On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-08-26 02:20:11

がんばれ、伊丹空港のちいさなブックコーナーさん




▼先ほど伊丹空港で最新のエントリーを書き込み、搭乗口に急ぐとき、ブックコーナーでふと、信頼する若手の店員さんに聞くと、「海と女とメタンハイドレート」(ワニプラス)が入荷したばかり。
 そこで、飛行機に乗るのはギリギリまで遅らせて、すべてにサインしました。8冊ほどあったかな。数える時間がありませんでした。
 人生という不思議なものそのものに関心のあるひと、結婚とか恋愛とか、それから友情とかを考えているひと、祖国の新生を願っているひと、そういうみんなに、ひとりでも多く読んでいただくことを祈って、そして「ありがとう!」の気持ちを一生懸命、込めて、サインしました。


▼これは、伊丹空港北ターミナルビル2階のJAL搭乗口近くの「スカイブック北店」(06-6856-6683)です。
 ちなみに、ここには先発の姉妹本「希望の現場 メタンハイドレート」(ワニプラス)のサイン本もたくさん置いてありましたが、店員さんによると「すべて売れてしまいました!」ということでした。
 また入荷すれば、もちろんサインします。
 毎日のように飛行機に乗っていますからね。
 現に、きょう8月25日・日曜はこうやって東京と関西を飛行機で往復しましたが、あすの8月26日月曜日も、飛行機で東京と大阪を往復します。
 この10年ほどのわが人生は、ほとんど機中で過ごしてるよなぁ、と感じるほどです。ふぎゃ。


▼ほんとは「ぼくらの祖国」も、たとえばこのブックコーナーに置いてほしいですけどね。
 置いてあればサインできますから。
 しかし、そこまで店員さんに言えませんでした…。

 ちなみに「ぼくらの祖国」(扶桑社)をずっと置いてくれているのは、たとえば、あの紀伊国屋書店です。
 この通称「ぼくそこ」を担当してくれた編集者が、常に、この紀伊國屋書店で「ぼくそこ」、「希望の現場 メタンハイドレート」そして最新の「海と女とメタンハイドレート」が何冊、読者の手に渡ったかを、Eメールで律儀に報告し続けてくれています。

 それによると「ぼくそこ」の返本率は、驚くほどに低くて、1割未満、8~9%です。つまり書店に並べた「ぼくそこ」は、ほとんどが読者に買われていき、出版社に戻されてしまう冊数はきわめて少ないのです。

 現在の深刻な出版不況をいちばん、端的に示しているのは、この返本率の高さです。
 出版社が本を出しても出しても書店からすぐに「売れない」と返本され、その山ができます。そのために、出版社は次から次へと本を出すばかりで、じっくり腰を据えて良書を売るということが難しくなっている、この悪循環です。
 そのなかで、発刊から満2年が迫ってくるノンフィクション(ノンフィクションが特に売れません)で、この非常に低い返本率は、確かに奇跡的です。
 静かに増え続けている読者のみなさん、その存在と志に、深く感謝します。


▼そして、ゲリラ豪雨で独立講演会in神戸に来ることが出来なかった何人かの志ある日本国民のみなさんに、「お会いできなくて、こころから残念でした。しかし、ぼくには、何とか来ようとされたみなさんの気持ちは、不思議なほど伝わっています。次回、あるいは次々回にお会いしましょう!」という言葉を、お贈りします。
 ありがとうございました。


✴写真は、携帯写真で見にくくて申しわけないですが、「海と女とメタンハイドレート」です。青山千春博士が、持っているところです。


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