2021-04-01 09:15:54
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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尖閣防衛、波高し されど空は晴朗なり
( 写真は今回も、ぼくが全く気づかないまま、杉田水脈代議士が撮ってくださいました。杉田さんから「モノ言う背中」というキャプションが来ましたよ。ふひ )
▼きのう3月31日水曜の夕刻から夜にかけて、自由民主党の本部にて、尖閣諸島の防衛をめぐって国防部会と国土交通部会と安全保障調査会の合同会議が開かれました。
提言の原案が示され、多様な異見が出て、議論を続けることになりました。
「まとまらなかった」とも報じられているようですが、敗戦後の歴史のすべてを見直すような議論ですから、充分に議論して当然でしょう。
▼ただ・・・旧運輸省の影響力の強さも感じました。
自衛隊法の80条には、「内閣総理大臣は ( 中略 ) 自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部を防衛大臣の統制下に入れることができる」とあります。
つまり、敗戦後の日本で史上初めて、防衛出動が下令 ( 総理から自衛隊に出動命令が下ること ) となれば、海上保安庁は ( 国土交通大臣ではなく ) 防衛大臣が統制すると法に明示されています。
▼ぼくは写真のように、会の冒頭に近いところで、それに合わせた体制整備、法の最小限の改正を提案しました。
しかし「現状を変えるな」という本音があると考えざるを得ない意見も多く、出ました。
そこに、海上保安庁が国土交通省に属していること、また海保が、その国交省のなかでも旧運輸省による影響力に依拠していることをありありと感じました。
▼会の最後に、あえてもう一度、手を挙げました。
ほんとうは「全員の発言機会を確保するために、また武漢熱のさなかでもあり会があまりの長時間になることを避けるためにも、二度目の発言は避けよう」という暗黙のルールをきちんと守りたいのです。
しかし、これは言わざるを得ないと、こゝろを決めました。
司会役を務められた大塚拓・国防部会長が、この二度目の発言を認めてくださいました。
「尖閣諸島の現在が、日本国民からどう見られているかを、すべての参加議員にお考えいただきたい。
日常的に、中国海警局の武装船などによる領海への侵入があり、接続水域に至っては、昨年に333回。つまりほぼ毎日です。
これが国家と言えるのか。
ドアの内側に勝手に入られて、家を護っていると言えるでしょうか。
確かにまだ島を奪われてはいない。
また中国の無法な振る舞いを一定の限度内には食い止めている。
それは海上保安庁のみなさんの献身と、背後にいる自衛隊のおかげです。
同時に、このままでは、もはや国家の体を成していないと、こゝろある主権者にはお考えのひとも多く、そうした意見が日々、ぼくに届きます。
議員のみなさんも、同じではないでしょうか。
今日の議論は、2月1日に中国が海警法を施行したために、これから中国が新たな動きをした時にどうするかという議論でした。
しかしほんとうは、すでに現状で、日本が主権国家と言えなくなっていないかと主権者が懸念されている事実があり、すくなくとも現状維持では駄目であることを、もう一度、考えていただけませんか」
このような趣旨です。
▼ぼくは実務を通じて、海上保安庁と23年間、連携してきました。
日本のすべての原発が海に面していますから、原発テロ対策が中心です。
そして、舞鶴の海上保安学校が、どれほど遠くても、雪の降りしきる日にも講義に東京から向かい、海上保安官の育成に努めてきました。
海上保安官のトップ、すなわち海上保安庁長官から最前線の若い海上保安官まで、志を同じくし、こゝろを開いて接し、巡視船、巡視艇にも乗り、波をともに越えてきました。
その立場からの発言です。
現状のすべてを直視し、現状にとどまるなかれ。
※新動画の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の次の収録にて、詳しく、かつ公平に、お話しします。