On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-05-31 20:58:05
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思いがけず前へ そのAの4 習近平主席の国賓来日の明確な中止のために

【その後に何が起きているか】
 
▼きのう印象的で大切な電話もありました。
 まずは、詳しい経緯を、精確を期して記します。
 ただし先のエントリーで記したように、ルールと良識によって節度のある範囲で記します。
 この個人ブログは、外国勢力も含めて、どなたでも広く無条件に読むことができます。また、そのように読まれています。

▼5月29日金曜午後3時から、自由民主党本部にて緊急の外交部会・正副会議 ( 役員会 ) が開かれました。
 外交調査会の衛藤征士郎会長も出席されましたから、外交部会と外交調査会の合同会議の性格もありました。
「中国の全人代における香港の国家安全に関する決定に対する非難決議 ( 案 ) 」を審議するためです。

 会議には、中山泰秀・外交部会長と、前述の衛藤征士郎・外交調査会長 ( いずれも衆議院議員 ) のほか、部会長代理が4人、副部会長が7人のほぼ全員が出席でした。ぼくも副部会長として参加しました。
 外務省から香港の現状などについて説明があり、中山部会長が案を読みあげ、自由討議となりました。

▼その討議の最初に、中山部会長の指名で発言することができました。
 発言のポイントは、以下の通りです。

 ( 1 ) 案には「人権の尊重や法の支配について、あらゆるレベルを通じて適切な機会を捉え働きかけるよう求める」とあります。それを変えて、「内閣総理大臣が働きかけるよう求める」としてください。

 ( 2 ) また案には、習近平国家主席の国賓来日問題に、一切触れていません。
 尖閣諸島へ到底、許すことのできない不法行為を続けていて、武漢熱の感染拡大の責任を認めず、真相解明にも応じず、さらに香港でも決定的な人権侵害に出ようとしている中国から、その最高責任者を国賓として迎えることが、あって良いはずがありません。「延期されているのをいずれ実施する」ということは違うと、外交部会として明示すべきです。

「この2点に絞ります」とも述べました。
 第一には、他の役員の方々の発言時間を確保するためです。
 それから、焦点をはっきりさせるためでもありました。

▼これに対して、部会長代理や副部会長から賛成意見が多く出されました。
 一方で、「香港をめぐる決議に、習近平国家主席の国賓来日問題を入れるのはどうか。別の機会にすべきだ」と何度か主張される副部会長や、「内閣総理大臣と明記するのではなく、首脳レベルで、ぐらいにしておくのが外交上、適切だ」とされる副部会長もいらっしゃいました。

▼ぼくは、異論を尊重しつつ、考えを述べました。
 そのたびに、ひとつひとつ中山部会長の発言許可を得ました。

「香港は人権の深刻な侵害という点で他の問題に繋がっていますから、香港をめぐる決議に国賓来日問題を入れて、全くおかしくないと考えます。また別の機会にと言っていてうやむやになる、これまでの自由民主党のやり方を変えるべきではないでしょうか」
「首脳レベル、では当たり前です。中国の問題になっている政策はみな、習近平国家主席を含め首脳レベルで決定されているとみられるのですから。内閣総理大臣と明記して初めて、意義が生まれます」
 このように述べました。

▼この間、政府側として出席されていた政務三役のおひとりは、ずっと黙しておられました。
 冷静な姿勢でした。
 ところがぼくが意見を求めたために、あえて発言され、「香港にいる日本人や、日本企業の不利益を考えると、慎重に考えるべきです」という趣旨を強調されました。
 この決議はあくまで党の外交部会、外交調査会が決するものです。
 またぼくが発言を求めたのは別の意味だったのですが、やぶ蛇なことをしてしまったと反省していると、部会長代理のおひとりが、極めて明確に「それはおかしい。日本が毅然としていることが、結局は日本人や日本企業のためになるんです」と反論され、国益のために遠慮しないその姿勢に感嘆しました。

 香港在住の日本国民、同胞の保護、立場の擁護、そして日本企業の不利益を防止することは絶対に必要です。
 しかし、あたかも人質であるかのような認識では、かえって事を誤ります。その意味で、部会長代理の意見に賛成です。

▼さらに活発な議論が続いたあと、中山、衛藤両トップの英断で、決議案をこの場で即、修文し、官房長官らとのアポイントメント ( 決議の手交 ) を実行しようということになりました。
 すると政府側は、政務三役のおひとりがあらためて適切な判断をされ、外務省の行政官 ( 官僚 ) とともに政府側の全員が退席されました。ルールがきちんと遵守されたのです。

▼そして衛藤征士郎・外交調査会長が「青山さん、部会長席に来て、修文に参加してください」と異例の指示を出され、中山部会長にもそのように要請されました。
 しかし、ぼくは副部会長席から立ちませんでした。
 こうした場合、修文は最終的には部会長に一任されます。ぼくが加わるのは、越権のきらいがあります。
 組織を内側から変えるときには、越権は決してやってはいけないというのは、ずっと組織の中で、共同通信時代も、三菱総研時代も、そして社長を務めていた独立総合研究所時代も、さらには現在の護る会の中でも、前進を試みてきたちいさな信念です。

 ところが衛藤・外交調査会長が何度もぼくと中山部会長に要請され、中山部会長も寛容なことにそれを認められました。
 そこで、部会長席の近くに行って、修文作業の最終段階だけには加わりました。
 ぼくだけでは全くなく、修文に加わりたい人は誰でも加わることができていました。
 こんな自由な差配をされる部会長はなかなか居ないでしょう。

▼最終的には、みなが、先ほどの意見・異見を仰った副部会長らも一致して、画期的な決議ができあがりました。
 そのなかに ( イ ) 内閣総理大臣みずから中国に、人権の尊重や法の支配の確立を働きかけること ( ロ ) 習近平国家主席の国賓来日について「再検討」を求め、この来日が延期されている現状から実施に向かうのではなく中止へ向かうよう実質的に要請するーという、かつてない内容が盛り込まれたわけです。

▼そしてまず、岸田文雄政調会長に提出しました。
 岸田政調会長も「本来は、部会の決議というものは、政務調査会全体の審議を通り、総務会も通っていないと、総理官邸には持ち込めないのだが、今回は香港の緊急事態に関わる決議だから、認める」という趣旨の英断を、皆の前で明示されました。
 これもぼくは、大いなる変化を感じて、内心で驚嘆したのです。
 そのあと、午後4時45分頃から、菅義偉官房長官に提出となりました。先のエントリーにて写真をアップしたとおりです。
 菅官房長官は、しっかり読まれたうえで「真摯に受け止める」という回答でした。

★その翌日である昨日、5月30日土曜の昼間に、かつて重要な局面で外務副大臣などを務められた、自由民主党屈指の外交通にして現役幹部である衆議院議員から電話がありました。
 上記のいずれの趣旨、すなわち「内閣総理大臣から直に中国へもの申すべき」、「習近平国家主席の国賓来日は延期から中止へ進むべき」という趣旨が、確かに外交部会の正式な要請文に盛り込まれていること、また、いずれもこれまでの自由民主党の部会決議などに一切、現れたことのない新しい要素であること、それらをある種の感動を込めて語られました。

▼護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) は、このふたつのいずれもこれまで明確に主張し、安倍晋三総理、そして自由民主党の二階俊博幹事長ら首脳陣にも要請文として数次にわたって提出してきました。
 しかし護る会は任意の議員グループです。党の正式機関ではありません。
 部会という党の中枢を成す正式機関の決議がこのような新しい決議を官房長官に提出した意義は小さくありません。
 中山泰秀・外交部会長、衛藤征士郎・外交調査会長の英断と、最後は一致して賛同してくださった部会長代理、副部会長のみなさまにあらためて感謝と敬意を、伏して申しあげます。
 もっと端的に申せば、この外交部会、外交調査会の合同会議の両トップが、中山、衛藤の両会長でないと決して、こんな意味の深い決議は決してできなかったでしょう。

 
★と同時に、あくまでも党から政府への要請であり、実際に習近平国家主席の国賓来日を止めること、また中国が香港だけではなくチベット、ウイグル、南モンゴルなどにおいて人権を深刻に侵害していることに日本政府が総理をはじめ毅然と対峙すること、中国が公然と武装船を日本の尖閣諸島の領海に侵入させて日本の漁家の漁労を妨害している重大な不法行為をやめさせること、これらのいずれについても、まだまだ苦闘を続けねばなりません。
 油断など全くできません。
 どんな楽観も、してはなりませぬ。

 
 これもまた匍匐 ( ほふく ) 前進のひとつです。
 どこまでも謙虚に、ささやかな寄与に過ぎないことを深く知り、内部から自由民主党と、自由民主党が与党である政府の変化を起こすことに、砕身していきます。


 
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