On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-07-06 12:46:02
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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繰り返される無残な雨被害に対処しつつ、日本のあらゆる隙を突く中国に対抗するために。

▼今朝(7月6日月曜午前6時半ごろ)に入った連絡によると、中国は沖縄県石垣市の尖閣諸島の領海に、過去最長の39時間にわたって侵入しました。
 中国海警局の武装船と思われる2隻が7月4日の午前2時25分ごろ、日本の大正島の西南西の領海から侵入を開始しました。
 第11管区海上保安本部の巡視船が退去を要求しましたが、無視し、領海内で正当に漁労に従事していた日本の漁船の周りを、威嚇しつつ航行し、あるいは操業を妨害して漂い、2隻とも侵入から実におよそ39時間にわたり領海に居座り続けました。
 そして、きのう7月5日の午後5時45分に、ようやく大正島の東から領海を出ました。
 中国海警局はやはり2隻態勢で、7月2日と3日にも、およそ30時間にわたって領海に侵入し、その際に西暦2012年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化してから最悪最長の侵入時間となったばかりです。
 侵入の最長時間を意図的に更新する意図とみるべきです。

▼安倍政権は『領土問題の存在しない尖閣諸島において、あたかも領土紛争かのような衝突を発生させようとする中国側の奸計に乗らない』という「指導者」の考えに基づく姿勢を維持しています。
 その真意に対して一定の理解はしつつ、それだけでは全く足りません。

▼先にお伝えしたように先週の火曜日、6月30日に護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 / JDI ) は国会内で執行部会を開きました。
 主な議題は、尖閣防衛の議員立法、消費減税の議員立法、海外同胞への給付、香港への対応という4つです。
そのあと自由討議で、ポイント還元制度が終了してしまったことなどについて協議しました。

▼護る会は現在、自由民主党の衆参両院議員55人を擁しています。
 執行部会は、そのうち7人です。幹事長(山田宏参議院議員)、副代表ふたり(長尾敬、鬼木誠両衆議院議員)、事務局長(高木啓衆議院議員)、常任幹事ふたり(石川昭久衆議院議員、山谷えり子参議院議員)、それと代表(青山繁晴)です。
 執行部会で決したことは、必ず、総会、すなわち全体会合に降ろしています。
 さらに、特に論議を呼ぶ案件は、護る会の全議員による賛否投票なども行っています。
要は、執行部が決して独走しない態勢を常にとっています。議員ひとりひとりが有権者の信任を得て国会に居るのですから。

▼そのうえで、護る会執行部会において『尖閣諸島を護るための議員立法』を議論しました。
 護る会の山田宏幹事長は、「中国は今年中に、尖閣諸島で日本の漁船を不当に拿捕したり、沈没させたりの挙に出る恐れがある。また尖閣諸島に何らかの形で上陸することも、今年の内にあり得る」と見ています。
 代表のぼくを含め護る会の執行部会の全員と、護る会の衆参両院議員もほぼその危機意識を共有しています。

▼山田幹事長は(イ)尖閣諸島とその周辺海域で海洋科学調査(気象・防災、生態系、水産資源、鉱物資源という各分野の調査)を行う(ロ)測候所や漁船のための船だまりを整備するーという穏当な具体論を提示しています。
 執行部会では、このうちまず(イ)の科学調査のための議員立法を先行させることで一致し、そのために賛同議員の署名を集めることからスタートする考えをまとめました。
 議員立法は、衆参それぞれ一定の議員が集まれば国会に提出することができます。しかし実際に委員会審議を開始するためには、「与野党が一致する法案に限る。その与野党一致を非公式に事前に達成している法案のみ、議院運営委員会(議運)においてどの委員会で審議するかを決する」という慣行があります。
 これは主権者にあまり知られていません。

 国会の慣行には、見直すべきものも少なくありません。
 同時に、慣行をいきなり無視する挙に出ても、その法案をみずから葬り去ることに近くなります。

 したがって、執行部会では、その慣行の壁をいかに突破するかも議論しました。
 そのために第一段階のひとつとして、賛同議員の署名があるという考え方です。

 他のすべてと同じく、道は険しいです。しかし座視はしません。

 執行部会での他の議題についても、すこしづつ時機を見て、記していきます。




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