On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2020-07-30 09:17:36
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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この世の不思議

 ハードワークに耐えかねて、ぼくのノートパソコンは次から次へと、ぼくの身代わりになって斃 ( たお ) れます。
 これは、この世の不思議じゃない。

 不思議なのは、仕事を途切れさせないために次のノートを買って、代替わりに備えると、まだ何も症状の出なかった元気なノートパソコンが急に、おかしくなり始めること。
 きみは、生きてるのか?
 生きてる、ぼくの盟友か?

 もちろん生きていません。
 しかし似た記憶が20歳代の頃からあります。
 中古の、一度は死んだような、赤いセリカに乗っていました。セリカとは、かつてのトヨタの名車ですね。
 ぼろぼろでしたが、元気にぼくと友だちを乗せて走っていました。
 その頃、マツダがRX-7という意欲的なくるまを世に問いました。
 リトラクタブル・ライト ( 格納できるヘッドライト ) ばかりが話題になって、信号で止まっていると知らないおじさんに「ライトを出してみてくれ」と頼まれたりしました。 ( リクエストには、お応えしました )
 そのリトラクタブル・ライトが象徴する空力特性もよかったけれど、本質は、ロータリーエンジンの電気モーターのような切れ目のない加速力でした。

 このRX-7に乗り換える決心をして、なんとかローンを組むことができて、赤い元気なぼろセリカをマツダのディラーへ乗っていくとき、四輪が、動物の足がへたるように急に、接地面が四輪とも外を向く感覚が、はっきりあったのです。
 当時すでにA級ライセンスを取っていましたから、タイヤの接地状況には、全てのレーシングドライバーと同じく、と言うかぼく程度でも、敏感です。
 なんとなく、ではなく、はっきりとその感覚があって、死の前に最後の踏ん張りで走っているセリカであることが運転席のぼくに伝わってきました。その通り、このセリカはあまりにおんぼろ過ぎてリセールに出されることなく、廃車となり、押し潰されて鉄の塊になりました。

 おまえは、生きものだったのかと思いました。

 もちろん、生きものじゃありません。
 そのときと似た感覚が、今のぼくの酷使を続けている青いノートパソコンにあります。

 仕事の合間に、ふと書きました。所要、2分です。→ いや、正確には4分です。このごく短い一文の着地までは、4分。
 忘れないように書きました。
 この世の不思議、いつかまとめて本を出します。
「それは国会議員を辞めてからにしてください。そのあとの出版には、たいへん期待します」という意見をかつて頂きました。
 そうかも知れませんね。
 かつて世界をぐるぐる回りましたが日本の国会議員ほど、細かく、あくまでも細かく、ロボットのような24時間隙間のない働きぶりを要求される議会人は、なかなか他国にないと思います。
 他国で求められるのは、まず第一に個性と、その個性に基づく戦略観です。ロボットの逆ですね。
 話が逸れそうなので、やめます。

 新しい動画、名称は「ぼくらの国会」でも、いずれさまざまな話題にも広げていきます。
 そのためにも、収録を短めに、回数は多めにしているのであります。






 
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