On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-12-10 20:59:47

小さな大ニュース


*いまサンフランシスコの真夜中、12月10日火曜の午前3時45分。
 ことしはあまりに忙しくて、国際学会AGU(地球物理学連合)への出席もあっという間にいわば途中退席となり、あと5時間後には、帰国へ向けてホテルを出発します。

 正直、疲労はとっくに極限を超えている…。
 ふつうは身近にいる人ほど、この現状を心配するだろうけど、独研(独立総合研究所)の秘書さんをはじめ、ぼくの場合は話が逆で、毎日のぼくを見ていると心配しなくなるらしい。
 て言うか、心配してもしょうがないという心境になるみたいだ。
 ふひ。
 休みたいわけじゃない。
 ほんとうは、腰を据えて「書く」ということをしたい。
 書く以外には、ただ「するスポーツ」をやるという日々が理想だなぁ。富士スピードウェイでレーシングカーを人馬一体で駆り、雪山に入って急斜面から中斜面までスキーを滑りに滑り、陽光の馬場に通ってここでも人馬一体で馬を走らせ、走ったあと馬の首やたてがみをゆっくりと撫で、海へ出て、アクアラングを担いで潜って、海深くの高い崖を漂い、すこし浮上して魚と遊び、いったん浜に戻ってから今度はサーフボードで波に乗り、そうやって心身を切り替えながら、ひたすら書く。
 うーん、それって最高。

 ただね、やっぱ書けなくなるかな、むしろね。
 心身だけ爽やかになって、原稿の枚数はちっとも増えないことになりそうだ。
 今のように凄絶にして多様な忙しさだからこそ、わずかな時間を活かしてでも書こうとするのかもしれない。


▼さて、いずれにせよ間もなく帰国すると、たとえば12月20日金曜には、ぼくは東京を出発して朝から和歌山に入り、1日で5つのイベントやアポイントメントをこなします。
 そのなかに、誰でも参加できるイベントが分かりましたっ。
 これこそが、ぼくにとっての、ちいさな大ニュースです。

 ひとつは、昼間の「きらめき夢トーク」です。
 日本の和歌山県庁の志ある担当者から届いたメールを見ると、この「きらめき夢トーク」は実に1千人の一般参加が可能だということです。しかも「申込不要」。もちろん参加無料。
 すでに確定している参加者は、理系の高校生がざっと500人、そして先生方が数十人ということです。
 これ以外に、文系の高校生やお父さん、お母さんらも参加されますが、「一般の自由参加者の受け入れ」にも充分な余裕をつくってあるそうです。

 和歌山県がこれまで15年間も続けている「夢トーク」は、上記のメールによると「ふるさとの豊かな自然・文化を誇る態度と科学技術に対する探究心を育て、国際社会に生きる文化力を高めるために、様々な分野のオピニオンリーダーを招き、教育講演会を行う」という目的で始まったイベントということです。
 さらに、「講師と参加者の質疑応答の時間を設け、講師との直接的な交流を図る。これらを通して大人と子ども、親と子が共通のテーマに関心をもつことで心の結びつきを育み、将来について語り合う機会とする」とあります。

 これまでの講師には、脳神経医学の教授や自動車会社の社長からオリンピック選手などなど多彩にいらっしゃいます。
 今回は会場を、これまでよりずっと大きくしたそうです。

 メールには、今回の詳細について、こう記載してあります。

~親と子どものためのきらめき“夢”トーク~
 平成25年12月20日(金)和歌山県民文化会館
 14:00~15:00講演
 15:00~16:00ごろ質疑応答

 講師 青山繁晴
 (株式会社 独立総合研究所 代表取締役社長・兼・首席研究員)
 演題 「祖国にはきみしか居ない」

【主催者が希望する講演内容】
 ・子ども時代に夢みていたこと、憧れていたことなどをどのようにして実現させたか。
 ・各専門分野の中で研究・開発し続けることの意味や面白さ。
 (※調査中のメタンハイドレートや和歌山県の沖合での調査状況についても話していただきたい)
 ・和歌山の若者たちを元気にさせるメッセージなど。


▼つまり、ぼくのふだんの講演とは違う中身も話せるということでもあり、ふだんにない質疑応答があるということでもありますね。
 ぼく自身も愉しみです。
 平日の昼間ではありますが、どうぞ、都合のつく方はお出でください。


▼そして昼間にお出でになれない方は、夕刻からのサイン会にお出でください。
 同じ12月20日金曜の午後6時からミニ講演会を始め、そのあとサイン会になります。
 こちらは100人になると締め切ってしまいますから、早めの申込がいいかもしれませんね。電話で申し込めます。073-422-2151です。
 もしも当日、空きがあれば、飛び込みでも参加はできるそうです。
 会場の宮脇書店和歌山支店は、ここです。


▼さぁ、帰国です。
 まだ夜は明けていませんが、部屋中に広げた資料を含め、もうそろそろ荷造りをしないと帰れないや。
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