On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-08-02 17:39:35
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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ぼくは相撲通でも何でもないですが、大相撲にはメンタルも含め至高のドラマがありますね

 お相撲の今場所は、新しく大関になったばかりの朝乃山関の奮闘、怪我と病気から甦った照ノ富士関の優勝と、素晴らしい見所が多かったですね。
 千秋楽の最後のふたばんは、例によって原稿を書きながらですが、テレビ中継を見ることができました。
 
 朝乃山関は、途中まで、すでに横綱の相撲で、日本人の強い横綱の誕生へ期待をぼくも高めました。
 横綱が不在となり、大関としても朝乃山関だけになってから連敗。
 きょうは顔が違いました。
 目の前で照ノ富士関が自力優勝を決め、それは悔しかったでしょうが、明らかに重圧から解放されたお顔でしたね。
 すると取り口も、右上手が取れないのを気にせず、一気に寄せて勝つ、今場所の途中までの横綱相撲に戻りました。
 何とまぁ、メンタルという魔物の力が大きいことかと、あらためて感じずにはいられません。

 改憲を目指す講演会でご一緒したことのある舞の海さんが「好取組が多かったですね」とテレビ中継で仰っていました。その通りですね。
 舞の海さんの、公平な解説、新聞に書かれている連載コラムのタブーを怖れない公正な指摘は、大相撲に対する関心をいつも盛り上げてくれます。

 そして、今場所で、いちばん胸に残ったのは、国技館でご覧になっているみなさんの、武漢熱のウイルスを吹き飛ばすような、あの万雷の拍手です。
 声援の声が出せないという情況にありながら、思い切りの拍手で、勝っても負けても力士のひとりひとりを支える、みなさんの気持ちを込めた大拍手。
 ぼくはそのみなさんに、こゝろの大拍手を送ります。





 
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