On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-01-17 04:46:15
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「与党議員の特権か」

▼ゆうべ、エントリーをふたつ、書いている途中に突如、眠りに落ちました。眠りに落ちたことも知らない。
 だから今日は、そのふたつを完成させて、アップしたいと思います。

 そのまえに、みなさんから書き込んでくださったコメントに目を通していたら、あー、やっぱりこういう嫌なのが来るんだよねー、というコメントがありました。
 みなさん、このエントリーのタイトルはいったん「嫌な世の中」としました。
 ぼくはふつう、こういうタイトルにしないですよね。
 しかし、このタイトルにしないと嘘になる、今朝はそう考えました。
 そのあと、わかりやすいタイトルに変えました。
 自分で嘘のないタイトルと思っていても、自己満足です。タイトルを眼にする人には、伝わりませぬ。

▼「この医療崩壊のさなかに、人間ドックに行く。与党議員の特権か」
 いただいたコメントは、これです。
 ただし、このコメントを寄せられたかたは立派な人で、すぐそのあとに「違いますね」とお書きになっています。
 だからマサカ、この人のことをどうこう言うのではなくて、むしろこうやって言ってくださったから、やっぱり主権者の中に、こういう感じも浮かぶのかなと、あらためて考える次第です。

 事実は・・・与党議員だけの特権どころか、この大病院の人間ドック、健診、健康管理を集中している部門に2日間居ると、ドックに入る人、検診を受ける人、こういう言い方は好きではありませんが「一般の人」で満員でした。
 おそらく企業の制度によって共に定期健診を受けに来ている人たちを含めて、若いひとから中年世代までが非常に多くて、高齢の方がむしろ少数派です。
 そしてぼくは、もう一度言います。「与党議員の特権」どころか、ぼくが後回しにされることが非常に多くて、ずーっと自分の順番が来るのを待っていました。
 ま、そのおかげで、原稿も書けるし、Eメールも書けるし、なによりも病院の判断が最優先であって、決して文句など申しませぬ。
 おそらくは、日帰り健診の人を優先しているのでしょう。病院にも、検診を受けるかたにも時間がどんどん迫りますから。
 ぼくは、おのれの心身にあえて極度に負担を掛けている仕事生活に、最期まで耐えられるよう、追加費用も払って一泊の徹底検査にしています。 ( 費用は、あらかじめ組み込まれている検査、オプションで選ぶ検査を問わず、一切合切が自費です )
 だから病院としては、この受診者は後回しにしても何とか最後には予定項目を検査できる・・・という判断なのかなぁと考えています。
 だから、じっと待ちに待つのです。どこが特権でしょうか。

▼この病院が武漢熱の患者を受け容れていないということは、ありません。
 しかし、武漢熱に対峙するためにも、人間ドック、健診といった日本人の心身を丁寧にチェックする、普段の、そして不断の体制を崩してはいけない、この部門をしっかりと異常時にも維持しないといけない、そういう病院として判断なのではないでしょうか。
 ぼくは責任ある判断だと考えます。

 人間ドック → 不要不急の、余裕がある人のやること → それなら「与党議員の特権」、こうした発想があるのではないでしょうか。
 ぼくのように仕事を持ち込まざるを得ない情況で、鎮静剤も効かなかったような辛い検査を含めて人間ドックを受けるというのは、とても苦しいことです。実際、ふだんよりはるかにひどい肩凝りにもなっています。
 しかし、逆に議員の責任として、国会が召集される前に、前述したように全て自費で、徹底検査を受けています。
 特にぼくは、大腸癌の大手術を受けています。腸を大きく切り取ったあとに、病理に回したところ、癌は遂に見つからなかったという事実はあります。
 ( 苦情を言っても、腸は戻ってきませんから、そのまま受け容れています )
 それでも、普段まったく病院でチェックする時間が無いのですから、癌の再発 ( ? ) がないか、転移 ( ? ) が無いかを調べておくのも義務だと考えています。

 これが不要不急でしょうか。
 政府が緊急事態宣言を出せば、ほとんどのことが不要不急になってしまう、そういう思い込みがぼく自身を含めて、わたしたちに無いでしょうか。

▼もう一度、申します。
「与党議員の特権か」といったんは記されたかたは、立派なかたです。
 すぐあとに、御自ら「違いますね」という趣旨を書かれています。

 そのうえで、ぼくの呼びかけに応じて、これから国会議員になる志のあるひとが、議員になって、もしも任期途中で辞めるとしたら、きっとこういう世の中であることが原因だと思います。
 同僚の議員が嫌だとか、官僚が嫌だとか、絶対に違うだろうと考えます。
 現場でこちらが真面目にやっていれば、たとえ考えの違う議員や官僚であっても、それぞれがどれぐらい一生懸命にやっているかが、よおく分かります。
 タレントの知名度で議員になった人の多くが、任期途中で辞めて、テレビに戻っています。その人たちのなかには政治のあり方批判をして、それが辞めた理由であるかのように仰る人もいらっしゃいます。
 正面から申し上げましょう。ご自分が働いていなかっただけです。
 芸能プロダクションにどっぷり浸かって、癒着の中でテレビに出て、それで手にする収入に比べると、議員歳費は、安いです。国民の多くが「議員歳費は高すぎる」と批判されるのは分かります。ご自分が真面目に一生懸命に働いて受け取る給与、収入と比べられるからですね。
 しかし芸能プロダクションとテレビ局の癒着に浸かれば、そこから得られる収入は実際、目が飛び出るほど高いです。
 ぼくはかつて地上波のテレビ番組に参加していました。芸能プロダクションから「視聴率の取れる人だから」と、はっきり理由を言われて「なんとかうちと契約してくれませんか」、「プロダクションの指示を受けるのがお嫌なら、お名前を登録するだけでいいんです。それだけで、ギャラはこれだけ、こんなに、変わります」という具体的な誘いが複数回、ありました。 ( すべて即、お断りしました。芸能プロダクションのみなさんも頑張って、なかなか諦めない熱心な人もいらっしゃいました )
 そしてさらにぼくは情報が仕事のひとつですから、ほかの具体的なことも沢山、知っています。
 また一方で、国会議員の実際の仕事ぶりも、現場で精確に、知っています。
 だからタレントの方々の中には、収入の激減と、意外にも議員特権というやつが無いことに愕然として、任期途中で投げ出して辞めていく議員も居たのです。・

 この議員特権というもので言うと、たとえば新幹線のパスがあります。
 これは公務のためにだけ使われるべきです。ところがチェックがありません。これは良くないです。ぼく自身は、純然たる公務以外には絶対に使いません。何もチェックはありません。それは全く関係ありません。
 純然たる、というのは、公務の範囲をみずから厳しく、狭く、判断することを指します。
 長い盟友の古屋圭司・元拉致問題担当大臣と一緒に、議連 ( 議員連盟 ) の仕事で新幹線に乗ったとき、ぼくがパスを使わないでいると、「青山さん、それは誤解だよ。これはタダ券ではなく、われわれはあらかじめ、おカネをまとめて払っている。しかもこれは議連の出張だから、公務だよ」と仰いました。
 それは事実でしょう。
 しかし、ぼくはあえて、基準をみずから厳しくしているだけです。だからほかの議員には、干渉しません。ぼくの生き方としては、そしてテストケースとして、このやり方を選んでいるだけです。

▼あらためて、申しましょう。
 ぼくがその「テストケース」としてやっている、政治献金無し、政治資金パーティ無し、後援会無し、後援会長無し、支持団体無し、休み一切無しの議員生活に、共鳴して国会議員になってくれるひとが今後いるとして、そのひとが任期途中で議員を辞するとしたら、それは同僚議員や官僚が理由では、決して無いでしょう。
 嫌な世の中だから。
 それが理由になるでしょう。

 ぼく自身は、どれほど嫌なことがあっても、絶対に、任期途中で投げ出すことはしません。
 同時に、日々、まさしく嫌な思いをしているのも事実です。
 主としてネット上の意図的、組織的な中傷誹謗、宣伝工作は、中国共産党の資金援助も含めて絶え間なく、まさしく不眠不休で行われています。ご苦労なことです。
 これには嫌な思いなどしません。ぼくの決意と覚悟をさらに固めさせるだけです。

 しかし、おのれが命をがりがり削って支えようとしている主権者の内側から、あー、これかぁ、というものが来ると、嫌な思いをします。
 今日は日曜です。
 議員になる前から、不肖ぼくには土日祝日はありませぬ。仕事です。周りはみな、それを良く知っています。
 だけど日曜はいわば、孤独な仕事が多いです。明日の月曜日、国会が召集される日に国会議事堂へ行けば、沢山の議員、行政官、記者らに触れます。いわば気も紛れます。きょうの日曜はずっと、このまま嫌な気持ちがこゝろの隅、いや、こゝろの底で続くでしょう。
 ぼくは心身とも、ありのままに申してタフです。特にこの頃は、鋼(はがね)になっているとも感じます。しかし嫌な思いというのは、哀しいことです。
 
 ぼくは負けません。任期途中で投げ出すという選択肢は、ありません。
 けれども、後続の人材には、「こんなことを言われる、こんな曲解をされる、それなら元の仕事に戻ろう」ということも起きるでしょう。
 それが、ぼくのもっとも重大な懸念の、ひとつです。

 このエントリーをほんとうにアップするかどうか、じっくり考えてから、決めます。
 やがて夜が明けます。






 
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