が合ったとき、非常に強い、そして深きも深い意志の力と、悲しみを感じました。
「これから浜通り(福島)に戻りますよ」と、その眼はおっしゃっていました。
滅びざる者、われらが祖国にあり。
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