On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-03-06 03:11:08
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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「地上の太陽」が2039年に日本に輝く



▼平凡な紳士の写真にみえるでしょうね。
 実際は、世界で初めて「地上の太陽」を実現しようとしている面々です。

 
 きのう3月5日水曜に、自由民主党本部で開かれた「科学技術・イノベーション戦略調査会」の「フュージョンエネルギー・プロジェクトチーム」の会合です。

 地上の太陽とは、核融合のことだとご存じのかたは多いでしょう。
 南フランスに巨大な核融合の実験炉 ( ITER、イーター ) があり、わたしも数年前につぶさに見て、現地で議論してきました。
 きのうの会合では、フランスではなく日本に、実際に発電する核融合炉を建設し、2039年に稼働開始という見通しが初めて示されました。
 写真の3人は、それを発表なさる、現場の科学者です。 ( 所属機関やお名前は秘密ではありませんが、反響の大きさを考え、念のためこのブログでは今のところ、単に「科学者」としておきます )

▼不肖わたしの専門分野のひとつがエネルギーですから、深い敬意を払いつつ、厳しい質問も致しました。
 専門的な質問も致したなかで、最後に、あえて日常会話のような質問もしました。
「地上の太陽は、いよいよほんとうに日本に出現することになる、それは間違いないと考えていいのでしょうか」

 科学者は「間違いありません」と、きっぱりお答えになりました。

▼この2日前、3月3日月曜に、やはり自由民主党本部で開かれた勉強会で、人型ロボットとアバター ( 分身、化身 ) の世界的権威である石黒浩・大阪大学大学院教授は「核融合が実用化すれば、すべてが変わる」、「ロボットもアバターも核融合炉も、日本の新しい『もの作り』は世界トップ水準です」と語られ、日本の未来を信じようという信念を明示されました。

▼今、こうした発信をすると、直ちにネガティブ・コメントで溢れます。
「今の私は未来なんか関係ない。他人も関係ない。私の生活しか考えられない」と断言なさる人も居ます。

 この社会現象は、基本的に、まつりごと ( 政 ) の責任です。特に党史70年のうち66年にわたって政権を担った自由民主党の責任がもっとも重大にして深刻です。
 敗戦から10年を経た西暦1955年に党が生まれ、そこから細川政権の1年と民主党政権の3年を除いた66年が、自由民主党の政治でした。敗戦後の歴史に積もり積もった負の部分が、今、噴き出ていて、その大半が自由民主党の責任であることは間違いありませぬ。

 そのことを指して、わたしが自由民主党が戦後史の「象徴」のひとつだという趣旨を述べると、わたしが自由民主党を持ち上げたんだと誤認されて、ののしるかたもいらっしゃいます。
 発信の意図と、真逆ですね。
 ののしること、罵倒することが、気持ちよさそうです。よく分かります。

 それでも、無償、無条件の発信は続きます。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の最新放送がゆうべ、ここにアップされました。

 核融合炉と同じく、自由民主党の「科学技術・イノベーション戦略調査会」における違うプロジェクト・チーム、「量子産業創出・プロジェクトチーム」において、中国が一部地域ですでに人民元を政府発行のデジタル通貨に変えて、独裁主義により有無を言わさず国民に使わせている事実が初めて明らかにされたことを述べています。
 これが中国共産党の戦略通りに進むと、ドルを破壊し、もしそれが起きれば円も破壊されるという懸念をわたしは指摘し、対応策を提起しました。

 未紹介の最新放送のひとつも紹介しておきます。
 これです。
 世論調査で、自由民主党の支持率が、世代によっては国民民主党だけではなく、れいわにも負けていることを軽く見てはいけないことを提起しています。

▼核融合炉を、地上の太陽と呼ぶことは誇張ではありません。
 言うまでもなくエネルギーの規模は、太陽と比べものになりません。
 しかし太陽の内部で起きていることを、地上で人類が規模は小さくとも再現することは、石黒さんが仰る通り、人間の科学の歴史で最大級の転換点になります。

 ただし、商業化には大きな課題があります。
 昨日の会合でわたしは、2039年に実現するという、その核融合炉の「EPR」について具体的数字を科学者に問いました。
 EPRとは、エネルギー収支比率です。
 難しい話ではありません。
 人間社会にとってのエネルギーとは、それを取り出すために使うエネルギーを、取り出せたエネルギーがどれほど上回ることができるかが勝負になります。
 それが等しければ、すなわち、取り出すためのエネルギーと、使えるエネルギーが同じ程度であれば、商業化はできません。
 ほんとうは10倍程度は欲しいところです。
 核融合炉は、まだそこが弱い。
 たとえば、新エネルギーのひとつであるメタンプルームは、そこが実は強みです。海洋実験の実際をご存じない評論家が不可思議なことを仰ったりしますが、ほんとうは話が逆です。

 しかし、その核融合炉の出現まで、あと14年あります。
 14年しか無いとも言えるのですが、きっとEPRの課題も解決できるでしょう。
 わたしは、テレビ番組に出ていた時代から評論家、コメンテーターではなく、実務者でした。それもあって、芸能プロダクションにいくら誘われても、一切、契約しなかったのです。
 核融合炉のEPR向上についても、批評するのではなく、実務的に後押しをしていきます。

 わが身を顧みず、日本の未来を切り開く、科学者のみなさん、ともにやりましょう。
 写真のお三方は、その戦う科学者の群像です。





 
 


 
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