On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2013-11-20 04:09:00

すこしだけ疲れましたが、3時間半を視てくださったみなさん、ありがとう!


▼いま11月20日水曜の午前4時過ぎ。
 ホテルの窓の外はまだ真っ暗です。

 きのう19日火曜は、衆議院の国家安全保障特別委員会で、特定秘密保護法案(内閣の提出)と情報公開法改正案(枝野・元官房長官ら提出)について、参考人として意見を述べました。
 ほかの3人の参考人とともに、最初に15分間という時間指定のなかで意見を述べ、その後に各党の質問に答え、3時間半ほどのかなり長い審議になりました。

 額賀委員長から冒頭、「なお、慣行により、参考人から委員(この委員会に属する衆院議員)に質問はできません」と発言がありました。これは、もちろん額賀・元防衛庁長官の個人的見解ではなく、事実上のルールになっていることです。
 前のエントリーで書いたように、ぼくはこの日が3回目の国会証言ですが、いつも同じです。
 ほんとうは、できれば対話、対論になった方がいいと思います…。

 今回は、知友の西村幸祐さんも参考人として出席されました。
 審議前の控え室で西村さんが開口一番、「あ、たばこが吸えるんだ」と喜びました。ふはは。

 そうです、国会内は、まだ禁煙社会じゃないのです。どこの部屋にも大きな灰皿が置いてあります。
 ぼくは共同通信政治部の出身ですから、国会のなかは12年近く歩き回ったのですが、日本社会でいちばん変わっていないのが、国会とマスメディアとも言えますね。


▼審議そのものは、たとえばニコニコ動画の生中継で10万人弱が視聴されたということでした。(※「10万人以上と青山さんに伝えたけど、正確には10万人弱だった」という連絡をいただきました)
 衆院の公式なネット中継もあり、マスメディアがあまり取りあげなくても、ネットを活用したいろいろな手段で沢山のかたが編集なしでご覧になったようですから、内容については主権者それぞれの判断にお任せします。
 ぼくはただ、いつもと同じように、もはや右でも左でもなく真ん中から語っただけです。

 ひとつ残念なことがありました。
 それは共産党の沖縄選出の議員から、ぼくには何も質問がなかったことです。
 世界観、国家観、歴史観が真正面から違うからこそ、どしどし質問や疑問をぶつけてほしかったナァ。
 しかし、この議員のかたは、市民運動家と大学教授にだけ質問されました。
 それは当然、この議員の自由な判断です。
 しかし、たとえば世界観の相克を、主権者に公平に見ていただく機会ではなかったでしょうか。

 ぼくはじっと、議員の眼を見ていたのですが…。
 沖縄選出の議員であるだけに、よけいに残念でした。


▼ネットを活用した生中継でご覧になっていたかたから、ぼくが最後の方で時計(委員会室の壁に掛かっている時計)を気にしていたのまで良く分かったと書き込みがありました。
 ふひ。
 その通りです。
 飛行機に間に合うかなぁと、ときどき時計を見ていました。
 最終便に近いフライトで大阪に入らねばならなかったからです。

 間に合わなかったから、それはそれでやむを得ない、国会審議の方がはるかに大切です。翌朝いちばんに大阪に向かうしかありません。
 実はこの日、衆院本会議の開催が遅れ、それに伴って委員会の開始も遅れたので、その影響を頭の隅で考えていたのです。

 委員会審議が終わると、独研(独立総合研究所)の社有車を運転して、羽田に向かい、フライトに間に合いました。
 東京の夜景のなかを運転していて、「こんな時でもドライビングは愉しいな」と思いました。

 大阪に入るとすぐ、関西テレビで、翌日(つまり今日、水曜日)の「スーパーニュース・アンカー」のために、テレビ局のスタッフ陣と議論です。
 ありのままに言えば、スタッフはテレビだけが仕事だけど、ぼくの方は多種多様さまざまな仕事の果てに、この打ち合わせもあります。
 脳が疲れていて、早めに議論を終えたかったけれど、こちらの疲労にまったく無関心なひともいるから、夜がたっぷり遅くなってしまいました。
 関テレからホテルへ向かうタクシーのなかで、番組にとって必要な電話を政府高官にすると、「こんな時間に…」という、ちょっと迷惑そうな感じでした。
 まぁ、しゃあない。


▼11月20日水曜は、いつもの「青山のニュースでズバリ」のコーナーに加えて、自民党の石破幹事長に国会記者会館(東京・永田町)へ入ってもらって、関テレの報道スタジオと繋いで、ナマ議論をします。
 事実上の、コーナーの拡大版ですね。

 参考人審議で、日本維新の会の若手議員から「両親が(アンカーを)いつも視ていて、青山さんがこう言ってたと聞かされるんです」という発言があり、正式な国会審議の場ですから、思わず微苦笑しました。
 すると他のベテラン議員から「俺もいつも視てるんだ」という(ちょっとだけ楽しい?)不規則発言までありました。

 そのご両親を含め、いつも視てくださるみなさん、「水曜アンカー」も、この日の審議も、ありがとうございます。
 みんなの、日本の主人公、最終責任者としての強い関心に支えられて、疲労もかろうじて乗り越えています

 そして、大阪の主婦でいらっしゃる「ぼやきくっくり」さんが、ぼくのこの日の冒頭発言を直ちに起こしてネットにアップされているのには驚きました。
 起こし作業はたいへんです。この短い時間に仕上げられるなんて、凄いと思います。







(*いずれも、その、ぼやきくっくりさんのサイトからお借りした写真。「画像は衆議院インターネット審議中継からキャプチャさせていただきました」とあります)
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