On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-06-05 07:47:38
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五輪を簡素にすることに賛成

▼簡素な五輪は、武漢熱のあとの世界を模索するにふさわしいし、まだピークが来ていない南半球の諸国も含めて、参加しやすくなることが期待できます。
 来年に延期した東京オリンピック・パラリンピックを簡素化するなら、中止に追い込まれることなく、むしろ原点に還る、いわば新しい五輪を開催する希望が生まれます。
 オリンピック運動は、かつてのロス五輪から極端な商業化、肥大化を重ねてきました。
 中国発の武漢熱の苦しみを経て、本来のあり方に戻るなら、それは深い意義があります。

▼朝日新聞は、今朝の紙面で、ネット版を含めて「安倍首相は完全な形で開催すると言ったんだ。安倍の失政だ。失敗だ。簡素化を言い出したのはあくまで小池都知事だ」ということを、これでもかというほど、強調しています。
 朝日新聞の記者諸君。
 これが歪んでいると思いませんか?

 一国のリーダーはいったん言ったことは世界に何があっても軌道修正できないのなら、国の誤るのは自明の理です。
 むしろ、みずからのメンツに拘らず柔軟に考えていくことこそ、指導者の資格ではありませんか。
 五輪が、開催都市だけではできず、開催都市と国が一体となって初めて実行できるのも、国際常識です。

 改憲を掲げる政権は、とにかく何が何でも潰す、ありとあらゆる機会を捉えて倒す、それに終始する報道ぶりとしか言いようがありません。それは報道ではなく、政党機関紙か、政治勢力のプロパガンダの道具です。
 朝日の記者諸君、内部から、取材と執筆の現場から、声を挙げよう。
 何のために記者を志したのか、その原点に還ろう。
 
▼朝日だけではなくオールドメディアの報道には、簡素化をめぐって日本とIOCのあいだに溝があって、安倍政権はまた困るんだと強調する論調もあります。
 五輪の商業化と肥大化を推し進めてきたのがIOCだから、簡素化と原点回帰を考えるのなら、意見が違って当たり前ではないですか。
 これも、日本がIOCの原点復帰、改革に力を貸せるのなら、この困難はむしろ買ってでも背負う困難でしょう。

 日本人のこゝろを弱らせる、落ち込みに導く、そうした誘導にこの朝も、抗します。


 
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