2022-05-02 03:46:03
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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断崖絶壁から身体の10分の9は落ちている感じです それでも指がまだ引っかかっています 指の力によっては全身を引き揚げられます
▼風薫る五月、という美しい日本語があります。
しかしことしの初夏は、なんだか寒かったり、「暑いのか寒いのかもう分かんなくなった」と呟くひとに、すこし共感したりしています。
春も、桜は咲いてくれたけれど、春らしい気分を味わうこともなく季節が変わっていた気がします。
みなさんは、いかがですか ?
そして世界は悲惨な現実を重ねています。
そのなかにあっても、同胞のみなさんはひとりでもふたりでも、この日本の連休にリラックスされていることを祈ります。
▼さて、きのう5月1日の日曜は、苦しみ抜いたいちにちでした。
「ぼくらの国会」リアル版がなく、日曜ですから国会日程もなく、自由民主党の部会などもありません。
ほとんどの議員は、地元に帰っています。
ぼくは信念のひとつとして地元をつくりません。参議院の全国比例選出の議員として、日本全国に貢献すべきだと考えています。
一方で党本部から、週末に出張を要請されることが多く、土日に自宅に居られることは少ないです。
ところが、きのうの日曜は例外で、何の日程も入りませんでした。
だから秘書さんは、ジムの予約をしてくれていました。
それは正しいです。
極度の運動不足で、身体が自分の身体じゃ無いみたいですから。
そのジムにおととい電話して、スタッフにお詫びしつつキャンセルしてしまいました。
予約してくれた秘書さんにも申し訳ないですが、この5月末に発刊する予定のノンフィクションの新刊「ぼくらの選択」が、ギリギリの山場、崖っぷちにあります。
無事に発刊できるかどうかは、きのうの日曜のぼくの作業ぶりに掛かっている情況でした。
▼にんげんばなれ・・・という言葉が頭の中で明滅するような過密日程のなか、印刷にいちばん時間が掛かるから早く出版社に渡さねばならない ( 1 ) 写真ページ ( 2 ) 表紙、裏表紙のデザイン ( 3 ) 帯のデザインと文言の決定ーはようやく終わっています。
( 2 ) と ( 3 ) は苦しくなかったです。美術も好きですから、デザインは愉しいのです。
また、飛鳥新社の担当編集者だった沼尻裕兵さんが帯の裏の文言を選んだり、手伝ってくれました。
帯の表の文言は、短いですが、ぼくの新たな書き下ろしです。
裏の文言は、慣例に従って、ぼくの文章の中から担当編集者が選んでくれました。 ( 文章を書いたのはぼく自身です )
一方、 ( 1 ) の写真ページの作成は、ノンフィクションの新刊を出すときいつも苦闘になります。
まず、過去の写真ファイルから写真を選んでいくのですが、これが苦手なのです。
なぜでしょうね。
見るのなら、未来を見たいという気持ちかな。
自分の過去の写真を見るのは、ふと見る感じならいいけれど、義務として見るのは愉しくないです。
とにかく苦手なうえに、今回は議員となっての6年分で、写真が多すぎます。パソコンの写真ファイルを見ていくだけでもたいへんな時間を要しました。
しかし、どうにかこうにか終わりました。
そして冒頭の写真は、「ぼくらの選択」の第1巻「雄志篇」の帯です。
▼これが第2巻の「虎穴篇」の帯です。
▼そして第3巻の「天命篇」の帯です。
▼全体はこんな感じです。一例として、第2巻にあたる虎穴編をアップしてみました。
写真の左は、本の表紙、裏表紙を拡げたところです。
ロングセラーとなった「ぼくらの祖国」(扶桑社)の表紙デザインもぼく自身がやりましたが、日の丸が上から降りてくる感じにしました。
今度は、その日の丸が本の背表紙を中心に、どんと真ん中に居てくれる感覚です。
なぜ全体は、ひとつしか写真をアップしないか。
質感が、カバーだけの写真では出にくいと思うからです。
このカバーの中に、本の中身が入って初めて、みなさんに伝わると思うので、全体はやはり今月末に本が出てから手に取って、実物を感じてくださるようお願いします。
▼裏表紙の真ん中のぼくの写真と、帯にあるぼくの写真は、いずれも前述の編集者の沼尻さんが選びました。
これは、扶桑社から出版した日めくりカレンダー「まいにち哲学」のために撮影した写真ファイルを、扶桑社が公平にも飛鳥新社に貸してくれて、そのなかから沼尻さんが選んだわけです。ぼくの判断は入っていません。
一方、本のなかの写真ページの写真は、ぼくが自分のパソコンの個人ファイルから選んだわけです。
▼こうやって、版元の飛鳥新社にとって「印刷に時間が掛かる」という意味でいちばんの心配だった「色のある印刷」は出揃いました。
あとは原稿です。
▼きのうの日曜は、例外中の例外として、外に出なくて済む、原稿に集中できる日だったのですが、いきなり原稿の1行目から苦吟に苦吟となり、ついに、信じがたいことに1行を完成できなくて、丸1日が終わりました。
かつて著作に「句読点を丸にするのか、点にするのか、どこに打つのか」でひと晩、徹夜になってしまったことを書きました。
おそらく『誇張だ、嘘だ』と思ったひとがいらっしゃるでしょうが、ありのままの事実です。
しかし早朝から深夜までの1日をフルに、1行に捧げ、そしてその1行が完成しなかったのは、おそらく生まれて初めてです。
小学生の頃から作文を早く、たくさん書く子でしたが、いまや、1行で人生の貴重な1日を喪う職業作家、国会議員との兼業作家になりました。
わはは。
▼この新刊「ぼくらの選択」は、月刊Hanadaに連載したエッセイ「澄哲録片片」 ( ちょうてつろく・へんぺん ) が元になっています。
しかし、 ( 1 ) まったく新しく新章を書き下ろすこと ( 2 ) 旧稿の一字一句を全て、見直し、書き直すことーによって本を作っています。
これはもの書きとしての、ぼくの生き方です。
だから昨日のような悲劇の1日も生まれるのですね。
▼まもなく5月2日月曜の朝が来ます。
いま午前4時30分ちょうど、窓の外は綺麗な濃紺となっています。
最初の太陽の光が差し込む、直前の色ですね。
きょうは国会に出て、防衛省と日本の安全保障の根幹をめぐって議論し、また文部科学省の幹部とも会います。
国会議員は国会にいなくても、行政官 ( 官僚 ) の少なくないひとは、官庁に出勤なさっています。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の新しい収録も行います。
そして今夜こそ、その問題の、難しい1行を突破して、原稿を一気に進めます。
予約してくださったみなさんの志に応えるためです。
※ ぼくせんこと「ぼくらの選択」の予約の一例は以下の通りです。
『雄志篇』 ここです。
『虎穴篇』 ここです。
『天命篇』 ここです。
出版社から「3巻を一気に同時刊行します」と聞いて、その大胆さに、ぼくもびっくりしたのでアリマス。