On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2023-06-05 19:07:10
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【推敲しました】  原発がロシア軍の砦にされる !  IAEA ( 国際原子力機関 ) のグロッシー事務局長の深刻な懸念が、ついに現実になる恐れがあります



▼みなさんの中には、ご記憶のひともいらっしゃるかもしれませんね。
 今年が始まったばかりの1月5日から、通常国会が始まる前日の1月22日まで、エネルギーと安全保障をめぐって各国の政府、軍、武装治安部隊、そして国際機関と議論する海外出張に出ました。

 ありのままに申して日本の大臣や副大臣、政務官、そして国会議員が公費で行く海外出張は、官僚のつくる「ご発言要領」の紙を日本語で読みあげますから、議論どころか、相手は茫然としているだけです。 ( ただし、もちろん人によると、申しておきます )
 通訳が入って、相手はやっと日本から来た政治家が何を言っているのか分かりますが、「日米同盟は必要だとか、あなたに言われなくてもそんなこと分かってるよという話ばかり。何をしに来られたのかなと思ってしまうよ」 ( 米海軍の著名な提督がわたしに語った言葉 ) というのが、相手の本音だったりします。

 その実態を、政治記者の時代から知っていました。
 おのれで覚悟を決めて議員になった以上は、官僚・行政官の干渉を一切、招かないために自費で、また「実質的に役所に言われたとおりに海外に赴く」という日本の政治家の常道に逆らって自律し、日本国民と日本国のためには何が必要かを自分で考えて、海外に出ます。

 だからこの時も、自主自費の海外出張でした。
 ウルトラ強行軍にて17日間で7カ国を回り、気温差50度以上という変化にも耐え、そのなかでウィーンのIAEA ( 国際原子力機関 ) の本部を訪ねました。
 そしてグロッシー事務局長と、気持ちを通わせて、議論しました。通訳は介していません。

▼高度な能力を持った、フェアな実務家で知られるグロッシーさん ( アルゼンチン出身 ) は、実務に役立たないと判断すれば、日本の閣僚にも会わないことが、帰国してから分かりました。
 なぜ分かったか。
 閣僚ふたりが、それぞれ「俺は会ってもらえないんだけど、青山さん、どうやって会えたの」とわたしに聞いてこられたからです。



▼会談後、グロッシー事務局長はそのツィッターに投稿されました。
 たがいに深い敬意を持って議論したことが伝わる、生き生きした文章で、感激したのです。

 ふたりの会談の中身は、公開情報としては明らかにできません。
( 政府の担当部門には、重要事項をすべて伝達してあります。自主自費の海外出張であっても、日本の国会議員として国益のために出張しているからです )

 ただ、世界史上初めて、原子力発電所を正規軍の軍事力で攻撃するという未曾有の事態が起きている・・・ロシア軍がウクライナの原発 ( チョルノービリ原発、ザポリッジャ原発 ) を砲撃していることに向かい合い、グロッシー事務局長はなんどもみずから現地に入り、プーチン大統領にもゼレンスキー大統領にも会い、その卓越した行動力で、人類が新たな悲惨に直面しないよう骨身を削っていることは、みなさんにお伝えしておきたく思います。

▼このエントリーでは、さきほど日本の政治家の海外出張について「ありのままに申して」と記したように、公開情報としてのブログにしては限度ギリギリのところまで書いています。
 ふたたび、ありのままに申すと、IAEAの事務局長の前任者、日本の外務官僚だったひとと、グロッシー事務局長は根本の志が違うと痛感しました。

 前任者は故人です。
 だから言うのをやめようかと思いましたが、やはり言うべきでしょう。
 福島原子力災害のとき菅直人総理に言われるまま、前任者 ( 当時のIAEA事務局長 ) は福島をチョルノービリ原発事故と同じ「レベル7」にしてしまいました。
 それが、東日本大震災をみごとに耐えきった女川原発を含め、日本の原子力の停止に直結し、その後の電気料金の暴騰にも繋がっていることを思えば、にんげんにとって、周りの事情で仕事をするのでは無く、みずからの志と理念を持って仕事をすることがいかに大切か、考えざるを得ません。

▼さて、たった今、ロシアのプーチン大統領がグロッシー事務局長の身を挺した説得を振り捨てて、何を狙っているか、ザポリッジャ原発をどれほど邪 ( よこしま ) な欲で危機に直面させているか、それを「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」ここで、話しています。
 ・・・ふだん、あんまし言いませんが、チャンネル登録が一歩一歩、まるで空に続く階段を淡々と登るように増えているのも、うれしいです。それはここです。

▼ロシア軍が昨年2月24日にウクライナ侵攻を開始してから、「ニュースで鬱になる」という人が少なからず、出ています。
 実は、ぼくもその気持ち、よおく分かります。
 本音として申します。
 そのような鬱、ストレスには、きめ細やかな日本語で書かれた小説が効くと思います。
 よろしければ、不肖ぼくの書いた「夜想交叉路」で試してみたり、しませんか ?
 紀伊國屋のネット書店、ここで、手に取ってみてくださいませんか ?




 
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