On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-10-03 09:12:56

ちょっとうれしいお知らせやら、悲しいお詫びやら

         


▼「ぼくそこ」あるいは「赤本」こと、「ぼくらの祖国」(扶桑社)について16刷が決まりました。
 子供たちまで含めて、すこしづつ読まれ、このちいさな書物をもとに議論されて続けていることに深く感謝します。


▼その「ぼくらの祖国」をアメリカで手にされた読者から「国連本部がハドソン川沿いと記されているのはイースト川(イーストリバー)の誤りではないか」という指摘がありました。
 その通りです。
 叩頭し、お詫びして、謹んで訂正します。

 ぼくはニューヨークに行くたびに、ハドソン川とイースト川を河口近くに限っては間違える妙な癖があり、その癖のまま原稿にも書いてしまっていました。
 16刷から訂正します。
 15刷までをお持ちのかたは、まことに、まことに申し訳ない、イースト川沿いに訂正してくださるようお願いします。
 読者に迷惑をかけるのは、たいへんに悲しいことです。
 ごめんなさい。


▼もうひとつの、ちょっとうれしいことは、きょう10月3日木曜日にも参加するニッポン放送の「ザ・ボイス木曜日」が、「日本民間放送連盟賞」の2013年度審査で「優秀賞」を受賞したことです。

 これは番組のスタッフからぼくに伝えられたのではなく、この番組の熱心なリスナーである和田さんが、真っ先に知らせてくれました。
 そこで、先週木曜の番組参加のときに、チーフ・ディレクターに聞いてみると「ザ・ボイスのうち木曜の放送だけを選んで、応募しました」ということでした。

 ぼくはかつて、この日本民間放送連盟賞の審査員を務めていました。
 と言っても九州地区だけの審査員ですが、ちょうどこの「ザ・ボイス木曜日」が受賞した「ラジオ教養番組」部門の審査を、何年も続けました。
 審査は当時、応募番組の録音データをすべて事務局から送ってきて、それをひとつひとつ聴いていくのですが、応募作品は数多くあり、たいへんな時間がかかり、ふつうでは当時からとても時間が取れず、車を運転する時にもっぱら聴いていました。
 しかし賞に推す作品を決めるときには、もう一度、深夜に部屋の中で聴き直していましたから、ほんとうに時間がかかりました。
 そしてさらに、福岡での審査会に、東京から必ず出席し、審査員たちで議論をしてから、受賞作品を最終的に決めていました。
 他の審査員には、「復讐するは我にあり」などの名作で知られる佐木隆三さんや放送評論家のかたなどがいらっしゃいました。

 こうして九州地区で優秀賞を何作品か選び、そのなかで最優秀の一作品だけを東京の中央審査に送ります。
 その中央審査でも、ぼくら九州地区の審査員が選んだ一作が優秀賞などを受賞すると、嬉しかったものです。
 なぜ九州地区の審査員だったかというと、共同通信政治部の記者時代に、福岡のRKB毎日放送から共同通信のラジオ・テレビ局(当時)に「記者レポート」、つまり外交や政治の動きを声で解説するレポートの要請があり、たまたまぼくがそれを務めたからです。
 現在もそのご縁がなが~く継続して、ぼくは毎週、水曜日の朝にRKB毎日放送の「スタミナラジオ」という番組に、電話でレギュラー生参加(出演)しているわけです。

 この民放連賞の中央審査で、おのれの参加している番組が優秀賞になるというのは、ぼくにとっては、なかなかの感慨がありました。
 民放連のHPには、受賞理由が以下のようにアップされています。

優 秀
ザ・ボイス そこまで言うか!
ニッポン放送
 チーフディレクター 桐畑行良、演出 木下智隆、出演 飯田浩司、青山繁晴

 毎週月曜から木曜の夕方に生放送するワイド番組。毎日のニュースをピックアップし、日替わりのコメンテーターがあらゆるテーマについて、鋭く自分の意見を述べる。単なるニュース番組でもニュース解説番組でもなく、ニュースに対して様々な見方、考え方があることを提示するスタイルを守り、リスナーからもツイッターやメールで質問を集める。論考する材料を提供し、リスナーからの質問にコメンテーターが答えるスタイルがラジオならではであり、今後のラジオの方向性を示している。
(原文のまま。番組参加者は、ぼくが勝手に選択して記載したのではなく、原文のままです)

 先週の放送でも、この受賞に触れたと思いますが、あらためて正確に記しておきます。


▼さて、お知らせをもうひとつ。
 きのうの水曜日、関西テレビの報道番組「水曜アンカー」に参加したあと、伊丹空港で、同行のYO秘書(独立総合研究所総務部秘書室第2課)と「スカイブック2Fロビー店」に寄りました。
「ぼくそこ」は残念ながらありませんでしたが、「海と女とメタンハイドレート」が3冊、「希望の現場 メタンハイドレート」が7冊(ともにワニブックス)が置いてありましたので、すべてに、こころを込めてサインしました。
 おのれでつくった座右の銘も、いくつかの種類を、記しました。

 ご関心のかたはどうぞ。
 この店でサインしたのは初めてです。
 JAL側の2階、飲食店街の入り口にあります。と言うか、担々麺がとてもおいしい中華料理屋さんの向かいです。
 搭乗口の外ですから、どなたでも大丈夫です。飛行機に乗らなくても入れます。
 電話は、06-6856-8305です。

 そのあと搭乗口に入り、このスカイブックのJAL・17番搭乗口の近くにある店に寄ると、「サイン本がすべて売り切れましたので、新しく取り寄せたばかりです」とたくさん見せてくれました。
 この若い店員さんは、とても熱意のあるひとです。
 すぐにサインしたかったですが、飛行機がもう飛びそうで羽をバタバタさせていたので(…いやこれは冗談。でも、ほんとに搭乗を締め切りそうだった)、次回の搭乗のときに早めに行って、すべてサインすることにしました。

 前にも記しましたが、この伊丹空港の本屋さん、「スカイブック」はいつも頑張ってくれていて、店員さんもみんな爽やかなのです。
 空港内の搭乗口近くにいくつかのブックコーナーと、それからターミナルビルの中央部分にかなり大きな書店を持っている、いわば伊丹空港内の書店ネットワークなのですが、「青山さんのサイン本が欲しいという問い合わせがあれば、その人が買いやすいように本を回しているんです」という話を聞いていますから、飛行機に乗る乗らないは関係なく、伊丹空港に行けば、求めていただくことができます。

 ちなみに、伊丹空港は、おいしいレストランや行列のできるたこ焼き屋さん、お好み焼き屋さんが沢山あり、飛行機の離着陸の風景を間近に眺められる屋上には、センスのいいイタリアレストランも複数、あります。
 見るだけでも愉しい家具屋さんもあります。
 お世辞ではもちろんなく、楽しめる空港です。
 ここの社長をなさっていたKOさんというかたが、社長みずから空港内の隅々を回って改善に努力されたおかげでもあります。

 前述のいちばん大きな「スカイブック大阪空港店」(電話06-6856-6647)に電話していただくと、みなさんにちばん便利な店へ、サイン本を回しておいてくれます。
 この店は、JALとANAの中間の1階にあって、どなたでも入れます。
 こないだ、この店でもかなりサインしましたから、ここにもまだあるかも知れませんね。


▼さぁ、きょうはこのあと都内の女性の集まりで講演して、そこからニッポン放送「ザ・ボイス木曜日」の生放送に向かい、それが終わると再び、都内で講演してから、深夜にアメリカ太平洋軍の司令部に向けて飛び立ちます。

 この司令部はふつう、PACOM(ペイコム)と呼ばれ、ハワイの真珠湾を望む山上にあります。
 世界の米軍司令部のなかでも、もっとも立ち入り制限の厳しい、アクセスや面会も壁が高い司令部の、ひとつです。
 ここを訪ねて、中国軍の太平洋分割支配の野望などについて、議論してきます。独研(独立総合研究所)の研究員らも同行します。
 今回も、どこかに頼まれたのではなく、独研の自前・自発の調査研究ですから、またしても100%赤字の海外出張です。

 それにしてもハワイはハワイですから、PACOMとの(おそらくは激しいやりとりになる)議論を6回ほどこなした後は(それぐらいの回数が予定されています)、心身をリラックスさせて原稿を書くことに集中したいのですが、水曜アンカーや、ザ・ボイス木曜日のために、すぐに帰国します。

 ああ~、正直、もったいない。


▼原稿はホテルでも機中でも、眠らずに、ずっと書き続けます。…いつものことですが。
「ぼくそこ」の続編を、年内に出したいという話になっていて、すると今月末が原稿の〆切です。

 伝統ある文芸誌に掲載される方向になっている小説新作の改稿も、完了させねばなりません。実はせっかく11年数か月もかかって初稿を書き上げたのに、押し寄せるさまざまな仕事、ぼくなりの任務のために、改稿が遅れ、掲載予定が危うくなっています。
 ほんとうは、胸苦しいような情況です。

 ぼくは胸苦しくても、母なる祖国、父なる祖国に、清新の栄光あれ。



*写真は、散歩中の繁子です。
 どうみても笑ってるよね~。

(前にも載せたかな?載せてないかな?)
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