On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-01-29 21:32:56
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【推敲しました】  「韓国をホワイト国に戻す」という産経の報道をめぐって


( わたしがかつて見た、海上保安庁の洋上演習です。
 ドクロマークの船は、公式には「具体的な想定があるわけではない」ということになっていますが、たとえば、北朝鮮のテロリストの日本への潜入、船を使って覚醒剤など違法物資を日本へ持ち込む瀬取りといった最悪の不法行為を取り締まる演習です。
 現場がこうやって努力を重ねているのに、政治が、北朝鮮へ裏道から日本の産品が渡ることを防ぐのをやめる・・・そんなことはあってはなりませぬ )

▼日本国の最高決定権者、そして担当大臣 ( 複数 ) にいずれも電話し、「韓国をホワイト国に戻すことを検討しているという産経の報道が、もしも事実であれば、志ある国民とともに強く反対します」という意思を明確に伝えました。

▼その上で、明言します。
 記事は一種の「飛ばし」だと考えます。
 また、困ったことに、記事のなかの、大切な事実経過の部分で重大な間違いがあります。

『ホワイト国』というのは何か。
 今はこの奇妙な名前を政府が変えて、「グループA」と言っていますが、要は、日本からどこかの国に輸出するとき、安全な国とみなして輸出の管理を緩めることです。
 わたしが安倍政権の時代に初めて、「韓国をホワイト国から外すべきだ」と自由民主党の部会で提案し、経産省の担当課長が当初、「そんなことは絶対にできない」と議員会館の青山繁晴事務所で叫びました。
 しかし、水面下で交渉を続け、半年後に実現しました。
 以来ずっと、総理が替わっても、維持されています。

 韓国がこの『ホワイト国』への復帰を強く求め続け、一方でアメリカは中国と対峙するために「日韓は仲よくして欲しい」と言い続けています。
 そのために、政府内の親韓派、自由民主党内の親韓派に「韓国が応募工 ( 韓国の事実に反する言い分では徴用工 ) の問題で歩み寄れば、ホワイト国に戻してやってもいいじゃないか」という動きは常にあります。
 今回は、保守層に読まれている産経新聞にリークして、反応を見ようという狙いも感じます。
 
▼大切なことは、前述の最高決定権者はわたしに、「そんな記事があったのは見たが、そのような検討など、とんでもない」と断言していることです。

▼今後も引いたり押したりはずっとあります。

 このブログには、昂奮しきったコメントも多く来ています。
 怒りをただぶつけ非難なさるのと、意見を仰るのとは、違いますね。
 国会議員なら、みな、敵でしょうか。

 前述のように、ホワイト国からの除外はもともと、わたしが提案し、半年間の水面下の努力で実現したものです。その後もずっと、韓国をホワイト国にしないように動きを続けています。
 意見を仰るのは常に歓迎です。怒って非難するだけであれば、相手が違いませんか。

▼一方で、コメントのなかには、しっかりしたご意見のものも沢山あります。
 たとえば「筋が違う」という指摘ですね。
 その通りです。

 現在、応募工問題をめぐって韓国がその国内で進めようとしている「解決策」なるものも首を傾げますが、仮にこの問題で何か、日韓合意に近づくことがあろうが無かろうが、それはホワイト国の問題とまったく関係がありません。
 日本の優秀な産品が、韓国を経由して北朝鮮に入っている懸念があるからこその、除外です。
 偏見や仕返しといったこととは関係ありません。
 応募工というまったく別の問題で、日本がホワイト国に戻したりしたら、ホワイト国からの除外はやっぱり、韓国軍による自衛隊への国際法違反のレーダー照射などへの仕返しだったと、日本政府は自分で言っているのと同じになります。

 ホワイト国に韓国を戻すなら、それは「韓国は北朝鮮との裏の関係においても、一切なんの疑念もない、真っ白な国。だからホワイト国です」と日本が宣言することになります。
 それがアジアの平和や、あるいは拉致事件をはじめ北朝鮮の不法に立ち向かうことに、役立つでしょうか。
 いや、極めて有害です。

 だから、ブログに頂いたコメントのなかの「筋が違うでしょう」という指摘は、実に正しいのです。

 明日の1月30日月曜、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の新しい収録をおこないます。
 そこで具体的に話します。

▼冒頭の写真のような現場の努力を、支え続ける政府と、自由民主党でなければなりません。
 今後も、表でも、水面下でも努力を続けます。
 きょうは強行軍の海外出張から帰って初の日曜ですが、土曜も日曜もありませぬ。

★・・・
▽その海外出張を受けて、「世界が壊れる」という動画をここで、「日本は世界に取り残され4る」という動画をここで、アップしています。

▽「ドイツがウクライナに戦車を供与する、そのまったく表に出ない裏側」をはじめ、数十秒で世界と日本を読み解くショート動画は、ここに次々、アップしています。

▽にんげんの、いちばん、美しいもの、それをどうしてもどうしても読んでほしいと思う小説、「夜想交叉路」は、ここにあります。








 
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