On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-06-18 05:10:02
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

国会の閉じた、その翌朝にて

▼きのう第201通常国会が閉会しました。
 国会が開いていても、閉じていても、ぼくの活動は変わりません。
 議員総会、委員会審議、委員会理事会、本会議などの時間が抜ける分、開会中にできなかった動きが入るだけです。

▼閉会翌日のきょう6月18日木曜も、国会に出ます。
 総理官邸も訪ねます。
 外務省と交渉し、官邸とも交渉します。

 「日本の尊厳と国益を護る会」 ( 護る会 / JDI ) の執行部会も、閉会中であっても継続します。
 月内に、消費減税法案の条文を、さらに詰めていきます。

▼護る会は、創立の際の3本柱「皇位継承の父系一系による安定、中韓による国土侵蝕の阻止、スパイ防止法の制定」については、衆参両院に54人の議員を擁する会として、基本的に反対論がありません。
 そこに共感するからこそ、護る会に集うています。

 一方、その後に課題となっている消費減税については、護る会の内部に賛否両論があります。
 したがって、ひときわ丁寧に議論を深めています。
 前掲した創立以来の3本柱についても、全員による議論を軽視することは絶対にありません。それぞれに座長を置き、論旨と具体策を練りあげたうえで総会に諮り柔軟に議論するという手順を踏みます。
 そのうえで、消費減税については、より徹底した議論を進行させています。
 賛成の議員が上回っていることを確認しましたが、多くの反対論もある現況を確認しました。
 賛成が多いからといって強行することはしません。それが代表としての考えです。
 法案づくりを執行部として堅実に試みていくと同時に、国会閉会中も、護る会全体としての議論を深めていきます。
 これが主権者の声を公平にしっかり聴くことにも通じると考えています。大きな声だけに耳を貸すことはしません。


▼不肖ぼくが国会議員でいる歳月は、サンプルです。
 何のサンプルか。
「異業種のひとよ、出でよ」と呼びかけている以上は、おのれの身を晒して、試行錯誤ぶりをみなさんの参考として見ていただくことが必要です。

 法が保障していても、政治献金を誰からも受け取らず、政治資金集めパーティも開かない。
 それで、やっていけるのか。

 国会議員がみな、支持団体の確保や拡大に力を尽くすなかで、いかなる団体の支持もお断りする。
 後援会も作らない。後援会長も置かない。
 選挙活動はしない。地元もつくらない。
 それで、果たしてほんとうに、やっていけるのかどうか。
 これらを試み続けて、いま異業種にあって考え中のみなさんに、そして主権者のすべてに、お見せします。


 きのう自由民主党の大幹部から、ある「長」を打診され、あくまでもお断りをし、「副」にして頂くようお願いしました。
 チームワークのために受けざるを得ないときには、「長」をお受けすることがあるかも知れません。しかし逆にチームワークのためにならないと考えれば「副」にとどまります。
 これで、やるべき仕事をできるのか。
 その試みも、やはりサンプルとしてお届けしています。


 みずからの命は削りに削らざるを得ないことも、ありのままにお見せするしかありません。
 とくに、巨大権力にして、受験勉強アタマは発達を極めている官僚機構と切り結び、そして切り結びつつも、良心派の行政官をひとり、またひとりと増やしていくには、おのれの命は、それがたったひとつであることが自明であっても、削り込んで、官僚も納得する仕事をするしかありません。

 その現実を見せずして、「異業種のひとよ、出でよ」などとは言えません。
 テレビ番組に出ていた人で、ご自分の期待感から議員になり、失望したと仰ってさっさと辞めた人は少なからず居ます。
 それは、その人の生き方です。
 ぼくはタレントとしてテレビ番組にかつて参加していたのではありません。実務の現場から、ちいさな問題提起をしていただけです。
 実務者が国会に出たら、何がどうなるか。
 それをみなさんにお示しして、死にます。一死一命、いっしいちみょうです。

▼明日の6月19日金曜からは、全国移動がOKとなる予定ですね。
 国会議員はどっと地元に帰ります。
 きのう「金曜の夕方に、2か月半ぶりに地元に帰りますよ」とぼくに万感を込めて仰った、とても人柄の良い元閣僚もいらっしゃました。選挙活動ができるというより、地元のひとびととじかに話せることを喜ぶ気持ちが伝わってきました。

 その金曜の朝8時に、自由民主党本部で部会がセットされています。
 閉会中も必要な部会は開かれます。その意味では、国会が閉じても選挙活動だけではなく国政に尽くすという自覚、それはあまりに当然のことながら、多くの議員にしっかり感じます。
 ぼくはまさしく「異業種から来た」のですから、国会の内側深くに入って議員のありようを主権者の代わりに公平に見ていようとする感覚が今も変わりません。

 議員になってみて、いちばん意外だったのは、与野党を問わず普段の国会議員のようすです。国会の審議中とはまた違います。ふだん接しているときの様子ですね。
 真面目で礼儀正しいひとが、多いのです。
 テレビドラマや映画にいつもステレオタイプで出てくるエラそうな、不遜にしておかしな様子の議員は意外な党 ( 複数 ) に、ごく少数だけ居るというのが実感です。
 脚本家やディレクターがどれだけ現場を調べないまま固定観念だけで政治家像を作りあげているか、それも痛感します。

 そんなことは政治記者の時代に分かっていたはず ?
 いいえ、分かっていませんでした。
 やはり当事者になると、その世界の良きも悪しきも、ありありと体感で分かります。
 ぼくは記者の良い仕事は、民主主義国会においては、永遠に不可欠だと考えています。だからこそ、オールドメディアと厳しく呼ぶのです。
 そのうえで、やはり記者、ジャーナリストは傍観者です。中に入ってみないと分からないことがあります。だからといって誰でも入れと言っているのではありません。
 ぼくがたまたま入った以上は、分かったことを、これからも内容に適した発信を選択しつつ、広く深くお伝えしていきます。


 ぼくは地元をつくりませんから、どこにも帰らず、地元も選挙もない行政官たちとさらに徹底して議論、交渉をしていきます。
 かつて壁を越えて実現したことも、憲法9条改正の自由民主党案に「自衛の措置は妨げない」という趣旨を盛り込むことや、ホワイト国からの除外という対韓外交の見直し、習近平国家主席を国賓として招くことの見直しなどありました。しかしいずれも、逆戻しを強く警戒せねばなりません。
 皇位継承のように、この政権が続くのであれば見通しがすこし開けてきた重大課題もあります。しかしこれも、政権を替えて突き崩し、母系に変えようとする動きがすでに胎動していますから、戦線をむしろ強化せねばなりません。
 そして9条改正の最終的実現、消費減税、海外の同胞への一律10万円給付、拉致被害者の全員救出、自前資源の実用化、いずれも頭がくらくらするような壁と衝突する日々なのです。

 しかし、それがどうした。
 すべて、あらかじめ覚悟した通りです。


▼ぼくの敵は、ぼく自身だけです。
 暮夜、襲い来たる、おのれの鬱屈といかに戦うか。

 これまで、この唯一の本物の敵に、屈したことはありません。
 これからも、そうでいられるか、それだけがほんとうの課題です。





 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ