On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-02-06 04:19:52
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【推敲しました】 おのれを励ましてでも憤激せねばならないときはあります・・・中国が武力で尖閣諸島を狙う悪法「海警法」と対峙した5日間



▼かつて関西テレビの報道番組「スーパーニュース・アンカー」の水曜版に参加していたころ、新大阪の駅で「あ、いつも怒ったはるひとや」と、ぼくの大好きな、いわゆる大阪のおばちゃんの軍団に親しく声を掛けられ、半袖の腕をつかまれ、「ごりやく、ごりやく」と、さすられたりしたことがありました。
 わはは。
 ふだんのぼくはまったく怒らないので、あ~、アンカーのおかげで「いつも怒ったはるひと」になってしまったなと多少は、複雑な心境でした。
 しかし、ま、毎週毎週、せめて憤激を持って向かい合わないと政府や世の中が変わらないと覚悟を決めて、大阪に行っていました。
 だから、この、こゝろのぬくもりが伝わるような歓迎にすこし感激もしました。
 あの明るく強い軍団のある限り、すくなくとも大阪は大丈夫という気すら、します。

 これが9年半、続いたわけです。
 9年半も続いた番組が終わるとき、『もうこれで怒らないで済むかなぁ』と、内心でちょっとホッとしたりもしました。
 まさかそのあとに、今度は国会議事堂や自由民主党本部で、憤激せねばならない日が来るとは、夢にも思いませんでした。

 ひとりで憤激しているならまだしも、ひとさまにあえてその憤激を見せねばならなかった日は、ほんとうに、げっそり疲れます。暮夜、落ち込みます。本音は、怒るのは凄くツライです。

▼1枚目の写真は、おととい2月4日木曜の夕刻から夜にかけて開かれた、自由民主党の国防部会・安全保障調査会の合同会議です。
 垂れ目なので、顔はそうはみえないかも知れませんが、声は励まして憤怒が入っています。
 今週の2月1日月曜に、中国が海警法なるものを施行してから金曜までの平日5日間は、日本のみならずアジアの安全保障を左右し、安全保障のみならず人間の自由や尊厳を左右する5日間でした。

▼それはゆうべ2月5日金曜の深夜にアップした「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」第101回放送でも、述べたとおりです。
 この放送を視ていただいて、みなさんと一緒に考えたいのですが、1回分の動画の限られた時間で述べたことだけではありません。
 敗戦後76年間の日本のすべての日々、特に、自由民主党を軸にした政 ( まつりごと ) の根っこからの歪みを、このまま放置していてよいのかと、自由意志で部会に参加されている全議員のみなさんと、義務として出席されている行政官 ( 官僚 ) のみなさんに、ぼくなりに懸命に呼びかけています。
「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」のこのあとの収録 ( 2月9日火曜以降 ) で、さらに詳しく話します。



▼この2枚目の写真は翌日、2月5日金曜の朝に、再び開かれた、国防部会・安保調査会の合同会議です。
 防衛をめぐる重大課題が多すぎて、異例の2日連続開催になったわけです。
 大塚国防部会長や小野寺安保調査会長の努力に敬意と感謝を表します。
 最初はふつうに、こうやって話していたんです。
 ところが・・・



・・・やがてぼくは、前日と同じく、自分の意思で集まられた各議員のみなさんに向かって話していました。
 その全議員の背後に主権者がいらっしゃるのです。
 現状打破、これまでの政治の常識の打ち壊し、それを訴えないわけにいきませんでした。



▼そして、この4枚目の写真はその国防部会の直後に開かれた、外交部会・外交調査会の合同会議です。
 ぼくが目線を向けているのは、外務省の行政官 ( 官僚 ) 、ある参事官です。

 なんと、前日夜の国防部会で配布された防衛省の資料には、日英の会議 ( いわゆる2プラス2。日本とイギリス両国の外務大臣と防衛大臣が一緒に議論するので、2人vs2人という意味 ) で、中国の悪法「海警法」が議論されたことが入っているのに、この外交部会で外務省が配布したメインの資料では、それが何も書かれていないのです。
 たまたま前夜の国防部会には参加できなくてこの外交部会だけ参加している議員なら、「あ、イギリスとは中国の海警法については議論しなかったんだ」と誤認する怖れが強いのです。

 ぼくは、ほんとうに憤激しました。
 安倍政権が終わって菅政権になってから、外務省はこの『中国隠し』が常態化しているからです。
 初めてのことなら、単なるミスの可能性も考えますし、絶対にいきなり怒ったりはしません。
 しかし明々白々に確信犯です。
 確信的に国民への罪を重ねる累犯です。
 なぜなら、つい最近の一例でも、日米電話首脳会談という重大な会談をめぐって、外務省は国会議員への配布資料で、中国についても話し合われたことを隠したばかりです。
 以前の外交部会の席上で、アメリカ側がふつうに全世界へ公表した短い資料に、中国問題も議論したことが明記されていることを指摘し、外務省はいわば公式に謝罪したばかりです。

 その直後に、これです。
 外務省は当然、前夜の国防部会とこの外交部会の両方に参加している議員がいることも想像がついているでしょう。
 国会議員も、その背後の主権者をも愚弄してまで、中国をあたかも守るがごとしです。
 いくら何でも酷すぎます。

 視線の先の、外務省のある参事官は、ぼくを見返しています。ありのままの印象をそのまま申せば、へらへらしているとしか表現のしようがありません。
 ぼくは噴火しました。
「あなたね、わたしを見返しているけれど、外務省がこの外交部会、外交調査会を愚弄しているとしか言いようがない。許しません」
 マスク越しながら、言葉が命の国会議員として、おのれの声を励まし立ち向かいました。
 部会の部屋は静まりかえりました。
 その直後に質問に立った議員は「緊迫した状況です。外交部会を舐めている」と冒頭に仰いました。

 このあと公平な部会運営をされる佐藤正久部会長も「その通りだ」と後押しされました。
 するとこの外務省幹部は「別添の詳しい資料には、中国の海警法のことも書いています」と弁明しました。
 つまり、あまりに当たり前ながら外務省も『日英の2プラス2で海警法が議題になっている』ことをきちんと認識しながら、メインの資料から省いたということを、みずからそれに気づかないまま、告白したに等しいのです。

▼外務省のこの、先祖返りはいったい何なのか。
 外務省の、さらにその中のチャイナ・スクールにも、良心派の外交官はいます。
 それがぼくらの祖国の救いです。
 良心派とも連携しつつ、ぼくは後難を恐れず、地上の何者も恐れず、ただ天だけを畏怖して、これからも戦います。
 安倍政権を見送ったら、あっという間に起きた外務省の変化。そのほんとうの理由の奥の奥まで踏み込んでいきます。

 ( 4枚の写真はすべて、杉田水脈代議士が自発的に撮ってくださいました。ぼくはいずれもまったく気づきませんでした。おかげで現場の空気を、主権者にお伝えできます。感謝しています )

【追記】ゆうべアップした「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の第101回放送にて、海上保安庁の超大型巡視船について「2隻」と言っていますが、これは「沿岸警備の巡視船についての本来の常識からすると超大型といえる巡視船の建造を、あえて進めることを2隻から始めて・・・」という意味です。超大型巡視船の海保の勢力のすべてを意味していません。
 時間を急いだために、舌足らずになっていますね。いつものように噛み砕くことが、収録の終盤などで出来ていないところがあると考えます。視聴者にお詫びします。ただし今回は、訂正ではありませぬ。
 



 
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