On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2025-09-25 03:50:08
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【さらにすこし推敲しました】【推敲しました】  総裁選をめぐって、わたしの周りで動きがありました



▼写真は、平成28年、西暦2016年4月5日の航空自衛隊第9航空団、那覇基地です。
 この年の1月4日からずっと、世耕官房副長官を通じて安倍総理 ( いずれも当時 ) に『7月の参院選で全国比例に出馬して欲しい』と要請されていましたが、実質的にお断りし続け、このとき、那覇基地にいてF15の戦技訓練に参加する準備をしているときも、おのれが国会議員になる可能性をまったく考えていませんでした。

 民間の専門家として、次世代の戦闘機を国産化する、あるいは米国産の購入一辺倒にしないために、航空自衛隊の当時の首脳陣の一角と連携し、まず三沢基地でF2戦闘機の戦技訓練に参加したのです。
 太平洋上の空中で、いきなりG8.0というギネス級のG ( 体重の8倍の重力加速度 ) を空中で受けました。
 わたしの体重は67キロですから、536キロの凄まじいショックを、戦闘機同士の戦闘の展開につれて全身にドッカンドッカンと繰り返し、かつ予想のできないタイミングでぶつけられるわけです。

 機が突如、猛速で、おそらく音速を超えて裏返しになって世界と宇宙が逆さまになったり、これも想像のできない烈しい動きを続けました。
 背骨がボキッと折れるかと本気で思いました。首の骨も同時にペキッと折れるかなと思いました。
 ただ、空自の当時の首脳陣のひとりが期待されたように、意識はごく平静でした。
 吐き気なども無く、眼も耳もよく働いていて、筋力のすべてを使う気持ちで G に耐えながら、戦闘の一部始終を克明に認識していきました。

 ただし・・・この空自首脳のひとりが事後に仰った「青山さんはレーシングドライバーだから大丈夫だと思ってたよ」というのは、わはは、たぶん違うと思います。
 ダウンフォースを使ってサーキットの路面にマシンを押し付けるモータースポーツと、コックピットから機体がほぼ見えず宇宙に投げ出されている感覚の戦闘機とでは、世界が違いすぎるし、そもそもモータースポーツのGと戦闘中の戦闘機にかかるGとでは、違いすぎます。ラフに言うと、倍ぐらいあります。
 たまたま生まれつき胃腸が強く、筋力は鍛えていて、ある程度はあり、そしてパニクらない体質だというだけでしょう。






▼当時の飛行隊長 ( 複座機の前席で、妥協を排して操縦してくださいました ) 、そして敵役のF15のパイロットをはじめ、音速を超えて戦う機体の綿密な整備、血液の逆流をいくらかでも抑えるためのパイロットスーツの丁寧な調整などなど、不肖わたしの戦技訓練参加に協力してくださった空自のすべてのみなさまに、あらためて深い畏敬と感謝を申しあげます。

 上記に初めて詳しく書いた戦技訓練中のようすは、三沢基地から飛んだF2戦闘機です。
 写真の、ここ那覇基地では、F15戦闘機の戦技訓練に参加し、三沢を上回るG8.2に耐えました。
 飛行隊長があとで「三沢の記録を上回ろうと決めていました。三沢に聞いて、青山さんなら大丈夫と考えました」と仰いました。那覇のF15では、Gが550キロに迫ったわけですが、確かに、大丈夫でした。

 この時からわずか2か月後の6月半ばに、万やむを得ず選挙に出る決心をして、6月22日にはもう参院選の公示で、いきなりの選挙本番でした。
 いわゆる典型的な選挙運動は何もせず、ハガキ一枚も出さず、当時の清水麻未・独立総合研究所 ( 独研 ) 社長秘書 ( 現在の三浦麻未・公設政策秘書 ) と一緒に遊説だけをおこない、みなさんに直に語りかけました。
 みなさんの眼の輝きを、生涯忘れることはありません。

 そして、国会議員になってしまうと、もはや、戦技訓練になど参加できません。

 防衛省の政務三役、すなわち防衛大臣、防衛副大臣、防衛政務官になると、実は戦闘機に乗せてもらうのですが、それは、ただ滑空するだけです。戦技訓練のような烈しい動きを一切せずに、上がって降りるだけなら、意外でしょうが戦闘機は旅客機よりも快適です。すーっと、あっという間に上がり、きわめてコンパクトにさっさと降ります。
 戦闘機開発の参考にはなりません。楽ちんな体験搭乗です。
 防衛省・自衛隊が政務三役の国会議員に対して、Gが8を超えるような戦技訓練に参加させることは、決して無いと考えます。

 わたしは政務官などをお断りしてきました。政府批判を自由にできる立場を保つためです。
 わたし以外の自由民主党議員はすべて、政務官を体験します。防衛省の政務官は自動的に「二つ星★★」を与えられます。
 自衛官の「二つ星★★」は、防衛の最前線で努力を重ねて、限られただけ人が到達する将軍です。自衛隊では将補、国際社会では少将ですね。

 政務官の「二つ星★★」は階級章ではありません。シビリアンコントロール ( 文民統制 ) の理念に基づいて、儀礼的な★★であり、役職上の格を示すものです。
 しかし、いきなり将軍と肩を並べて防衛省の内部では下にも置かない扱いを受け、実際は楽な体験搭乗なのに「戦闘機に乗った」と高揚し、急に防衛の高度なプロのように振る舞う未熟なセイジカも、なかには、あくまでなかには、います。
 その場合は、シビリアンコントロールに決して有益では無いと、かねてから考えていました。自衛官も人の子、シビリアンへの敬意を内心深くで喪いかねません。

▼まつりごと ( 政 ) に携わる者は、とりわけ、謙虚であることが大切だと考えます。
 総裁選をめぐって、なぜ上記のことどもを思い出したか。
 総理は、陸海空自衛隊の最高指揮官として、儀式の場によっては五つ星★★★★★を担うことがあります。
 総裁選は、その唯ひとりの人を選ぶ競争なのです。
 すべての候補者に、とりわけ謙虚さが求められます。

 総裁選の候補者が、過ぎ去った参院選と同じような争点を語り、世界のたった今の激烈な動きに付いていかず、危機に先駆けて備えることは夢のまた夢、そして衆参両院の選挙で自由民主党が大敗した結果に「連立拡大」という5人とも同じ言葉で対処しようとするのは、どうでしょうか。
 大国日本のトップリーダーとしての指導力や想像力に疑問が生じかねないと同時に、実は、謙虚さが足りないのではと、危惧しています。
 そこで「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の最新放送のここで、その懸念を主権者のみなさんと一緒に考えています。

▼総裁選においては、きのう9月24日水曜日に、さまざまな働きかけがありました。
 そして党員投票は郵便でおこなわれることについて、日本の郵便が以前よりも届くのに時間が掛かることを考えねばなりません。
 主権者である党員のために、本日中に、ささやかに行動しようと決しました。

▼この間にも、『やさしく夜想の交叉する路』を読んでくださるひとは、減っていくばかりです。
 わたしは書き手であって、売り手ではありません。
 そしてプロの書き手です。読んでくださる人が居なくなれば、書く意味を喪います。日記を書いているのではありませんから。
 しかし、読者が減るのをどうにもできません。

 この鋭い痛みに耐えながら、国会議員と作家を兼ねることを、続けていきます。
『やさしく夜想の交叉する路』も、わたしの死後に、いつか誰かが読んでくれるでしょう。
 そして現在の読者のみなさん、社会のなかの超少数派のみなさんに、魂の底から、ありがとうございますと申しあげます。
 ほんとうに感謝しています。このブログに寄せられる感想が、どれもこれも素晴らしくて、びっくりです。

 



 
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