On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-06-28 08:32:44
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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テレビはほんとうに終局を迎えつつある。どうする ? テレビ局は。 (書き加えました)

▼頭で分かっていることも、現場で直面すると、何事も意味が大きく変わります。
 きのう6月27日土曜に、ニッポン放送のネットイベントに参加して、それをあらためて痛感しました。

▼ほんとうに打ち合わせなくやりましたから、ぼくは映像があるとは思っていませんでした。
 ラジオ局ですから、音声だけのネット番組かと思っていました。
 局に着いて、控え室へ入って、飯田アナウンサーや桐畑プロデューサーと顔を合わせても、まだ気づかない。
 ニッポン放送初の女性社長、檜原 ( ひわら ) さんが顔を見に来てくださっても、まだ気づかない。
 オンエアの直前になって、桐ちゃんから「カメラ合わせをちょっとだけ、お願いできますか」と言われてスタジオを覗いて初めて、どうも映像込みらしいと分かりました。

▼ところが、使う設備の小さいこと、従事するスタッフの数の少ないこと。
 テレビ局のそれらとは、比べものにならない。
 すなわち、合理的なコストしか掛からないようにみえます。

 ぼくは以前から、テレビ局の設備とスタッフの重さは四輪のレースに似ていて、ラジオ局のそれは二輪のレースに似ていると思っていました。
 四輪、二輪、ともに超高速でレーサーが命をかけて競うわけですが、ささえるコックピットの布陣が、大きく違う。
 二輪の方が遙かにコンパクトです。

 ラジオ局がネットを使って映像込み、つまりテレビと似た番組をやるとき、コストがずっと小さくて済む。

▼それだけではなくて、2時間半にわたるオンエアが一切、CMで途切れない。
 きのうのようラジオ局が有償での実行に踏み切れば、スポンサーなしでやれる。

 しかも、ぼくは時間を何も意識していませんでしたが、飯田こうちゃんが「もう30分も延長しているので・・・そろそろ」と仰って初めて、予定の2時間を超えて2時間半になっていることに気づきました。
 つまり、話が盛り上がったりすれば、かなり予定時間を超えて続けたり、テレビには絶対にない自由がある。

 さらに内容についても、テレビ放送のように縛りを掛けられる気配がない。

▼これらのことは、視聴者、ネットユーザーにとって大きなメリットがあります。
 踏み込んだ情報に触れる機会が広がりますね。

 ぼくはきのう、水面下情報は実は話していません。
 ネット番組である以上、有償であっても1500円を負担すれば誰でも広く見られる発信ですから、たとえば外国勢力や、外国勢力に協力している一部の人に教えるわけにいかない情報は、頭のなかで徹底的にカットして話していました。
 それでも、たとえばかつて参加していた「TVタックル」のようなことは決して起きません。
 TVタックルは、収録のあとで編集によって議論が大きく改変され、時には、「青山さんはなぜ、笑っているだけで発言しなかったのですか」という真面目な問いを頂き、その収録では明らかにぼくがいちばん多く発言していたので、ほかの参加者に聞いてみると「そうなんですよ。私も放送を見て驚いた。最も発言の多かった青山さんが何も発言しなかったみたいになっていましたね」と話す国会議員 ( ぼく自身は当時、民間人 ) もいらっしゃったりしました。
 こういうことが起きませんから、きのうは、水面下情報は話さないけど、ギリギリまで踏み込んで飯田アナの問いかけに応えました。

 話が面白くないと思ったり、予定があれば、もちろんいつでも視聴をやめていいし、しかも後でフルに見直すことが楽にできる。
 CMもたいせつな情報ではあるけれど、CMに番組の流れを中断されるストレスはない。
 番組が尻切れトンボになる恐れが小さい。

 1500円の参加料は確かに負担です。
 同時に、このブログに「ネットは無償という時代はすでに終わった。有償で質の良いネット番組を選んで視る時代です」とコメントされたかたがいらっしゃいました。
 そして、きのうのネットイベント参加を終えてから、たまたまネット事情にプロフェッショナルと言えるほど詳しい人に話を聴くと、「まさしく有償によって質を上げる時代です」という意見でもありました。

▼当然、さまざまな考え方、多様なネット活用方法があります。あくまでも「ネットは無料で」という人もいらっしゃるでしょう。

 しかしラジオ局という小回りのきく組織がチャレンジした、ネット番組に実際に参加してみて、テレビという幾つかの時代を画した巨大メディアが終焉を迎えつつある現場のひとつを見たことにもなる、そう考えるのです。
 ボールはテレビ局だけにあって、視聴者の側は、自由な選択があるのみです。
 テレビ人にも良心派は居る。
 さて、どうするのですかと、問わないでは居られない。



 
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