On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-07-19 18:00:16
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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文在寅大統領の訪日中止を韓国が発表したことをめぐって  ありのままに記しましょう

▼すでにご存じのかたが多いと思います。
 韓国の青瓦台 ( 大統領官邸 ) は、文在寅大統領の訪日を中止すると発表しました。

▼不肖ぼくは、引き続き、国内の親韓派と、その背景にいる親中派の動きに警戒を続けます。
 安倍総理の退場から1年、親韓派、親中派がさまざまに巧妙に仕掛けてくるのを、実感しています。

▼国内のそうした勢力だけではなく、韓国と中国自身の工作活動も、非常に活発です。
 その工作に日本のオールドメディアが乗っかることも、かつてより、あからさまに起きています。

 最近では「韓国をホワイト国に実質的に戻すよう日韓政府が最終調整している」と民放が「独自ダネ」と称して報じました。
 その内容は、韓国の放送局かと思うほど、韓国寄りでした。
「最終調整」というメディア用語は、「もう、その線で、まとまりそうだ」という意味です。

 それが多くの人の憤激を呼び、ぼくのところには、この「ホワイト国復帰」なる動き ? が、ぼくの責任であるかのようなコメントもかなり来ました。
 話はまるで逆なのですが、いつものことなので、もはや驚きません。

 この報道を「虚報」とする証言を政府内部から聴いています。
 しかし同時に、日本の中に、韓国のこの要求に理解を示す動きが全くなかったかと言えば、それは違うと考えています。
 最終調整、つまり前述したように「ほぼ合意」と報じたのは虚報です。同時に、「何も無い」と油断するわけには全くいかない、ということです。

▼このブログの読者なら、いわば生き証人としてご存じのように、不肖ぼくが自由民主党の外交部会で、韓国のあまりにも露骨な国際法違反などに対して最初に「現実に実施可能な措置として、韓国をホワイト国から外してください」と提案したとき、外務省幹部が一斉に、机の下でスマホを検索しました。
 顔は真っ直ぐにしたまま、みな手を机の下で動かしていましたよ。わはは。

 ホワイト国は貿易をめぐる措置ですから、経産省の扱いであり、縦割りと言うよりは蛸壺に入っているに等しい日本の官界においては、外務省は良く知らなかったのです。

 このあと、その経産省の担当課長と、今は亡き和田幸浩・外務省総務課長らが議員会館の青山繁晴事務所にやって来て、和田さんがあえて沈黙するなか、経産省の課長さんは「そんなことは絶対にできませんっ」と怒鳴ったのです。
 顔を真っ赤にして、ほんとうに怒鳴り声でした。
 その行政官のお顔が大きくなったような印象すらありました。

 そこから半年、水面下でずっと動き続けました。
 怒鳴り声に腹を立てても、何も良くはなりません。不退転の強い姿勢をどんなに地位の高い官僚、政治家にも明示するとともに、官庁のなかにも味方を増やすことに専念しました。

 そしてちょうど半年後、ホワイト国、すなわち韓国を北朝鮮に物資を流したり絶対にしない「潔白、ホワイトの国」と認定して、日本との貿易について実施的にノーチェックにするという措置は、見直され、中止され、真っ当な貿易体制になりました。
 このとき、政府はホワイト国という呼び名を変えました。
『いくらかでも韓国に厳しくなったという印象を薄めたい』という涙ぐましいほどの官僚の工夫、もちろんほんとうは無用な工夫です。
 しかし、もともとホワイト国という官製の日本語はとても変ですから、この呼び名変更は放っておきました。

 前述の経産省の課長さんが急転、部会やテレビ番組で、どちらかと言うと手柄のように話されていたのは、なかなか、ほほえましい光景でありました。
 それでいいのです。なぜなら、官僚の方針転換があってこそ、国会議員の提案も実るのですから。

▼今回、日本が、中国発の武漢熱を淵源 ( えんげん ) に東京五輪で苦しみ抜いていることを、韓国が強 ( したた ) かに利用し、条件次第では文在寅大統領が開会式に出ますよと日本に持ちかけ、その条件のなかに「実質的にホワイト国へ復帰すること」を入れることを狙ったり、それが出来なくとも日韓首脳会談で文在寅大統領がこれを持ち出して、菅義偉総理に否定はさせないという戦術まで、さまざまに仕掛けたと、ぼくは情報を総合して理解しています。

 これは何を物語るか。
 ホワイト国からの除外という、ほんとうはごく当然の措置が、韓国の文在寅政権にとってどれほど大きいかを雄弁にみずから明らかにしたと同じですね。

▼このホワイト国については、こゝろある主権者から、ブログに幾つも、正確なコメントをいただいています。
 そのうちのひとつを、その部分だけ紹介しておきます。

~以下、原文のまま引用~

【前略】
ホワイト国外しについて、ネットでも地上波でも様々話題にしていますが、
元は青山さんの提言から始まったことを、どのコメンテーターも言いません。
私は、虎の門ニュースで青山さんから初めてホワイト国というのがあったことを知りましたし、
ホワイト国外しがいかに効果的であり、官僚が猛反対されたことを知りました。

しかし、既存のメディアやコメンテーターは、あたかも元からホワイト国について知っていたかのように話し、ご自分の手柄のように語っています。
この件だけではなく、水面下で青山さんがご尽力されておられることは地上に上がってきません。
【後略】

~引用ここまで~

 このかたは、「歯がゆい気持ちですが、えてして、事を為す人はそういうものかもしれない」、ともこのあとお書きになっています。
 我慢してくださっているという趣旨ですね。
 ぼくとしては、このような志ある主権者が理解していただいていれば、充分です。
 ただし、こうしたことが、ぼくとみなさんを、日本社会の少数派にしているのも事実ですね。
 だからここに、あえて引用をいたしました。ありがとうございます。

▼ぼくの警戒や、水面下の動きは、韓国が訪日中止を発表しても何も変わりません。
 したがって明日の外交部会も、もちろん予定通りに参加し、他の国会議員のまえで政府に問うべきを問います。

 動画の第185回「議員、来年どうする」で三浦麻未公設第一秘書が客観的に話しているとおり、部会で、他の議員が考えを変えていくのを、ぼくも目の当たりにしているからです。
 議員だけではなく、政府のなかにも、考えを変える行政官が出てくることを、日本はほんとうに凄い国だなぁと感じています。
 不肖ぼくはまだ、当選1回なのです。
 それにもかかわらず議員も行政官もなぜ、しっかり話を聴いてくれるか。
 それは、ぼくの背後には48万1890人という、ぼくに投票なさった沢山の主権者がいらっしゃるからです。
 これは民主主義にとって、とても健全なことですね。

 みなさん、失望や絶望を語るのはまだまったく早いですよ。
 一緒に考えましょう。
 それを今こそ、続けましょう。





 
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