On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-09-30 03:22:28
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本女子も日本男子も等しく誇りを持って任務に就く、わたしたちの自衛隊であるために


( 日本の国会の一員として参加した、硫黄島での日米合同慰霊祭にて。
 日章旗を掲げる陸上自衛隊を、米軍も、敬意を持って見守っています。
 硫黄島の戦いにおける先人の献身、日米両軍の将兵への深い尊敬と感謝が、土台にあります )

▼きのう9月29日木曜に、防衛省の本省から、自衛隊の性的被害の問題を克服する担当官が、議員会館の青山繁晴事務所にお出でになりました。
「これから、防衛省の人事教育局長らが、陸上自衛隊の駐屯地で任務中に被害に遭われた元自衛官、五ノ井里奈さんに謝罪に向かいます。性被害の実態を把握したからです。ここを出発点に、二度と被害者が出ないよう努力を重ねていきます」という趣旨を、この女性担当官は、極めて誠実に語られました。

▼その後、実際に謝罪が公開で行われました。

▼こうした対応は、自衛隊で初めてのことです。
 自由民主党の国防部会で発言するとともに、水面下でも防衛省と自衛隊に働きかけてきたことを、防衛省と自衛隊が受け止めて、動いたことは、ひとつの前進です。
 わたしは、前述の担当官に「これからも、女性の防衛省幹部として、勇気と誇りを持って問題に取り組んでください。不肖ながら、わたしも支えます。何でも相談なさってください」と申しあげました。

▼そのうえで、以下を要望しました。

( 1 ) 防衛省は、特別防衛監察を実施しているとしながら、実際には相談窓口を設置しただけ、というのはいけません。
 現役の女性自衛官のかたがたから、「これでは意味がない。声を上げにくいという現実は変わりません」という声も届いています。
 自衛隊の警務隊の中に調査班を編成し、権限を持って公正な調査を実施することを提案します。

( 2 ) 日本の女性が安心して自衛隊に志願できて、女性自衛官が増えることが、祖国の防衛の向上にも繋がります。
 五ノ井さんの身を賭した訴えを受け止め直し、あらためて五ノ井さんの提案をよく聞くことも実行し、単なる謝罪に終わらせないでください。

( 3 ) この問題は、わたしの知る限り、米軍をはじめ諸国の軍隊でも大きな苦悩となっています。
 諸国の取り組みと教訓もよく学びつつ、日本ならではの、毅然とした対応を樹立してください。

▼わたしのこの問題での原点は、学生時代です。
 東京の山手線の終電車で、中年男性が集団となり、青山千春博士 ( 当時は日本女性初の航海科学生の横川千春 ) に近づき「触らせろ」と迫ったのに対峙し、全員を撃退して被害を防ぎました。
 あのとき被害に遭っていたら、船に乗れなくなっていたでしょう。
 当時の海洋実習船には、女性用の風呂もトイレも無く、ただ「女子使用中」という札を掛けるだけだったからです。
 船に乗れなくなっていれば、その後に博士号をとることも、海洋資源を研究することも、不可能だったでしょう。

 性的被害は、こころの傷跡が深く、男女を問わず、その志の実現も阻んでしまうことを、わたしはその後の事件記者時代にも、学びました。

 女子でも男子でも、志を実らせることができる日本にしなければなりません。


※ この関連の動画はここにあります。
  また、最新の動画を昨夜にアップしています。これこれです。
  いずれも、敗戦後の日本の歪みを正すことを願って、収録しました。



 
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