On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-07-06 23:48:25
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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共同通信も明々白々な誤報、虚報。またか。

▼このブログの読者からご要望があり、共同通信のネット版記事も見てみました。

「一部の出席者から来日中止を要請するのは望ましくないとする慎重論が上がり、結論は持ち越された」とあります。
 もう笑ってしまいます。
 結論は全く持ち越されていません。
 はっきり結論が出ました。
 原案のまま、「習近平国家主席の国賓来日の中止を要請」とすることを基本に中山泰秀・外交部会長に一任したのです。
 そのことに、最後は、二階派の議員からも異論は全く出ていません。

▼記事にはまた、「中山氏は会議終了後、決議案の文言を見直すかどうかに関し『まさに調整している』と記者団に述べた」とあります。
 これは、ひとつ前のエントリーに記したように「中止を要請する理由を、香港だけではなく、尖閣諸島への中国による侵犯などを加えるべきだという意見が多かったので、そのように強化することについて調整する」という意味であって、この記事もまた意味が真逆です。

▼さらに絶句するのは、この記事の最後の1行です。
「会議では、河村建夫元官房長官が『日中関係を壊すような文言はいかがなものか。修正すべきだ』と発言した」とあります。
 二階派の河村さんは、確かにそのように発言されました。
 しかし、これもひとつ前のエントリーに記したとおり、その河村さんの発言も入れて「中止という文言を変えて欲しい」という発言は全部でたったの5人。
「中止という文言は決して変えるな、削除するな」、「中止を求める理由を、尖閣などを加えて強化せよ」という発言は、ぼくの数えたところでは19人。衛藤征士郎・外交調査会長の数えたところでは22人。
 いずれにせよ、圧倒的な差です。
 それなのに、なぜ、ごく少数派の河村さんの発言だけを紹介して、他の多数の発言は完全無視するのですか。

 これで一体、客観報道と言えるか。
 いや、報道とか記事とか、もはやそれとすら言えません。
 ただのプロバガンダ、政治的に利用されているだけです。

 わがたいせつな古巣よ、不肖ぼくを育ててくれた古巣よ、あなたは一体どうしたのか。

▼そして、みなさんも、もうお気づきだと思います。
 これらの誤報記事から浮かび上がる共通点は、限られた同じ取材源の話、易々と取材に応じてくれる特定議員の話、それだけを基にしているな、ということです。
 取材力の著しい衰え、そしてキャップやデスクが真っ直ぐな眼でチェックする力の衰え、それが原因です。
 取材力の無い記者の書く記事は、社会の大きな迷惑です。

 主権者に公平な、正しい情報を提供するという志を、一体どこへやってしまったのか。

 今回の一連の誤報と虚報はしかも、中国を利する、中国に媚びるという深刻な側面を持っています。
 その意味から、単なるたまたまの誤報と言うことは、もはや、できません。
 ぞっとします。

 良心派の記者よ、立て。
 いるなら、立て。
 内側深くから、立て。



 
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