On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-05-19 06:37:29
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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簡にして要の2 中韓との人の往来停止の継続  (推敲しました)

2.【中韓との人の渡航・往来停止の継続について】

▼事実経過を、これまでこのブログでは公表していなかった事実もあえて含めて、整理すると以下の通りです。

(1)中国と韓国が、その二国間で人の往来を復活させた。

(2)中韓は、そこに日本が入り、三国間での人の往来復活とするよう、水面下で求めてきた。

(3)日本はそれを拒否した。

(4)オールドメディアの一部が、この正確な事実関係を知らないか、無視して、「中韓との人の往来の復活を検討」という趣旨を報じた。ネットはこれに当然、反応した。

(5)不肖わたしは、安倍晋三総理を含めて政権の中枢に対して、電話によって、事実関係の確認と、中韓との人の往来停止の継続を直接、求めた。

(6)総理から「中韓との人の往来を今、復活させる考えはない。そのようなことをまったく指示も検討もしていない」という明示があった。

(7)これらの経緯を受けて、総理は5月17日の日曜、総理官邸で開かれた3種類の会議のうちひとつにおいて、この件を協議した。
 その結果、中韓との人の往来の復活を今、行うことが無いこと、中韓が今後、どのように要求してきても中韓との人の往来の復活を優先させることはないことを確認した。

(8)その協議後に、わたしは政権中枢と非公式な電話協議を行い、世界最大の感染者数となっているアメリカとの人の往来を復活させるのは、最終段階になるが、そのアメリカとの人の往来の復活を検討する時は全世界に対する検討になるため、中韓との人の往来についても検討することになるという見通しを知った。

▼上記の経緯の一部は、すでに、この誰にも無条件に公開しているブログで明記しました。
 すると今度は、「中国との貨物便が復活している」という懸念で苦しまれているコメントが相次いでいます。
 伏してお願いがあります。
 落ち着いて、みなさんの身の回りを見渡してください。
 そこに中国からの輸入品がないでしょうか。
 たとえば、七味唐辛子にしても、その材料に中国製が含まれています。食品から電気製品に至るまで、中国の原材料、部品、完成品が溢れていますね。
 武漢熱が始まってから、中国から輸入された原材料、部品、そして完成品のモノが、すべて途絶えていたでしょうか。
 中国製のマスクをはじめ、武漢熱の前より減る、あるいは一時的に一部の原材料、部品などの輸入が停止することはあっても、すべて絶えたという事実はありませんね。

▼ぼくは中国に依存したサプライチェーン ( 部品供給のネットワーク ) の解体と、ASEAN諸国を中心にした新たなサプライチェーンの構築をずっと、強く、主張しています。
 しかしこれが短時間であっというまに完成するはずがないことは、どなたでもお分かりになっていると思います。
 したがって、貨物の往来については、絶えたことがありません。
 人の往来の問題とはまったく異なっています。

▼ぼく自身は、もう一度申します、モノの往来についても、中国との行き来を削減することを求めて、その交渉も現に水面下で行っています。

 しかし同時に、モノの往来を人の往来と混同することは、中国の世論工作に乗せられること、そのものです。
 中国軍が公然と掲げる三戦 ( 世論戦、心理戦、法律戦 ) のうち、特に前者ふたつに、まんまと乗せられることになります。
 そして、この中国の三戦に実質的に同調していると言わざるを得ないオールドメディアの一部の誤報にも乗せられることにもなります。
 なぜか。
 中国は上述のように、韓国と組んで、人の往来を優先的に復活させるよう水面下で日本に要求して、拒まれています。
 すると、中国メディアが、もともと絶えてはいなかったモノの往来が復活したかのように強調し、装い、日本国民に、人の往来と混同させて、人の往来復活まで既成事実かのような心理を作ると同時に、韓国が中心になって実行した「検察庁法の改正を利用し、ネットを使って、安倍政権を弱体化させる」という工作とも連動し、「安倍は何をやっている」という世論を作るという、二兎を追う、いや何十匹ものウサギを追う、同時進行の「三戦」を遂行しているからです。
 三戦のうちの法律戦についても、中国はずっと日本の与野党にいる親中派を窓口に、これも韓国と手を組んで、遂行しています。
 韓国も与野党に食い込んできたのですが、文在寅大統領のあまりの愚行で親韓派が動きにくくなり、その代わり韓国は芸能界に強いところをしっかり活用して検察庁法の改正を機に、ツイッターを使いました。
 この動きは、反日工作において韓国との連携を強化している中国も歓迎しているでしょう。

▼一方、武漢熱のウイルスは、幸いにして今のところは空気感染がありませんが、飛沫感染と、そしてモノによる接触感染を通じて強い感染力を持ちます。
 なかでも後者の、モノに付いたウイルスが指や手のひらを介して、顔の粘膜部分からヒトの体内に入るタイプの感染が実は、多くの人がマスクをするようになった現在では、最大の問題であることも不肖ぼくはかねてから指摘しています。
 ですから貨物便についても、ウイルスが入ってくると煩悶なさる、苦しんでお考えになることは分かります。
 なかには、「貨物便の機体自体が怖い」という趣旨のコメントがありますが、仮にウイルスが機体に付着しても、それが落ちずに、日本の空港に到着することはあり得ません。

 一方で、運ばれてきた貨物の表面、最終的には段ボールや、段ボールの中の全てのモノそのものに付着したウイルスを心配されるコメントが非常に多く、それは良く理解できます。
 理解できますと言うより、ぼく自身が、前述のように「モノを介した接触感染」のリスクを強調しているのですから。

▼しかし、いかなるモノに付いたウイルスも、数日を超えて存在することはできません。
 ウイルスは、生物と非生物のあいだの存在で、人間の科学の分類では生物ではありません。
 したがって、自己増殖はできないので、人や動物の細胞の中に入って遺伝子を増やさない限り、つまりモノに付いたままでは存在し続けられません。
 みなさんのもとへ段ボールが届いた場合、たとえば、もっとも丁寧な対処としては、手袋を使われて段ボールを分解し閉じた袋に入れて廃棄し、段ボールから取り出したあらゆるモノを消毒され、そのあとに手袋を消毒され、さらには手指をしっかり石鹸で洗浄されるということをされれば、完璧です。
 ウイルスは、もう一度、言います、生物の体内に入らない限りは、非力な存在なのです。

▼簡にして要を目指しているのですが、みなさんに一緒に考えていただきたいために、もう長くなっています。
 きょうも国会日程、委員会審議が、どんどん迫ってきます。
 公務には絶対に1秒たりとも遅れることができませんから、実は、もう青ざめています。
 このあと日程はぎっしりです。
 委員会審議のほかに、護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) のオンライン執行部会、そして尖閣諸島をめぐる提言を総理に渡していただくために、午後2時には、総理官邸の岡田直樹官房副長官もお尋ねします。
 夕方にはチャンネル桜の「青山繁晴が答えて、答えて、答える」の収録もあります。
 少なくない方々が心配されるので、むくんでいない顔でやりたかったのですが、無理ですね。

 あ~、もう間に合わなくなる。
 しかし、その尖閣諸島をめぐる「その3」だけは、今日のどこかで何とかアップするよう努めます。

▼このエントリーの最後に申せば、中韓との渡航・往来の永遠の停止、すなわち断交をぼくに強く求める方もいらっしゃいます。
 どうか思い出して頂けませんか。
 韓国のレーダー照射をはじめ異様な反日行動が、今よりもっと荒れ狂っていたとき、自由民主党の部会でも他の議員から「断交せよ」、「大使を召還せよ」という声が上がりました。
 しかしぼくは、その選択肢を採らず、同調せず、「ホワイト国からの除外を」と提言しました。

 ホワイト国に触れた提言は部会でもどこでも、これがまったく初めてでした。 ( このブログのコメントで触れた方がおひとり、いらっしゃいました。みなさんの見識は凄いです )
 そのため、部会に出ていた外務省の幹部陣は、机の下でスマホを使ってホワイト国とは何かを検索し、その後、経産省のホワイト国の担当課長を連れて外務省幹部が、議員会館の青山事務所にやって来ました。
 その場で経産省の課長は「ホワイト国からの除外なんか、絶対にできません」と叫びました。凄い形相でした。

 怒らず、諦めず、総理との直接交渉から、役所の現場との交渉まで、水面下で動き続けた結果、ホワイト国から韓国を除外することが実現しました。
 それは日本の敗戦国外交が、はっきりと変わった瞬間でしたね。

 あのとき断交という声に、ぼくが同調していたら、何か変わったでしょうか。良くなったでしょうか。
 そもそも断交という挙に出れば、日本が勝手に孤立し、まさしく中韓の思う壺です。
 また大使を召還しても、在韓国の邦人や日本企業が困るだけで、文在寅大統領はむしろそうした日本側による断絶を待っていたでしょう。

 中国発の武漢熱は、ウイルスだけではなく、不安もまき散らし、拡げています。
 その不安に乗る日本国民を増やすことこそが、反日の戦略の要中の要です。
 どうか一緒に、ウイルスにも不安にも負けず、焦らず、コツコツとやっていきませんか。

( その3に続く )
 
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