On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-04-02 14:42:21
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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一致点を探す現場にて その2



【 そもそもなぜ、総務委員会にふだん属していないぼくが、総務委員会で質問できたのか 】

▼主権者に「国会」を知っていただくための一環として、きょうもお話します。
 なかには、何度かお話しをした事柄もありますから、「そこは、もう分かっていますよ」という方もいらっしゃるでしょう。
 ただ、すべて繋がっていますから、丁寧にお話ししたいと思います。

▼自由民主党の参議院議員は、「常任委員会」と「特別委員会」には、それぞれひとつづつしか属することができません。 ( 予算委員会は別枠です )
 不肖ぼくは、予算委員会と、経済産業委員会 ( これが常任委員会 ) 、政府開発援助 ( ODA ) 特別委員会 ( これが特別委員会 ) に属しています。

 総務委員会は、常任委員会のひとつです。
 そしてNHK予算を審議するのは、この総務委員会です。
 NHK予算案を審議する時の総務委員会には、必ず、NHKの会長が出席せねばなりません。

▼一方で、軍艦島 ( 長崎市の端島炭坑 ) をめぐるNHKドキュメンタリーについて「ひどい捏造の映像がある」と島民、つまり端島炭坑で働き、家族と住んでおられた日本国民のかたがたから悲痛な訴えが出ている問題では、自由民主党の衆議院議員と参議院議員の計おふたりが質問しましたが、前田晃伸NHK会長が答弁されたことは、一度も、なかったのです。

▼そこで考えました。
 NHKの前田会長が必ず、答弁されなければならない場が、ひとつだけ国会にあります。

▼それは、どこか。
 そのためには、もうひとつ、国会の仕組みをお話しします。

 国会の委員会には、自由民主党の理事と、野党側の理事がいて、委員会の運営を常に協議します。この協議なくして、委員会が開かれることはありません。
 ぼく自身は、経済産業委員会の理事、政府開発援助 ( ODA ) 特別委員会の理事を、それぞれ務めています。
 さらに理事のなかには、筆頭理事がいます。
 自由民主党の側にひとり、野党側にひとり、このふたりによる「筆頭間協議」がもっとも重要な役割を持ちます。

 委員会が開かれるとき、こうした理事による与野党の現場協議を元にして、委員会の委員長、あるいは各党の国会対策委員会 ( 国対 ) による交渉、さらには議院運営委員会 ( 議運 ) による議決などが、重層的に積み上げられ、やっと委員会の開催となります。
 それとは別途、予算委員会のように主要な場面で誰が質問するかについては、参議院自由民主党の幹事長 ( 二階さんではありません。世耕さんです ) らの合意も必要です。

 そういう意味では、国会の委員会は、眼に見える質疑 ( 議員が質問し、総理、大臣、行政官、それにNHK役職者などが答弁するのが、質疑です ) のほかにも、ふだんは見えない沢山の交渉、協議、決定で埋め尽くされているわけです。

 こういうなか、ぼくがいつも考えているのは、トップダウンだけに依存するのは駄目だということです。
 時には、つまりテーマによっては、ずばり内閣総理大臣を動かすしかない時もあります。
 ただし、そういう時ですら、総理が了承してくださったら、それで終わり、ではなく、総理の了解を基に上も下も真ん中も動かしていかねばなりません。
 そして時によっては、あくまでじっくり現場から順番に積み上げて行ってこそ、実るべきが実る時も多いですね。
 みなさんも、ふだんの仕事で日々、経験されているとおりです。

▼さぁ、国会の仕組みを今日もまたすこし、分かっていただいたうえで、軍艦島の問題でNHKの前田会長の答弁を引き出すにはどうするか。
 総務委員会はもちろん、NHK予算を審議するだけの委員会ではありません。
 審議しているのは総務省の任務のすべてですから、広範囲です。

 つまりNHKの令和3年度予算案を審議する日をピンポイントで、決め打ちして、その日だけ、経済産業委員会の委員から、総務委員会の委員に転籍させてもらうことが必要です。
 ( この転籍を、国会ではふつう、差し替えと言います。そのためには、上掲の重層的な協議と決定・諒解がすべて必要です )

▼ぼくはまず、総務委員会の自由民主党の理事である進藤金日子 ( かねひこ。男性です。古代のような香りがある素晴らしい名前です ) 参議院議員に、すこしづつ、お話ししていきました。

 そして進藤理事の深い理解を得て、進藤さんから、筆頭理事の堀江巌 ( いわお ) 参議院議員に、伝えてもらい、こうして筆頭理事、理事の賛成を得ました。
 あとは上掲の各所の諒解を得ることですが、ふだんから国対に貢献していれば、話はどんどん進みます。
 また参議院自由民主党の幹事長室の信頼があることも大切です。
 そうしたものをふだんから築いていないと、話はあっという間に止まってしまいます。

▼さて、写真を見てください。
 一段、高いところにいらっしゃるのが、総務委員会の委員長です。
 その向かって左が、堀井・筆頭理事、その隣が進藤・理事です。
 つまり、このおふたりが、今回の質問実現のまさしく恩人です。

 そしておふたりとも、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) のメンバーです。
 熱い同志です。
 同志とのふだんからの連帯があってこそ、質問は実現しました。
 深く感謝しています。
 これが、不肖ぼくの歩いている道でもあります。


       ( その3に続きます。アップはすこしお待ちください )





 
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