On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-10-04 21:06:33

先輩がたの気配の地から、京都、梅田での出逢いを思う




▼いまホノルル時間の10月4日金曜午前3時まえ、日本時間の夜10時まえです。

 きのう、ホノルル時間3日木曜昼ごろ、日本時間4日金曜朝に、空港に着いて、そのまま休みなく直接、真珠湾の山上にあるアメリカ太平洋軍司令部(PACOM/ペイコム)に向かい、中国軍の野望をめぐって非常に突っ込んだ議論をしました。
 そのあと、これも真珠湾にあるアメリカ太平洋艦隊司令部に向かい、ふたたび、かなり激しい議論を交わしました。

 ぼくはいつも真珠湾に行くたび、ありありと先人の気配を感じます。
 決してオカルトではなく、空を覆うように零戦の大群がまるで時間が止まっているかのごとく、気配を残しているのです。

 このアメリカ太平洋軍司令部と、アメリカ太平洋艦隊司令部はいずれも、敷居がとても高く、以前に東京から太平洋を越えて、真珠湾の駐車場まで来てから、いきなりドタキャンを食らったことすらあります。
「やはり会えないことになりました」という淡々とした英語を、携帯電話で信じがたい思いで聞いたことをまだよく覚えています。
 とても高いレベルから「見送れ」という指示が入ったと、あとで知りました。
 しっかりしたアポイントメントがフィックスされているのに、これは驚きましたねぇ。
 アメリカを含めて、数知れず海外出張をしてきましたが、そんなことは、これ一度きりです。
 アメリカ軍にとって、ハワイのふたつの司令部は、それだけ機密性がきわめて高いということです。

 今回はそのリベンジというわけではありませんが、想像以上に沢山の当局者と、ほんとうに踏み込んだ議論をできました。
 アメリカは戦争ばかりしてきた困った国ですが、いったん門が開くとそのあとは、胸襟を開いて、率直な話がフランクにできます。


▼そのアメリカは今、オバマ大統領の失政によって連邦政府のシャットダウンという、ほんらいは冗談にしか思えない事態になっていて、ハワイも例外ではありません。
 仕事の面では、政府機関の閉鎖も軍だけは除外されていて、上記のふたつの司令部は何事もないかのように機能していますから、おおきな問題はありません。
 ただ、たとえば真珠湾の記念館も閉鎖されていて、議論のあとに様子を見に行ってみると、そこの警備係官が「いやぁ、観光客が気の毒でね」と、英語が聞き取りにくいぐらいの勢いで、まくしたてました。


▼アメリカ太平洋軍司令部の当局者に「空港から直接、来たんでしょ? 疲れないの?」と、なかば呆れながら聞かれました。
 彼は、アメリカ軍全体のなかでも、中国をめぐる優れた専門家として知られた人物ですが、なんと、かなり有名なサーファーでもあるそうです。
 まぁ、そういう彼からすると、ぼくのトンボ返りの日程は、まことに信じがたい、となるわけですね。ふひ。

 今回の議論には、ここに派遣されている自衛官(佐官クラス)や、防衛省担当官も同席しましたが、彼らの仕事ぶりは爽やかで、ひとりの日本国民として心強く思いました。
 1日の最後までアテンドしてくれた防衛省担当官は、早稲田大学政経学部卒で、つまりはぼくの後輩にも当たります。お礼を込めて、夕食を一緒にしました。青山千春博士や独研(独立総合研究所)の研究本部・研究員も同席です。
 たとえば大学の後輩であるひとと、そうでないひとと、ぼくは区別をしませんが、先人の思いがこもる地で奮闘している姿をみるのは嬉しかったです。


▼これらアメリカ軍の枢要施設はいずれも写真撮影が禁止なので、アップした写真は、ホテルからみた夜の波です。せっかくのハワイなのに、なんだか真っ暗で、スミマセン。
 しかしぼくは、10代の頃から、夜の渚が大好きです。
 夜の波音を聴くと、いつでも、ティーンのぼくになります。

 ハワイは数え切れないぐらい来ていますが、ほとんどが仕事のみ。
 仕事でもいいのですが、たまには、ゆっくりと原稿を書くために、来てみたいです。
 ここは、風が、気持ちいい。
 ハワイでいちばんいいのは、風だと思います。
 この風のなかで、書きたい原稿をこそじっくり書きたい。

 羽田からホノルルまでの機中は、これら司令部での議論の準備と、そして小説新作の改稿を、眠い目をこすりつつ懸命にやっていました。
 しかし、ホノルルまでは、そう遠くないですからね。改稿は終わらず、このあとも徹夜です。
 そして、きょうも朝早くから、軍当局者らとの議論が待っています。


▼さて、メタンハイドレートをめぐる二重奏の本、「希望の現場 メタンハイドレート」、それに「海と女とメタンハイドレート」(いずれもワニブックス/青山千春博士との共著)の出版を機に、サイン会をやる日も近づいてきました。
 青山千春博士も、メタンハイドレート最新調査の航海から下船してきたので、ようやく、ぼくとのスケジュール調整もできて実現するサイン会です。

▽まず、アバンティブックセンター京都店で10月11日金曜の17時からです。
 みなさんのお顔をみて、ちらりと、お話をして、それからぼく、青山千春博士ふたりのサインだけではなく、ぼくなりの座右の銘と、何よりもあなたのお名前を大書します。
 そして堅く握手しましょう。
 希望のかたには、男女を問わずハグします。

 出版社によると、「まだ参加可能です」ということですから、よろしければ、ぜひにお会いしましょう。
 京都は、記者時代に6年を生きた土地です。ぼくには青春の地でもあります。
 そこでみなさんに会うのは、うれしい。
 アバンティのHPはここです。
 フェイスブックに告知があるようで、ぼくの写真が出ています。ここです。

▽次に、ブックファースト梅田店で10月12日土曜の11時からです。
 大阪は、関西テレビの「水曜アンカー」を通じて、いわばぼくのささやかな発信の拠点にもなってくれている場所です。
 大阪でのサイン会は、いつもに増して感謝のこころでやりたいです。
 HPに告知があります。ここです。
 こちらも、まだ参加可能jだと思います

 いずれも、「海と女とメタンハイドレート」、「希望の現場メタンハイドレート」、そして16刷になった「ぼくらの祖国」(扶桑社)がサイン会ご参加の対象書籍です。


▼前にも記しましたが、東京でも、10月26日17時からのトーク&サイン会があります。
 書店さんの要請で「告知開始日」は10月10日です。

 名古屋でも、10月中旬以降で調整していきますし、和歌山でも12月20日金曜に開催します。

 さあさ、京都、大阪梅田、東京、名古屋、そして和歌山で、会いましょう!
 日本への帰途は、サーフィンで帰りたいな。なんちてね。
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