On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-06-13 11:43:48
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【書き加えました】  祖国を護る空のザ・ゲンバ その1



▼先週の金曜、6月11日に正直、必死の思いでスキマ時間を確保し、新動画の「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の新しい放送3回分を収録しました。
 まず、その金曜の夜に「復興の着物」をアップしました。これですね。
 きのう土曜日には、議員会館の青山繁晴事務所で収録したものではなく、委員会の審議のようすをアップしました。それは、これです。

 きょう日曜日は、アップがありません。撮影、編集に協力してくれているスタッフに休んでもらうため、日曜にはアップをしないことにしています。
 そのため、収録した、あと2本は、明日月曜と火曜にアップされる予定です。

 みなさん、きょうの日曜はリラックスしてくださいね。
 ぼくはー
( 1 )  月刊Hanadaの連載エッセイ「澄哲録片片」 ( ちょうてつろく・へんぺん ) の執筆と完成・送稿
( 2 )  靖国神社の「みたままつり」 ( 御霊祭り ) のための揮毫 ( きごう ) の作成
( 3 ) すでに書きあげている、会員制レポートの「東京コンフィデンシャル・レポート ( TCR ) 」第1191号の念のための見直しと仕上げ
( 4 ) 北國新聞 ( ほっこくしんぶん/金沢本社の良心派にして有力な地方紙 ) に連載しているコラムの起稿
( 5 ) 新潮社のノンフィクションの執筆
( 6 ) 年末の発刊を検討中の講義録の見直し
( 7 ) 構想を仕上げつつある長編小説の執筆
 そして・・・
( 8 ) 連休に着手、その後に中断したまま悲惨なことになっている断捨離、その再開
( 9 ) 全くやる時間が無かったトレーニングを、きのう土曜日にわずかながら再開したので、その継続

 ーと、こういうわけです。
 きょうは元々は、第114回独立講演会@神戸でした。
 それが緊急事態宣言の再来で ( ほんとうは感染症対策による開催条件を満たしているのですが ) 延期となり、公務日程が入ってませんので、代わりに上記のようなことがどっと入ってくるのです。
 ふはは。

▼ところで、なぜ冒頭の写真か。
 明日以降にアップとなる動画のひとつが、ずっとペンディングになっていた「次期戦闘機」です。
「戦闘機なんか興味ない」とういかたも、ちょっとだけ聴いてください。
 日本の空を護る戦闘機は、純国産の戦闘機をつくろうという努力が、多くの国民が知らないまま、続いてきました。
 戦勝国アメリカからの干渉、妨害に耐えてのことです。
 だから、かつての零式戦闘機 ( いわゆるゼロ戦 ) のような純国産の戦闘機を持つことができるかどうかは、日本の真の独立にとって、別れ道になります。

 ぼくは民間専門家の時代からずっと、純国産を主張し、そのために空の現場、ザ・ゲンバ、ほんものの戦技訓練に参加したいと長年、航空自衛隊に申し出ていました。
 ゲンバを知って初めて、主張も本物になるという、ふだんの主張の一環です。
 写真は、それがついに実現し、戦闘機乗りの飛行服に身を包んで、三沢基地のF2戦闘機に乗り込むところです。

▼戦技訓練に参加した事実の写真は、これまで新書 ( 「いま救国 超経済外交の戦闘力」など ) にて一部を公開していますが、未公開の写真もあります。
 このエントリーの写真は、その1枚だと思います。

▼これらの写真は、週明けに ( 月曜にほかの1本をアップして、次期戦闘機はたぶん火曜日 ) アップする動画のために、きょうの日曜、上記の重なり合う仕事のあいまに、過去のファイルからもう一度、探しました。

 それらを見てみると、過去には気づかなかったことが、今は分かります。
 この1枚で言うと、わずかに見えているぼく自身の横顔から、生まれて初めて、音速を超えるどころか音速の2倍に達する戦闘機に乗り込み、それも後部座席とは言え、戦技訓練のさなかに入る、その緊張感がうかがえますね。
 写真からは分かりませんが、このコックピット自体、地上からは非常に高いです。
 足元のラダー ( はしご階段 ) はとても狭く、急です。

▼ひとつのエントリーがあまり重くなってもいけないので、何回かに分けて、アップしようかと思います。



▼乗り込む前に、戦闘機乗りの制式通りの飛行服を着終わったところです。
 あらためて写真を見ると、もう後戻りはできないのですが、充分にリラックスできていますね。

 戦闘機はただ真っ直ぐ飛ぶだけなら、じつは極めて快適です。
 ただの体験搭乗なら、そうなります。ぼくはこの『ただの体験搭乗』には昔から反対なのです。燃料ひとつ考えても、問題があります。

 そして航空自衛隊との長年の協議を経て、ドッグファイト、戦闘機同士の凄絶な戦闘そのものの訓練に入れてもらうことになりました。
 すると、激烈なG ( 重力加速度 ) が人間に掛かってきます。
 それも、後部座席に搭乗しているからこそ、前触れなく、瞬時に、一気に掛かってきます。
 本物の戦闘機乗りでも、首や腰に打撃が烈しく、意識喪失も起きることがあります。

 意識喪失の主な原因は、頭から血流が失われることです。
 そこで、この飛行服には、身体を締め上げて、血の流れをあらかじめ止めておく工夫もされています。
 非常に重い飛行服です。
 民航機のパイロットが、ネクタイを締めて、いわば普通の格好 ( ただしとても素敵な制服姿 ) をしているのとは対照的ですね。
 民航機、たとえば旅客機は、与圧されているからです。地上と変わらない気圧に機内が保たれていますから、パイロットもCAも乗客も食事したり、トイレに行ったりができます。
 戦闘機のコックピットには、それがありませんから、ぼくの口元にはマスクがあります。
 やがてコックピットに入ると、このマスクを顔に付けます。そうやって呼吸をします。

 もしもぼくの胃腸がすこしでも弱かったから、このマスクに吐いて、窒息死したでしょうね。



▼乗り込みました。
 飛行服を着るのを手伝ってくれた自衛官、この機を整備してくださった自衛官、この機の前部座席に搭乗されている飛行隊長 ( 写真に腕が見えています ) 、編隊を組んで戦技訓練をおこなう他機の戦闘機乗り、そして長年の充分な検討の末に決断してくださった、当時の首脳陣のかたがた。
 こんなにも沢山の自衛官に支えられて、このコックピットに乗り込むことができたのです。
 魂からの、深きも深い感謝と、敬意と、責任を込めて、民間人ながら敬礼を致しました。
 F2戦闘機の周りには、非常に多くの自衛官がいらっしゃいました。その全員が、美しく敬礼を返してくださいました。

 国会議員になってしまった今は、絶対にこんなことはできません。実現不可能です。
 議員の特権を行使したのかと誤解されるからです。
 民間の専門家、それもいかなるところとも利害関係を持たないことが明らかな民間人にして、安全保障をめぐる専門性、それから心身の強靱、精神の安定から筋力、体力、心肺機能の強さを自衛隊・防衛省が認めて、実現したレアケースでした。
 ちなみに、飛行 ( 操縦ではなく同乗飛行 ) に必要な資格は、航空自衛隊の訓練を受けて、取っています。資格証もあります。
 現在も有効かと思いますが、上述の通り、国会議員で居るあいだは、もはや搭乗は不可能です。

( その2に続く。このあと、いよいよ青空のただなかへ出撃します )





 
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