On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-06-26 08:49:17

見てもらえる!

 

 

▼きょうは「水曜アンカー」(関西テレビ)の生放送の日。
 いつものように前日から大阪に入り、関テレ報道部との討議を経て、いまも最終的な情報の確認などに努めているところです。
 今週は、きのうに京都で、どうしてもやらねばならない講演(自衛隊と自衛隊OB、そして自衛隊離職者を受け容れている経済人らへの講演)があったために近畿大学経済学部の講義(国際関係論)を休講にせざるを得なかったのが無念でした。


▼ぼくも身体はひとつだけですから、さまざまに錯綜する仕事あるいは、一民間人ながら任務だと思っていることの両立、いや何重もの同時進行を、きのうのように物理的に一部は断念せねばならないことも起きますから、独研(独立総合研究所)の秘書室にも明かしていない胸の内では、とても辛いものがあります。

 今朝の、大阪のホテルでの仮眠のとき、たぶんそのせいで、とても苦しい夢を見ました。
「自分の通う大学の学園祭で自転車を盗まれ、それを探しているうちに、大学の試験日程を忘れていて、気がついたら得意科目の試験が幾つも終わってしまっていた!」というやつでした。
 ふはは。
 ぼくは慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政経学部卒業なのですが、この夢に出てきた大学、慶応にも早稲田にも似ても似つかない。しかも、ぼくは明らかに中学生なのに大学に通っている!
 ぼくが苦しい夢を見るとき、だいたいがこの、「大学の試験をうまく受けられない。卒業できない」というやつなんです。

 今は近畿大学で学生諸君に試験を行っている立場ですが、試験の日、つい学生たちに「ぼくもこんな悪夢をいまだに見るぐらいだから、試験の出來が良くなくても、あまり気にしないでね」という話をしてから、出題しています。
 学生諸君がいつもと違って緊張した顔をしているからなのですが、学生にしてみれば、「今、この場でそんなことを言われてもナア」という感じでしょうね。ふひ。

 今朝は、RKB毎日放送(福岡)の「スタミナラジオ」の朝の生放送に電話で参加するために、短い仮眠から起きて、悪夢が終わって、よかったです。ホントに、ホッとした。


▼さて、さて、「水曜アンカー」の生放送が次第に迫ってきます。
 きょうは、青山千春博士が意を決して書いた「希望の現場 メタンハイドレート」(ワニプラス)の実物を、「長すぎる後書き」を書いた(実質的な)共著者として初めて、紹介できます。

 実物を、みんなに見てもらえる。
 今からわくわくして、正直、嬉しいのです。
 このちいさな一冊の、ほんとうの深い意味を実感しているからです。

 根本の書「ぼくらの祖国」(扶桑社)を「水曜アンカー」で紹介したときもわくわくしましたが、この新刊書は、学界内で嫌なことがこれで起きても…という青山千春博士の決意が背景にあるから、また違う感慨です。ちなみに、「ぼくらの祖国」も「希望の現場 メタンハイドレート」もタイトルと、表紙と裏表紙のデザインの原案はぼくが考え、青山千春博士や編集者と相談してみんなで練りあげていきました。

 きのう、前述した京都での講演の後の懇親会でお会いした山田京都府知事も「読み始めていますよ」ということでした。山田知事ともすべてが意見一致というわけでは、もちろんありませんが、ことメタンハイドレートをめぐっては政府を動かす「日本海連合」を創ってくださった全国知事会長です。
 山田知事は懇親会で冒頭の挨拶に立たれ、不肖ぼくと出逢って「そんな自前資源があるのか」と驚かれて日本海連合の結成を決意したと、時間を割いて語られました。
 そのいきさつも、この「希望の現場 メタンハイドレート」に、簡潔にではありますが、大切なことのひとつとして出てきます。

 …と言っても、まさか「水曜アンカー」の冒頭から紹介するわけにいきませんから、番組の最後(正確にはアンカーの前半最後)、午後6時前に、わずかな時間で紹介することになると思います。

 それまでに時間がなくなっていたら、できない!
 そ、それは、ほんものの悪夢だぁ。


▼写真は、「日本海連合」の一員、兵庫県の漁業調査船「たじま」の船尾です。
 独研の青山千春博士やぼくが、日本海のメタンハイドレート調査を初めて自治体と連携して行った最初の航海で撮った一枚です。
 この時は日本海連合はまだ生まれていなくて、兵庫県の井戸知事の英断で先行調査が始まり、それもテコに日本海連合の誕生に繋がっていったのです。

 祖国の旗がはためく船尾の写真は、「希望の現場 メタンハイドレート」の裏表紙の写真に使いました。
 ここにアップしたバージョンよりもっと、船に乗っている気分になれる、全体の写真です。
 本を手に取られたら、一度、帯を外して、裏表紙をご覧になってください。
 あなたも一緒に航海に出てている気がきっとします。ほんとうはみんなと一緒にわれらの日本海に出ているのですから。

 

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