▼不肖ぼくの起床時間はふだん、午前4時ちょうどから05分までのあいだです。
　ぎーんとなってから、特に、遅刻は絶対にできません。まさか国会に朝4時台に行くわけではないです。そんなことをしたら国会の職員のかたがたが大迷惑です。

　それなのになぜ、午前4時過ぎに起床かというと、国会に漫然と出るのではなく、出るまでに日々の最新のインテリジェンス ( 機密情報 ) と一般情報を掻き集めておきたいからです。

　自由民主党に属していることに深いデメリットも、メリットもそれぞれ沢山あります。
　メリットのひとつは、与野党共通の国会審議が始まるまえに党独自の「部会」が党本部で開かれることです。
「議員スタグラム」のおかげで、みなさんにも良く知っていただくことができましたね。

　この部会には、世界第一級の頭を持った行政官、同時に世界最悪の言い訳名人、責任逃れ名人の官僚でもある人々が、ずらり顔を揃えます。
　そこに情報もなく、のんべんだらりと「議員でござい」と参加すると、意味が無いどころか、部会で諒解を取り付けたと官僚に利用されて、かえって悪影響が日本の政 ( まつりごと ) に及びます。
　だからどんな犠牲を払っても、ぎーんでいるあいだは時差を乗り越えて、そして時間を掛けて、隠された情報を把握せねばなりません。
　たとえば合州国は、日本と時間がちょうど逆です。合州国の要人らが仕事をしつつ短いあいだ余裕が生まれる時間帯が、日本の朝4時台なのです。

▼みなさんと「寝る」と約束したので、完全徹夜だけは避けて、たとえ一瞬のような仮眠でも、ちゃんとベッドに入って取るようにしています。
　その仮眠入りのとき、アラームを念のためセットしていますが、なぜかそのアラームが鳴る直前に自然に目覚めることがほとんどです。これは昔からです。

　昔は、その日に予定されているものがツマラナイと分かっていると、必ずのように遅刻していました。
　昔も昔、大昔ではありますが、ヒドイ話です。
　共同通信の新人研修の2か月、そういうわけでほぼ毎日、遅刻して、めちゃ叱られていました。
　その遅刻していた時代にも、アラームの鳴る直前に自然に眼を覚ましていたのです。
　ぼくは記者は現場で磨かれると生意気にも記者になる前から考えていたので、一日も早く、まずは事件現場の取材に出して欲しかった。勝手な言い分で、自己弁護の余地はありません。
　アラームの鳴る前に眼を覚ますと、本を読んでいました。受験勉強を拒絶していた高校三年生の時と同じです。
　おまえは、子どもか !

　さて、今朝です。
　公式日程はゼロです。
　ほんとうは硫黄島に飛び、慰霊祭にひとりの国会議員として参加しているはずでした。しかし中止です。
　そこで、沖縄の白梅の少女たちの慰霊塔と、自決なさった壕を久方ぶりに訪れる予定に切り替えていました。しかしこれも、小池都知事の突然の挙にて、中止しました。

　この3年と8か月、公式日程がゼロという日は、週末を含めて、ほとんどありません。
　それが今日はゼロです。
　すると起きるのが、無意識に遅くなり、起きたら、夜が明けていました。午前6時近かったと思います。時計も見ないで起き上がりましたが。
　昔から体内時計で、おおむね時刻は分かります。

　この無意識に遅く起きたというのが、何だかおかしくて、いつものように朝風呂の湯を入れながら、ひとり笑いをしてしまいました。
　別に、日程がないから、ゆっくり起きようと思っていた訳じゃないのです。日本の土曜未明は、アメリカの金曜午後のまったり時間帯ですから。
　いつもは土曜も情報収集をほぼ、いつも通りにやります。こちらが週末だからとサボっていいのは、日曜未明だけです。合州国も土曜です。
　しかし今日の日本の土曜に、無意識に怠けて、遅めに起きてしまった。

　いやはや、天と両親がセットしてくださった体内時計、自然、無意識の意識、大したものです。深い感謝と、それを頂いている責任を、いま一度、感じます。
　・・・と言いつつ、1時間と45分ぐらい遅く起きたための影響は大きかったです。
　なぜ連絡が取れないのか、先方の多くは訳が分かりませんから非難の嵐です。ちょっと大袈裟かな。
　ほんとうは普段より、情報を交換したり議論したいことがお互いに多いですからね。今朝のテーマのひとつが、各国の航空業界の、報道されるより遙かに無残な内部事情です。なにせどこの国も国際線が一気にほぼゼロになっているのですから。

▼そして朝風呂に入るまでのあいだ、押し寄せる電話とメールをかいくぐりつつ、デスクトップパソコンに録画していた火山の記録映像を見ながら、その前に置いたノートパソコンで原稿を書き始めたのです。
　その映像の、予想を超える力に、びっくり。
　この火山島は、実際に船で近づいたことがあるのですが、上空から撮った映像は、現実に見た噴火をはるかに上回っていました。

　そして気づきました。
　ぼくらは、生き物の上に乗っかって、暮らしているんだな、と。
　この生き物は、生きているからこそ火を噴いたり、身体を震わしたりします。
　生き物だから、たとえば寄生するウイルスも繁殖します。
　そしてこの生き物、すなわち地球からすれば、ぼくらもウイルスも同じです。

　この全体像を謙虚に知って、備えるのが、そして事が起きてしまったら精確に対処するのが、危機管理だなと、あらためて感じることができたのでした。
　これも、ふだんよりずっと余裕のある朝の賜物ですね。