On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-10-06 09:42:15

ちょっと遠い波音とともに、新作の完成へ(*大型写真を追加しちゃいました。重い人、ごめんね)




▼きょうは10月5日の土曜日。いま午後2時45分です。日本は、6日の日曜日、午前9時45分ですね。
 ハワイと日本の時差は19時間もあるので、気をつけないと、日本の動きがどんどん先へ行ってしまって、仕事で困ることも、たまにあります。

 だけどもね、きょうは日本も日曜、ホノルルも土曜。
 アメリカの太平洋軍は現在、大きな戦争をしているわけじゃないので、軍人も当局者も、ここに駐在している日本の自衛官も外交官も、み~んなお休みで、そして日本も政府関係の動きはほぼ、ないです。
 ということは、ぼくもサーフィンかダイビング…ならば、小躍りするぐらい嬉しいんだけど、ゆうべからずっと仮眠も取らないで原稿を続けています。
 いまは、会員制のレポート執筆から、小説新作の改稿に戻っています。
 文芸誌の編集長が月曜に出社されるまでに、どうしても終わっておきたいから。


▼もともと40枚ぐらいの短編のつもりで、書き始めた純文学の小説です。
 純文学という言葉に抵抗のある人もいらっしゃるでしょうね。
 ぼくも別に好きな言葉ではなく、日本語としても、古い言葉なのに未だにこなれていないと思います。
 ただ、純文学とエンタテインメント小説の違いは確かにあります。
 ひとことでいえば、掘るのが、純文学、あまり掘りすぎないで先へ行くのが、エンタテインメント小説です。ぼくはこの先、両方を書いていく決心をしています。


▼それがなんと、11年3か月もかかって、ことし7月4日に、ついに初稿の173枚を脱稿しました。
 そして改稿を重ねて、いま第7稿を仕上げているところです。
 いまは200枚を超える中編になってはいて、第8稿で削り込むかも知れませんが、いま166枚まで改稿が進みましたから、仮のゴールは遠くに見えるようになってきて、気分はとても明るくなっているところです。

 今回のハワイ出張に来て3日目ですが、まだアメリカ軍の施設と、ホテルの部屋しか行っていなくて、食事を含めて、それ以外のところには一切、行っていないとという無残な話です。
 経験の長いダイバーでもあるのに、海は、ホテルのテラスから見るだけ。
 そして明日にはもう日本へ帰らないと、日本でのシビアな日程がこなせません。

 それでもね、これはこれで、いいです。
 写真は、テラスでの執筆風景ですね。


▼ハワイは、ほんとうは、訪れるより棲みたいところナンバーワンなのです。
 日本を除いて世界中で、ハワイがナンバーワンです。これだけ、ささやかなりに世界を歩いてきて、ここがナンバーワンです。
 そのわけはたったひとつ、風です。
 風のこの甘み、これはここにしかありません。
 ダイバーですから、かつては南の島も沢山、行っています。でもこの風は、ここにしかない。
 なぜしょうね。

 アメリカ軍の当局者に「ハワイ諸島のなかのどこかの島を日本が領有して、48番目の県にしたうえで、棲みたい」と思わず言ってしまったら、大受け、めちゃ受けでした。
 この地味ブログに、なおみさんというアラモアナに住む「日本大好き」という日本女性から「来てくれて、うれしい」という趣旨の書き込みもいただきました。
 実は、棲みたいぐらいなんです。
 なおみさんは、幸せですよ。

 書き込みには、こんな風に書いてあります。(部分です。メールアドレスが含まれたりしていることもあり、ちょっと手を入れてあります)


私はアラモアナ地区にすんでいます。
すぐそこに私の大好きな青山さんと青山千春博士らがいらっしゃると思うと胸があつくなります。
旦那が「そんなに好きならホテルまでいってみたら?」
といいましたが、私はそんなストーカーみたいなことは
しません〔笑)十代じゃないんですから!!

とんぼ返り?とか書いてありましたので、多分今日の夜が最後の夜かもしれないですね。
私も消費税のことでがっくりきていたので、お二人がハワイにいるってだけでとってもHAPPYです。
ぜひハワイを感じで、充電していってください。
今度いらっしゃるときはぜひメールください。
私はアメリカ市民権をもっていますが、日本大好きです。
実は母の手術のため16日から日本に1ヶ月ほど山形県に行きます。行く前に青山さんと同じ空気が吸えて
うれしいです。
応援してます。お仕事がんばってください。
MAHALO


 …わはは。「感じで、充電」。
 その通りですね。
 感じだけなのじゃ!

 もちろん、泳ぎたいし、潜りたいし、波乗りもしたいし、歩きたいし、ノースショアも行きたいし、ほんとは、ちょっとかなしいけどね、また来ます。
 遊びに来るのは無理だけど、せめて、「ここでは原稿を書く仕事だけにする」という機会は、つくりたいです。
 ぼくも一応、人間ですから、嫌がらせや根拠のない決めつけや単なる曲解をはじめ、そういうことからもしばし離れて、ネットの接続も切って電話もオフにして、この風のなかで原稿だけを集中しきって書く時間を、いつか、つくりたい。

 ぼくは海外出張に出て、帰りたくないと思うことが、ほとんどありません。
 意外かも知れないけど、行きたいも、帰りたいも、ほぼないのです。あるがままに、淡々と生きているだけます。
 しかし今回だけは、あまり帰りたくないなぁ。

 だけども、帰れば、京都では11日、大阪では12日のサイン会で、みなさんに会える!
 それをこころの頼みにして、帰ります。
 会いたいひとは、この下の書き込みなどを見てみてください。

 なおみさん、お母さまの手術が成功しますように。
 きっと大丈夫ですよ。
 枕元に、この風を運んであげてください。




*幾人かのご要望にお応えして、冒頭の写真の大きいサイズを置きます。
 そうです、繁子です。
 ぼくは、独研(独立総合研究所)が配信している会員制レポートの東京コンフィデンシャル・レポート(TCR)を書くjときは、やむを得ず、ワードを使います。
 独研・総務部の配信のしやすさを考えるからです。1分を争って一刻も早く会員に配信しなければならない時も、少なくないですから。

 しかし、おのれの本や小説を書くときは、必ず、一太郎です。もちろんジャストシステムと何の関係もありません。
 日本語は日本語専用のソフトで書きたいからです。
 その一太郎には遊び心もあって、パソコン上の原稿用紙の背景を自由に決められます。
 ぼくはそれを繁子ちゃんにしています。
 しげこ!
 おまえと、京都、大阪のサイン会のために、水曜アンカーとザ・ボイス木曜のために、もう明日に帰るぞっ。


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