On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-02-07 23:36:01
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (10)

武漢熱クライシスの超克を通じて何を目指すか その1

▼自由民主党の武漢熱クライシスをめぐる対策本部の第4回が、2月5日水曜に党本部で開かれました。
 この対策本部は、党の政調 ( 政務調査会 ) の付けた正式名称では「新型コロナウイルス関連肺炎対策本部」です。
 不肖ぼくは、ご存じの方もいらっしゃる通り、この新しい感染症を武漢熱と命名・・・命名したとは、ちとエラそうですね。正確に言えば、勝手に名付けただけです。
 その真意を今、お話しします。

 これは中国共産党による独裁が生みだした疫病です。それも習近平国家主席がみずからを毛沢東に擬して汚職追放の名目で対抗勢力をすべて粛正したために、地方の共産党組織が物も言えない、嘘でもなんでも良いことしか中央に上げられない現下の体制になったことが深く影響して感染が拡がったと思われる疫病です。
 それだけに、やがて中国が発生源であることを忘れさせるような世論工作が行われるでしょう。
 今は、まさか、中国から始まったことを誰も忘れないよと思っていても、病の名から武漢という中国の都市名が消されていると、いつかはこの工作が浸透していく怖れが充分にあります。

▼そこで武漢という明確な地名を冠し、さらに症状の中でもっとも短い名の症状である「熱」を付(ふ)して、武漢熱としました。
 これは中国に対する偏見では全くありませぬ。
 なぜなら、武漢 ( 国際社会の共通語ではWUHAN ) こそが発生源であることが間違いないからであり、発生の当初、武漢の共産党組織によって隠されていたことも、もはや明白になっているからです。
 独裁が必然的にもたらす保身主義、それによって疫病が深刻な拡大を起こすことは、人類共通のたいせつな教訓です。
 中国で起きた問題を、中国への偏見や怒りで終わらせず、人間が共有できる教訓にするためにこそ、武漢発の疫病であることを、その名で永遠に明示すべきだと考えます。
 不肖ぼくが勝手に付けた名前ですから、党の対策本部の名称に付かないのも当然です。ただ、感染症を含む危機管理の専門家の端くれとして名付けたたことは事実です。

▼さて、対策本部です。
 国会の開会中ですから、どの議員もさまざまな日程とぶつかります。
 不肖ぼくも、補正予算案を審議した予算委員会など決して欠席できない公式日程とぶつかり、第1回と第2回はどうしても参加できませんでした。
 第3回と、この第4回は幸い、参加できたのです。
 第4回でぼくがどのような発言をしたかは、速報にてもう、みなさんにお伝えしました。
 このエントリーから詳報に入ります。
 詳報の最初は、そのぼくの発言に対して政府側の行政官たち ( 一般的に言えば官僚、役人。互いに敬意を持つべきですから、ぼくはできるだけ行政官と呼ぶようにしています ) がどんな回答をしたかを、ふつうなら記すところです。

▼しかしこのエントリーではまず、ある議員の発言を、ありのままに伝えておきます。
 記者出身でもあるぼくは、この議員の発言を正確にメモしました。
 ただ、国会審議とは異なり、部会などでの発言は基本的には、その発言者自身が明らかにすべきものです。
 だから、正確なメモを元にしつつ、趣旨だけを紹介します。したがって名前も記しません。
 この議員は前回・第3回の対策本部で「冷静になれ」という趣旨の発言を強い調子で発言されていました。
 これは、行政官たちに問うというより、明らかに参加議員に呼びかける発言でした。

 議員はみな、それぞれ冷静に発言していました。中国に厳しいことを申すのも、政府・行政官の側に対応を求めるのも、客観的な判断に基づいて発言していて、当たり前ですが感情で発言するような議員はいませんでした。
 したがって、やや不可思議に思いましたが、ほかの議員は、ぼくの見る限りこの発言をほぼ無視していました。
 なぜでしょうか。

 自由民主党で開かれる部会や、この対策本部のような自由発言の場は、なかなかに厳しい場でもあります。共感を呼んでいる発言と、無視される発言とに、はっきり分かれるのです。
 この議員の発言が後者に近くなった背景のひとつとして、捜査が進行中の事件が恐らくあるのでしょう。
 中国と自由民主党議員との関わりにおいて逮捕者も出し、疑惑のお金を受け取った複数の議員もリストアップされているカジノIR汚職事件です。
 発言者は、この事件への関与が指摘されています。

▼そしてこの議員は、第4回の対策本部では「もしも日本発の新しい感染症が出たら、その時に日本がどんな扱いを受けるのか、それを考えて発言し行動するべきだ」という趣旨を、前回同様に、強い調子で発言されました。
 ぼくは思わず、隣に座っていた閣僚経験者と顔を見合わせました。
 この閣僚経験者はリベラルな考えで知られるベテラン議員です。ぼくと考えの違うところもあるのですが、とてもフェアなひとで、最近、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) に加入され、総会や勉強会に積極的に出席してくれるひとです。
 このベテラン議員が「△■○だから」と仰いました。
 聴き取れませんでした。
 ぼくがお顔を見ると、「不起訴だと思っているんでしょう」と今度は、聴き取れました。
 ぼくは咄嗟に「あ、なるほど」と答えました。なるほどとは言いましたが、正確に言うと、起訴、不起訴ではありません。

 この議員は強制捜査は受けましたが、秋元議員のように逮捕されたりはしていないので、それ以前の段階です。
 ベテラン議員の仰りたかったのは「捜査の手がこれ以上伸びないと思って、安心して、中国寄りのことを言っているのじゃないですかね」という意味でしょう。
 あくまで公平に記さねばなりません。同じことを、この議員の側から言えば「潔白だから、自信を持って信念を述べている」ということになるのでしょう。

▼たったいま進行中の事件捜査そのものは、検察庁が法によって与えられた権限を行使し、証拠集めをしていくわけですから、立法府の人間があれこれ言うべき段階ではありません。
 しかし親中派という、自由民主党の中の一大勢力の影をこんなにストレートに、部会などで感じるのは珍しいことです。
 いろいろな解釈が成り立つでしょう。

 ほんとうに深い、ただならぬ関係を中国共産党と持ってしまっている議員は、部会でわざわざ中国擁護に聞こえるようなことは言わないから、この議員は正直な方だと考える人も居るかも知れません。
 ぼくもそれは考えました。

 けれども、対策本部が開かれてもう2日が過ぎ、仕事をしつつ頭のある部分でじっくり考えてきて思うのは、やはり、それだけ中国にとって大変な危機なのだろう、だから自由民主党の部会や対策本部で、徹底的に中国の対応ぶりが叩かれることを座視できないのではないかと考えます。

▼この地味ブログのエントリーは、非力なりに切れ目のない多様な仕事の隙間時間に書かざるを得ません。
 だから、細切れにアップしていきます。
 次は、ぼく自身の発言をあらためて紹介し、政府・行政官の側の答えぶりを、できるだけ精確に記します。

 
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発症者予測【mrbius maxwel】
2020-02-09 07:59:09
青山さんの公平かつ洞察力にいつも感服いたしております。
Web検索での情報収集中にこのページを見つけ拝見いたしました。
わたくしは個人的に発症者の予測を試みております。
統計的に見て武漢肺炎は初期のころはほぼ理論式に従った発症者累積曲線を描いておりましたが、ここ最近になってその理論式から外れてきていることにかが付きました。明らかに収束曲線のようだったので、その曲線式を当てはめるとぴたりと一致しました。結論的にはもうあと10日もすると推定で発症者累積は5万人当たりで飽和すると思われます。
対でのもう一つの情報は海外の治癒事例の報告情報を総括すると抗HIV薬抗エボラ薬抗インフル薬が効果ありとのことです。裏を返せば病原の2019-nCoVはこれらの性質を持ってる可能性があるということです(ぶり返し、多臓器不全、空気感染)。日本でも一刻も早くこれらの多罪適当を試みてほしいと願います。中共ではすでに試みているとの情報もあります。
お疲れ様です【Joey】
2020-02-08 16:39:06
武漢人でも、湖北省以外でパスポート申請すれば普通に入国できるようです。14日以内に湖北省に行ったことないと申告すればOKというのは...ザルですね(>_<)
中国人の旅行者が得意げに顔写真付きでネットにアップしていました。

「上に政策あれば、下に対策あり」言われる国ですから何かあるだろうと思っていました。来週にはもっと感染者が増えるでしょうから、こういう事例が出てくると全面的に禁止せざるを得なくなりますね。


武漢熱で亡くなった中国人医師による、最後の動画を観ました。
その中で、かかってしまったら隔離が必要だと力説しておられます。
死を無駄にしない為にも、アドバイスには従うべきだと考えます。
武漢熱の英語表記【jy】
2020-02-08 14:28:05
WARS: Wuhan associated respiratory syndrome
宣伝戦に勝つには強い言葉が必要
その後・・・【しきしま】
2020-02-08 13:44:18
ツイッター投稿できないことに気付いてから20分~30分後、突然また投稿できるようになっていました。(青山さんブログのURLを入れてもエラーなしでした)
某掲示板を見たら、投稿できなくなっていた人は他にもいたようです。
原因は今のところ不明ですが・・・
お騒がせいたしました。
既に米国へのなすり付け捏造が始まっているとのこと【hhkbass】
2020-02-08 12:35:29
青山さん、夜遅くまで情報共有をありがとうございます。

数日前、インド工科大学チームによる、コロナウイルス遺伝子のS蛋白質の中にHIVウイルスと同様のアミノ酸配列が4カ所あるとの査読前の論文について、PDFをご参照頂けるようリンク付き(当然、公開して頂くことは意図しておりませんでした)でお送り致しましたが、既にご存知の通り、中国による陰謀論に悪用されかねない懸念を示唆する文とともに、「我々はプレプリントの現在のバージョンを撤回することを決定し、再分析の後、コメントと懸念に対処して改訂版を掲載する予定」と撤回しておりました。私としては、意図的な挿入か否かはともかく、結果的にHIVと同じ要素を持つ武漢熱の病原性の懸念がございました。が、余計な情報で日夜奔走されておられる青山さんのお時間をお取りし、誠に申し訳ございませんでした。

今回はここではなく、今回、青山さんが、いずれチャイナ共産党発の武漢熱が別なものに捏造されると予言された点について、これも世界中からのintelligenceが集約されている青山さんには既知のものとは思いますが、米国に亡命している郭文貴氏が、その趣旨の発言をしているようです。曰く、
同共産党の公式軍事ポータルサイト「西陸網」は中央軍事委員会のウェブサイト「西陸網」であり、ここで発表される情報は最高位層の首肯を得たものだ。そのようなサイトが武漢肺炎の爆発を米国になすり付けた。

4つの主要蛋白質が交換され、中国人を正確に狙い撃ちできる。

「SARSから武漢新型肺炎まで、米国の人種絶滅計画を見る」という小見出しで、米国が生物兵器を製造し、中国人を攻撃できるようになったと非難

もう1つのゴシック体の小見出しは「もっぱら中国人を選んで殺している。このウイルスで死んだのは96%が中国人だ」
と、武漢での衛生環境の悪さや本土での衛生インフラの悪さを棚に上げたものまであったようです。
また、1月22日の段階で、早くも(国内向けとも思えますが)邱崇畏という人物の文章「武漢新型肺炎は米国の生物戦の匂いがする」も掲載し、武漢の疫病発生の責任を米国に転嫁した、とのことです。

先へ先へと読まれて、国会内で手を打って下さる青山さんのご活躍を心より応援いたします。明後日の虎ノ門ニュースも楽しみにしております。長々と失礼いたしました。
いやはや・・・【しきしま】
2020-02-08 06:50:25
その「中国寄り」の発言をなさった議員さん、「おそらくあの方だろうな」と想像がつきますが・・・
(そこまでチャイナマネーが浸透しているということですね。ハニトラもあるのかも)

ところで、このブログ記事をPCからツイッター投稿しようとしたら投稿エラーになり、それ以降、一切のツイートができなくなりました。
どうやら、青山さんブログのURLが禁止リストに入っている?!
(他に可能性のある『ブラウザが最新版でない』などに関しては問題ないと確認済みです)
チャイナの工作活動がここにも及んでいる可能性あり。
野党よりはましだが自民党の中にも情けない議員がいる。【やぎたん】
2020-02-08 01:57:04
自民党の中に情けない議員がいる。
この忖度する議員がどれだけ、一般の国民全体を苦しめているのか?本人たちは理解していない。そこに問題がある。
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観光立国などと称して、海外からのお客さんからお金を巻き上げる客商売。
利益が出ても社員に還元しないで私利私欲にため込む経営者。
それを後押しする議員連中。
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何か時代劇の水戸黄門でも見ているかのような感じだ。
越後屋よ、お前も相当の悪だのう、いえいえお代官様ほどではありませぬ。
と聞こえてきそうな状況だ。
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現代の、この時代にフィクションである話が現実に存在する事に憤りを感じる。
とは言え、家のローン返済や仕事の忙しさもあり、政治に興味が持てなかったのも事実だ。一般的な人であればそれなりに生活ができていれば文句も言わないだろう。それにしても返済が完了して、一息ついて周りを見回してみると、まさかこんな状況になっていようとは。
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今回の件はWHOを忖度し、インバウンドとしての利益を最優先に考え、対応が遅れてしまった。読みが甘かったとも言える。
結果的に武漢熱の感染者が日本国内にも現れ、一般の人々に多大な恐怖を産んでしまった。
これにより外出は控えられ、できるだけ人が多く集まる所は避けられる。
結果として日本の観光地は中国からのインバウンドで稼ぐどころではないくらいに落ち込むことになるだろう。
ましてやメディアが報じる嘘や国連、WHOが忖度で動いていることが白日の下にさらされている状態なので、最近は国際○○が付く団体の信用度が低下している。
日本国内もおかしいが世界全体が私利私欲の塊になってきている気がしてならない。日本の民度が高い?いや高かったのは昭和までであり、最近の日本の民度は低下しており、国会議員に蔓延している事実があるということだ。
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そんな中で護る会の存在意義は大きい。
これからも期待しています。
まだまだ寒い日が続きますがお身体にはお気を付けください。
中国依存からの即時脱却【okamoto】
2020-02-08 00:52:42
青山さんの記された
「独裁が必然的にもたらす保身主義、それによって疫病が深刻な拡大を起こすことは、人類共通のたいせつな教訓です。」
そのまますべてが当てはまるわけではありませんが、我が日本国には独裁こそありませんが「保身主義議員」が沢山居て「憲法改正を拒み」「拉致問題に積極的にならない」等々疫病とも言える状況を放置する、それが我々国民の心や生活を貶めてゆく…日本の現状をも表しているように感じています。

今回の武漢熱を機会に政治家や経団連の方々には
「中国依存の切り捨て」を開始して頂きたいです。

そして中国、韓国、北朝鮮以外のアジア諸国へ特に台湾へ注力して頂きたい。
なぜ、中国を訪問した後、豹変する議員、論客が後を絶たないのか【TheSailingMiracle】
2020-02-08 00:34:07
小池百合子都知事は、以前は保守派で中国共産党とは一線を画していたと思う。しかし、都知事になる頃にはすっかり親中派の議員に豹変していた。

4年前に都知事になった後、執拗に石原慎太郎元都知事を批判していたことを思い出す。激しい責任追及だった。これは人気取りのために前任者を否定して自分を持ち上げるという行為か、自分自身への蔑視的発言に対する元都知事への恨みもあったのだろうと当時は思っていた。

しかし、今は違う。

石原慎太郎元都知事への攻撃は、中国共産党からの司令だったのではないか。復讐をこの小池都知事に託した理由は、中国に対していつも厳しい発言をしながら日本の世論の多くも味方につけていた対中強硬派とも言えるこの人の発言力を弱めるため。

小池知事は中国から何か特別な利益を与えられたのか、弱みを握られたのだろう。親中派に豹変する理由はこの二つに尽きるからだ。
青山さん【ちんちくりん】
2020-02-08 00:29:37
青山さん、こんばんは!
今、この事態になってなおですか?
いや違う。此の事態だからこそですか?
なんともはや・・・

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