On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-05-30 04:18:23
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
Comments (0)

驚き ( 勘違いしていたことに気づき、書き直しました )

 いろんな話、特に武漢熱をめぐる巨大な問題の数々をはじめ政策課題、外交課題について、継続で話している最中に、ひとつ違う話を入れることを許してください。

 みなさんの底力、日本人のさりげない力に驚いたのです。
 それは東京タワーの外階段600段を、少なくないひとが、それもアスリートではおそらくないかたがたも含めて、登っていらっしゃることです。 ( ちなみに、武漢熱が襲う前は土日祝日に限り開放していた上り階段を、今は毎日登れるようです )

 武漢熱のためにエレベーターが制限されると、その制限をきちんとみんなが守るだけでも世界水準からして大したことなのに、じゃあと、あっさり600段の階段を登る。
 こんな国民、なかなか世界に居ないですよ。

 不肖ぼくは、鍛錬する時間がどうにも取れないために、2階以上の場所に行くときには、階段を駆け上がり、また駆け下るようにしています。
 それが30階を大きく超えるときも同じです。すると登り降りで70階ほどになります。段数で言うと、片道525段前後、往復で1050段前後ですか。

 しかし、ふだん階段を上り下りしていなかっただろうひとが、武漢熱を機に、さらりと600段登られるとは凄いです。
 気は強いけど意志の弱いぼくは、高層ビルをはじめ高い階へ行く建物の前に立つと、内心で、げんなりします。
 あぁ、こいつをまた登らなきゃいけないのかと。
 このごろは行動経済学で言う「ナッジ理論」 ( 肘で軽く突くように、行動を促す ) を大袈裟ですが、流用して、とにかく軽く最初の一歩を踏み出すようにしています。
 けれども、飽きっぽいので、単調な階段に耐えるのにちょっと苦労します。
 やっとこさ最後まで登ると、今度はやがて、降りが待ち受けています。
 登りと降りは使う筋肉がはっきり違うからねと、おのれを説得してエレベーター・ホールを素通りし階段室へ向かいますが、正直、やや辛いです。

 ところが、みなさんは楽しそうに600段を登られているようです
 仮に一回切りにしても、素晴らしいです。
 東京タワーの外階段は、景色がよく見えるらしいから、それも助けにはなるのでしょうね。
 ビルの階段室は、壁また壁です

 議員会館の青山事務所は最上階の12階にあって、多くは地下から登ります。中二階もあるので実質、14階ぐらいですか。
 段数で言えば、片道210段ほど、往復420段ぐらいです。
 これを階段で登り降りしていることを知ると驚く、他の議員もいらっしゃるのですが、東京タワーの片道600段を登る国民を考えると、全然たいした話じゃないです。

 日本ではふつうの国民がこれほど、意志が強く、というだけでなく、まさしくナッジ理論を自然に、淡々と実践なさっていて、しかも足腰が強い。
 ふだんオールドメディアで、日本人の足腰は弱っているという情報ばかりをぼくも刷り込まれていますが、違いますね !

 いろいろなものをもたらす武漢熱の、これは嬉しい発見です。
 ただし・・・2階へ上がるのもエレベーターというひとも、ぼくは支持します。ほかのことにエネルギーを集中するのも生き方です。第一、いろいろな心身の事情もあるでしょう。
 それに、もしもエレベーターが無かったら、にんげんは高いところに棲んだり働いたりしにくくて、都市の可能性がちいさくなっていたでしょうしね。
 リスクも同時に、生まれているわけですが、それは人間のやることにつきものです。飛べない生き物のにんげんが、頭上はるかを鉄の塊で飛びますから。

 国会のない土曜の朝の余談、おしまい。


 
  • 前の記事へ
  • 記事の一覧へ
  • 次の記事へ
  • ページのトップへ

 

コメントは原則非公開です。それをご理解のうえ、投稿してください

名前
タイトル
メールアドレス
コメント
認証入力
画像認証 CAPTCHA Image 画像変更

※入力欄はすべて必須です。
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。

もう一度、コメントがすべて「原則非公開」であることを確認され、投稿ボタンを押してください。

  • ページのトップへ