On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-01-18 12:05:30
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国家国民の戦闘防護団として世界最強レベルのフランス国家憲兵隊、そのなかでも戦闘任務に特化した精鋭のGIGN ( 治安介入部隊、実質的に突入戦闘団 ) を訪ねました  その1



▼パリ郊外のGIGN ( 国家憲兵隊の特殊突入部隊 ) の拠点を訪ねました。
 いきなり、実際の隊員が頭を撃ち抜かれたヘルメットや、顔を守るはずがこれも撃ち抜かれているフェイスガードが展示されています。

 そしてスローガンが掲げられているのですが、国家と国民のために、という趣旨があるのは当然として、" La Vie " のために、と大書したスローガンもあります。
 " La Vie " はフランスの小説や映画、歌に繰り返し出てくるキーワードですから、フランス語をほとんど解さないぼくも少年時代から馴染んでいます。
 たとえば " C’est la vie " すみません、カタカナで書いてしまうと、セ・ラ・ヴィ、それが人生さ。
 だから" La Vie " は人生、とか命という意味ですね。

 泣く子も黙る国家憲兵隊のなかでも精強な、そして恐ろしくもあるGIGN、その内部で、隊員に向けた標語にこれが出てくるとは思いませんでした。
 どういう意味か。
 同行してくれた駐フランス日本大使館のナイスガイ、防衛駐在官 ( 国際社会では駐在武官 ) の海上自衛隊・佐藤二等海佐 ( 国際社会では海軍中佐 ) とも話し合ったのですが、「人生のために、とも、命のために」とも訳せるね・・・となりました。
 あとでゆっくり考えると、隊員に「おまえ自身の人生と、授かった命が国家国民のためになれるよう、前へ出て戦え。それが市民の人生と命を護るのだ」という趣旨ではないかと思います。



▼たった今は、フランス時間1月18日水曜の午前4時39分 ( 日本時間同日昼 ) です。
 昨日は早朝にホテルを出て、まずはパリ中心部にあるEDF ( 国家の電力会社 ) の本拠に行き、そこにずらりと集まってくださったフランスのエネルギー当局者と議論しました。
 EDFの高級幹部から、原発をはじめエネルギー施設を守ることも任務とする国家憲兵隊の高級将校まで、ちょっと壮観のメンバーです。
 ここにも、駐フランス日本大使館の良心的な協力がありました。





▼このフランス政府高官は、なぜか、ぼくのファンだそうです。
 ??
 そして会うのを楽しみにされていたそうで、「どうしてもふたりだけで写真を撮りたい」と仰って、こうなりました。

▼この議論では、フランス側から「英語が苦手な者も居るので、通訳を入れて欲しい」という要請が日本国外務省を通じて、ありました。
 ぼくはこれを断り、「英語をゆっくり話すから、直にやりましょう。通訳さんを入れると、時間もどんどん失われる」と伝えましたが、フランス側の不安は強く、通訳さんが入ることになりました。

 議論そのものは、日本の原発防護に充分、役立つ効果的な議論になりました。
 ぼくは残念ながらまさかの徹夜明けで、躯も頭痛を発して警告していましたが、議論が始まる前の名刺交換あたりから、いつものようにガッチャーンと大きな重いスイッチが入って、頭痛もぴたりと止まりました。
 そうなるともう、何事もありませぬ。疲労も感じません。

 これはやはり、同行のヘイワース美奈研究員はたいへんです。
 ふつうの体力では付いて来られないです。しかし、そこは日本のお母さん、三浦麻未公設第一秘書と同じく二児の母である彼女は、ただのひとことの文句、愚痴も漏らさず、全身全霊で任務を果たしています。
 えらいぞ、日本女子。



▼そこから日本大使館に移動しました。
 なぜか裏口から入りました。
 秘の多い安全保障をめぐる議論だからかなぁ。ちょっと大使館は余計な気を遣いすぎだと思います。国民に負託されて動いている国会議員による調査ですから、堂々と正門から入れてほしかった。

 しかし、そんなことを言っていると、現場では議論の大きな邪魔になります。
 きちんと席に着き、今度はフランス政府の行政サイドから、エネルギー政策や原発政策、核セキュリティが説明され、それをもとに議論しました。
 ここでもフランス側は、通訳を求めました。

 確かに、こちらの英語がすこし早くなると、フランス政府高官の顔に焦燥の色が浮かびます。
 フランスって、ほんとうに面白いです。ここも好きです。英語/米語の世界支配に抵抗しているのを感じるからです。

 ただし、ぼくの考えはちと、違います。
 英語/米語が世界共通言語になっているのは、フランス軍の知友がときおり漏らすように「アメリカの世界支配のせいだ」という面が確かに大きいけど、同時に、実は受け容れやすい、シンプルな言語だからです。
 世界共通言語をどれにするか。
 そのときシンプルであるのは絶対条件です。
 だって、語学を勉強する環境もない国々が、世界にどっちゃり、あるのですから。
 だからぼくはフランスの考えを深い部分で理解しつつも、英語/米語での直接の議論を、今後も求めます。



▼そのあと、前述の佐藤防衛駐在官と、フランス大使館のみなさんと一緒に短く、昼食を摂り、ぼくと佐藤防衛駐在官とヘイワース美奈研究員と通訳の大関さんの4人はパリを離れ、小雨のなかを長駆、GIGN ( 国家憲兵隊の突入部隊 ) の本拠地のひとつへ向かいました。
 GIGNからも強く、通訳を同道して欲しいと要請があったそうです。

 国家憲兵隊はパリの本部をはじめ、外部の人間は非常に入りにくいところです。
 幸い、ぼくは今回の外務省、防衛省などの協力を含め、民間の専門家時代から日本政府の良心派との連携によって本部、活動拠点のいずれも何度も訪ねています。

▼今回も、戦闘任務に就く隊員が、笑顔で迎えてくれました。
 以下、次のエントリーに続きます。



 
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