On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2012-01-16 11:14:51

みんなのちから



▼みなさんの支えは、もの凄いです。
 ささやかな新著、「ぼくらの祖国」を買える書店を、この地味ブログを通じて紹介してくださるひとは、どんどん増えています。


▼ゆうべ、ある外国人の書き手と、テレビ局で一緒になりました。
 アマゾン・ランキングで近い位置に並ぶことの多い(多かった)新しい本を出したひとです。
「出版社5社を回り、初版を5万部出すと言った出版社を選んだ。実際に、売れるかどうか分からない段階で5万部以上、初版を刷ってくれて、営業も努力してくれて、書店にいきなり山積みになって目立だったのが大きかった。もうとっくに10万部以上が出ましたよ」ということでした。

 こういう努力の仕方も、もちろん、あるでしょう。
 しかし、それはぼくは選択しません。

 まず、出版社、会社よりも、人間です。
 すなわち編集者が、ノンフィクションの本であれば、祖国とみんなのことを嘘でなく考えてくれているひとかどうか、あるいは文学書であれば、日本文学の現在と未来をプロフェッショナルとして考えているひとかどうか、それが第一です。

 そのうえで、まともに書店に並ぶよう編集者と努力する。
 これだけです。
 上述の外国人の書き手のかたには、「Congratulation ! 」(おめでとうございます!)とだけ申しました。
 まるまる本心です。書き手としては、そりゃ、たくさん読まれたら嬉しいですよ。
 この人なりの努力が実っていることに、こころから祝意と敬意を表明しました。


▼アマゾンも在庫切れのまま、しばらく放置されているかのような情況でしたが、きょう1月16日月曜の午前に、ようやく在庫が戻りました。
 このあいだにランキングは、たとえば、この外国人の書き手の本よりも、はるか下に落ちてしまいました。
 そりゃ、当然です。アクセスしても買えないのですから。

 ランキングは、ただのランキング、大したことじゃない。しかし、みんなが案外に見ているのが、このアマゾン・ランキングですから、みなの勢いが削がれるのが、ちと、心配でした。

 書店に行けないひと、それはたとえば足の具合の良くないひとや、書店が遠いひとも沢山いるのですから、とりあえずアマゾンを含めネット書店に在庫が戻っていくのは、ほっとしました。

 ありがとう、みなさん。
 これも間違いなく、みんなの力のおかげです。

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