On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-09-26 05:14:30
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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みなさん、裏の動きの尻尾は、こうやって表に出てきます   ( 習近平国家主席の国賓来日をめぐって )

▼昨夜、首脳会談にしては遅い時間に行われたばかりの日中電話首脳会談は、菅義偉・新総理みずからが仰ったところによれば、習主席の来日について「特に話は出なかった」そうです。
 これは、総理公邸での電話会談後に、総理がメモを手に、オールドメディアに対して話されたものですね。
 みなさん、ご存じの通りです。

 ということは、総理のお話はすべて、一言一句に至るまで、外務省、内閣官房の官僚 ( 行政官 ) たちと摺り合わせて作成されたメモの、事実上の読みあげです。
 総理は、習近平国家主席の国賓来日をめぐる部分については、メモに目を落とさず、きちんと国民の方を向いて話されました。
 そこは、さすがです。
 何気ない動作のようでいて、経験を活かされています。
 官房長官としての会見を実に3200回以上もこなされ、「 ( 会見の辛さなどから官房長官を辞めたいと思ったことは ) 何度もあります」と最後の官房長官会見 ( 9月14日 ) で仰った、しんどい経験を、それだからこそしっかり活かされた動作です。

 一方で、目を上げて話されたときも、念入りに官僚 ( 行政官 ) たちと摺り合わせて作成したメモを読み上げられていたことは、変わりません。
 自由発言では、全くありません。

▼これもヒントのひとつとして、みなさんに考えて頂ければ、「菅政権初の日中電話首脳会談で、習近平国家主席の国賓来日について何も話さなかった」ということも、実際は日中の官僚レベルの水面下交渉で合意されたことであり、それが菅総理も、習近平国家主席も諒解した上でのことだったと、容易に分かると思います。

 実行するつもりがあるから、今は言わないことにしたわけです。

 ぼくが先にこの公開ブログで、予感と懸念を表明したとおり、東京オリンピック・パラリンピックをあくまで実現すること ( ぼくはオリパラの実現は断固、支持します ) に合わせて、その開会式への出席をはじめ ( サプライズでは閉会式を含め ) 習主席を日本に招き入れようとする動きが、むしろ着々と進んでいると考えざるを得ません。

▼もう一点。
 中国は、日本の総理と対等なカウンターパートは李克強首相とみています。
 すなわち習近平国家主席のカウンターパートについては、日本のどなたを中国が想定しているか、これもみなさんに分かって頂けると思います。
 中国共産党とその独裁政権からすれば当然、その方との会談を望むわけです。

 ただし、これは中国の解釈であって、日本の政府 ( 菅新政権 ) 、国会が、そのような解釈を受け容れていることを意味するものではありません。
 一方で、日本の親中派のひとびとには、実質的にこの解釈をすでに受け容れている人が多いのも事実です。
 無自覚なまま、つまりよく知らないまま、考えないまま受容している人も少なくないと考えます。

 日中の水面下交渉では、ここがポイントのひとつになっているとみています。
 オリパラで来日する首脳があるとすれば、それがどこの国の首脳でも、オリパラを見るだけで帰られる人は居ません。
 ふつう、日本側との会談が設定されます。
 そして、ふつうなら菅総理との会談です。
 それで終わらせることを望まない中国の願望を認めるのかどうか、これも日中は裏舞台で「調整」の名の下に折衝を行っているでしょう。

▼上記はすべて、ぎりぎりの線を模索して、時間をかけて記しました。
 当然です。
 この公開ブログは、ありとあらゆる工作員が好き勝手に見ることができるからです。

 日本社会の大きな欠陥のひとつは、情報というものの本質を、いわゆる有識者まで、みずから情報を発信なさっている人まで、理解なさっていない人が圧倒的に多数派だということです。
 情報は公開情報と、非公開情報に厳然と分かれます。
 そして非公開情報、水面下情報であればあるほど、正確に入手するためには想像を超えて、ありとあらゆるコストが掛かります。
 また非公開情報でも、必要な部分は主権者に伝えるべきだと、これは信念としてぼくは考えています。その際に、厳しい条件を付けることは不可欠です。

 この公開ブログには、いかなる条件もありません。
 新動画の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」にも、何の条件もありません。

 同じ公開情報でも、書籍・本は、ひとつ限定条件があります。「できれば書籍代を払っていただく」ということです。
「できれば」というのは、図書館の活用もあるし、人から借りてお読みになることもあるからです。
 ぼくは職業としての書き手、作家です。しかし図書館を活用なさることも、借りてお読みになることもすべて、完全に歓迎します。中身を伝えることこそ、ほんらいの目的だからです。脱私即的、わたくしを脱してほんらいの目的に即 ( つ ) く、ぼくにとってはそのひとつです。
 同時に、大半の読者は「対価を払う」という限定条件を認めてくださいますから、同じ文字情報、文章による情報の伝達でも、ブログよりはずっと踏み込む、遙かに踏み込むことになります。

 ここまでは公開情報の話です。非公開情報は、より厳しい限定条件の下で伝えます。

▼そして、その奥深い非公開情報に繋がるシッポ、尻尾は、今回の日中電話首脳会談のように、多くは、公開情報にチラチラみえているのです。
 それを、どうぞ、入り口として活用していただきたいなと、こゝろから思う朝です。





 
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