2021-09-22 17:06:50
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総裁選における護る会の質問書に対する回答 (b) 高市候補
▼回答は、届いた順に公表します。
次に高市早苗候補の回答の全文です。( すべて原文のまま )
令和3年9月16日
日本の尊厳と国益を護る会(護る会)御中
護る会のお尋ねにお答えします
衆議院議員 高市早苗
A.【三本柱についてのお尋ね】
1.護る会は、天皇陛下のご存在をお護りするために、父系一系による皇位継承を安定させる仕組みをつくることを提案しています。
現況は、旧宮家からの皇統復帰を中心に置く提言書を、歴代総理に手交済みです。この課題をいかがお考えでしょうか。
護る会は女系天皇や、それに繋がる女性宮家の創設に反対しています。それについても具体的に言及しつつ、お答えを願います。
→ 皇統とは、天皇陛下の権威と正統性の源です。また国家の安定感と国民の誇りを支え続けるのが皇統でもあります。
私は日本を「美しく、強く、成長する国」にすることを根幹の目標として掲げています。それには経済力だけでは足りません。文化と伝統の力も大切です。
皇室の問題については、有識者会議の結論を注視していきますが、その有識者会議の議論にも明示されている「皇族の養子縁組を可能にし、男系男子が皇族となれる」案を基本的に支持します。
私自身、今年5月に護る会(日本の尊厳と国益を護る会)に入会しており、護る会が安倍総理(当時)、菅総理に提出した提言書を支持しています。
その提言書にも、旧宮家から、希望していただける男子には養子縁組などを通じて皇室にお戻りいただける案が具体的に明記されていることが重要です。
また女系天皇と、それに繋がる女性宮家の創設には、護る会の一員として反対します。
2.護る会は、中国・韓国をはじめ外国による国土侵蝕を阻止し、国土を回復することを提案しています。
現況は、第一歩となる重要土地調査・規制法が成立、これを基に前進する段階です。この課題をいかがお考えでしょうか。
→ 私は、国の究極の使命は「国民の皆様の生命と財産」を守り抜くこと、「国家の主権と名誉」を守り抜くこと、「領土・領海・領空・資源」を守り抜くことにあると考えています。
この考えに基づいて、私は野党時代であっても、自衛隊基地周辺や国境離島の港湾部など国防上重要な土地について、外国資本等による買収に歯止めをかける為の法整備に取り組むことを決め、2011年2月には、新勉強会を発足させました。それが、「安全保障と土地法制を研究する議員の会」です。
私はその際、以下のことを深く考えました。
外国人や外国法人に限って日本での土地取得を禁止することは、複数の2国間投資協定に違反する上、WTOのGATS違反にもなります。
また、外国人や外国法人に限って日本での土地取得を禁止する法律を作ったとしても、某国が本気で日本の国防上重要な土地を取得しようと考えたなら、同胞の1人を日本に帰化させて取得させることも可能ですし、実態は外資である日本法人を設立して取得させることも可能ですし、国防上重要な土地を既に取得した日本法人を買収することも可能です。抜け道が多過ぎます。
そこで、「安全保障土地法案(仮称)」の概要を作成するに至ったのです。
条約違反と法の抜け道の問題をクリアする為に、国籍を問わない組み立てにしました。国防上、特に重要な土地については「国有化」を進めることを基本に、場所によっては使用目的に基準を置いた「許可制」の導入を盛り込みました。
一方、同年2011年4月には森林法改正の実現に繋げました。これによって外国資本による森林買収に実効性のある歯止めを掛けることができました。
自民党が与党に復帰すると政調会長となり、党の正式機関として「安全保障と土地法制に関する特命委員会」を設置し、およそ10年のあいだ、歴代の特命委員長を中心に議論を続け、ついに2021年の通常国会で「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」が成立しました。
これは画期的な歩みですが、中国の国防動員法を精査すると、非常時に日本企業の資産や施設が中国軍に徴用される危険性まであることが分かります。
今後とも、努力を続けて参ります。
3.護る会は、日本のインテリジェンス能力を高め、いわゆるスパイ防止法を制定することを提案しています。
現況は、これに関連する経済安全保障の17か条を政府に提示しています。
この課題をいかがお考えでしょうか。
→ 経済安全保障の強化は、まさしく私の政策の中心のひとつです。
これは、深刻な「中国リスク」を踏まえて取り組まねばなりません。日本国内であっても、中国共産党の党員が3人以上いる企業や学校や研究所では、中国の「会社法」と「中国共産党規約」に従って、中国共産党組織を設置しなければならないことになっています。
こうした組織が、日本の先進技術や機微技術の流出拠点となる懸念も大きいのです。
まずは、我が国の独立と生存及び繁栄を経済面から確保するという観点から、経済安全保障戦略の早急な策定に取り組みます(形式は、独立したもの、または「国家安全保障戦略」に組み込むもので考えています。)。その上で、特に次の2つの制度作りに取り組みます。
第1に「国家安全保障・投資法」の制定です。外国為替及び外国貿易法などの既存の8本の法律を統括し、政令によって対象分野の追加を容易にするべきです。
また、外資による企業買収・合併や外国企業を買収・合併する場合のルールの策定と、審査体制の強化を行います。
さらに、安全保障貿易管理規程を整備し、その運用体制を強化します。
第2には、経済安全保障包括法の制定です。
現在の不正競争防止法では、日本の学術機関の研究成果が外国政府や軍に利用されることを防ぎ切れません。
新しい包括法では、まず、研究申請窓口の一元化を行い、先端技術・機微技術・戦略物資の研究を行っている学術機関・研究機関・企業を国が把握する法的根拠を作ります。
さらに包括法には、研究者や社員に対する秘密保全義務を罰則付きで規定します。さらに引き抜き防止のために、日本人研究者・技術者やOBの処遇改善と活躍の場の確保も行います。
日本の安全保障に資する研究に対しては、長期に多額の研究開発支援を行える制度も、この包括法に明記します。
この法が包括法であるために複数の法律を改正できることを活用し、特許制度の見直しも行います。軍事転用可能な技術を指定し、非公開にして中国軍や北朝鮮軍に悪用される恐れをなくすために「秘密特許」を可能とします。
B.【目前の重大課題についてのお尋ね】
1.中国の武漢から始まった感染症は、日本国民と世界の民の命を奪い、生活と絆を破壊し続けています。政府の緊急事態宣言をはじめとする対応は、充分な効果を挙げているとはとても言えません。ワクチン接種も自治体での接種や職域接種が積極的に行われようとするときにワクチン供給が滞るなど遅れの問題が解消されたとは言えません。
高市候補が総理総裁となられれば、感染症を一日も早く収束させるために、いかなる対策を、失敗の教訓も踏まえて執られるでしょうか。
→ まず思い切って国費を投入し、病床や医療従事者の確保、宿泊療養先となるホテルや旅館の借り上げをさらに進めます。
また、飲食業や宿泊業のみならず幅広い事業者に深刻な影響が出ています。
私は同志議員と共に、2021年5月に菅総理に提言書を提出しました。その主な内容は「コロナ禍前の令和元年度の課税所得と2年度課税所得の差額の8割を、還付金用口座に振り込む」、「小規模事業者には、100万円と200万円の持続化給付金を再支給する」、「生活困窮者に、特別定額給付金10万円を再支給する」ことです。これらの内容を新政権発足時の状況と照らし合わせて、実行すべきものをすぐに実行します。そのためには、必要な財政出動を可能とする補正予算の編成を急ぎます。
さらに、「消費急増期」への対応が必要です。
特に地方におかれては、「選ばれる商品・サービス」の準備を行い、地域資源を再評価して地域に人を呼び込む準備を進めておくことが必要ですから、これを支援します。
2.この感染症によるパンデミックは、日本国民の仕事をも不当に奪い、経済全体が「需要の一気消滅」といったかつてない壊滅的打撃を受けています。
政府は生活への直接支援、あるいは中小零細企業をはじめ産業支援を遂行してきました。しかし生活苦に直面する国民は多く、格差は拡大し、産業も業種による状況の差が大きくなっています。
高市候補が総理総裁となられれば、これらを急速に克服するために、いかなる新規対策を執られるでしょうか。
→ 確かに、雇用の減少、生活困窮者の増加、事業者の経営難への対応など、当面の社会活動の下支えが最優先となります。
国が、地方創生臨時交付金で強力に支援することに加えて、地方自治体がこの交付金を、事業主体を減らさないための施策に優先的に活用するという新しい姿勢が必要ですから、迅速に事業者に支給されるよう、地方自治体と連携します。
そして、「重症者数・死亡者数の極小化」、「自宅療養者数の減少」に重点を置き直します。
現在は海外生産に依存している治療薬について国産体制を整えます。あわせて、緊急時に新薬を迅速に実用化できる薬事承認制度を確立します。
また、訪問医療を含む、感染症対応医療機関への財政支援を強化します。
また私が提唱している「危機管理投資」は、感染症の発生や大規模災害といった緊急時にも「生活・医療・衛生・産業に必要な物資」を国内で生産・調達することを可能にするものですから、生産協力企業への設備投資支援、研究開発・生産拠点の国内回帰を促す税財政支援、基礎的原材料の確保という新規政策を盛り込むことになります。
3.パンデミックは、今や変異株によって若い命をも奪い、保育園から大学・大学院に至るまで教育現場にかつてない危機と困難をもたらしています。この事態への対策も、行き届いているとはとても言えません。
国の未来を担う国民を直ちに救うために、高市候補が総理総裁となったとき、いかに有効な策を遂行されるでしょうか。
→ 今回の新型コロナのパンデミックにより、こどもや若者が、安全に安心して教育を受ける場を確保することの困難性が明らかになりましたが、これをむしろチャンスとして、どのような状況においても子供の学びを確保する環境の整備・構築を進めます。
たとえば、ギガスクール構想のものと、今年の4月から、小中学校における一人一台端末環境下での学びが本格的にスタートしましたが、ICTの本格的導入により、オンラインも活用した新しい教育の在り方を充実させていきます。
しかしながら、教育の成果をより上げるには、対面での授業も欠かせません。そのためには、生徒・学生らに対するワクチン接種の円滑化と、マスク・手洗い・消毒・トイレでの感染防止など保育・教育現場での予防対策をあらためて徹底という基本的事項も当然進めなければならないと考えています。
中長期的には、教育のデジタル化をさらに推進させるためには、デジタル人材の育成が欠かせません。
そのため、AI教育の導入が重要です。高校において、AI技術を理解する上で欠かせない線形代数(行列)を数学において復活させるとともに、大学のカリキュラムにおいては、デジタル人材の育成のためにソリューションの提供をめぐる教育を、理系、文系を問わず充実させます。
さらに高専や専門高校の拡充と、実業志向の大学への編入拡大など、進学ルートをこの際、増やすべきです。
4.総体に、危機への弱さがあらためて露呈した日本を、国家危機管理が強靱な日本に変えるための策を、高市候補はいかにお持ちでしょうか。
→ 今後の国家危機管理を考えるときに、海外からのサイバー攻撃が激増している現実を踏まえることが不可欠です。
国民の生命や金融資産、個人情報を守り抜くために、特に航空、鉄道、自動車、医療、電力、ガス、水道、金融、クレジットなどの分野におけるサイバー防御体制の樹立と高度化を急ぎます。
迅速な攻撃者特定や反撃に必要な法制度の整備にも取り組みます。
そして、情報を安全にやり取りできる量子暗号通信技術の研究開発や社会実装を急ぎ、それに応じた「高度セキュリティ人材」の育成を急ぎます。
尖閣諸島などの危機に対しては、中国の「海警法」に対応できるよう海上保安庁法の改正に取り組みます。
さらに、新たな有事の態様に対応できる国防体制を構築します。衛生、サイバー、電磁波、無人機、極超音速兵器といったゲームチェンジャーに対応し、また迅速な敵基地無力化を可能にする法制度の整備、訓練と装備の充実、防衛関連研究費の増額に注力します。
(了)
次に高市早苗候補の回答の全文です。( すべて原文のまま )
令和3年9月16日
日本の尊厳と国益を護る会(護る会)御中
護る会のお尋ねにお答えします
衆議院議員 高市早苗
A.【三本柱についてのお尋ね】
1.護る会は、天皇陛下のご存在をお護りするために、父系一系による皇位継承を安定させる仕組みをつくることを提案しています。
現況は、旧宮家からの皇統復帰を中心に置く提言書を、歴代総理に手交済みです。この課題をいかがお考えでしょうか。
護る会は女系天皇や、それに繋がる女性宮家の創設に反対しています。それについても具体的に言及しつつ、お答えを願います。
→ 皇統とは、天皇陛下の権威と正統性の源です。また国家の安定感と国民の誇りを支え続けるのが皇統でもあります。
私は日本を「美しく、強く、成長する国」にすることを根幹の目標として掲げています。それには経済力だけでは足りません。文化と伝統の力も大切です。
皇室の問題については、有識者会議の結論を注視していきますが、その有識者会議の議論にも明示されている「皇族の養子縁組を可能にし、男系男子が皇族となれる」案を基本的に支持します。
私自身、今年5月に護る会(日本の尊厳と国益を護る会)に入会しており、護る会が安倍総理(当時)、菅総理に提出した提言書を支持しています。
その提言書にも、旧宮家から、希望していただける男子には養子縁組などを通じて皇室にお戻りいただける案が具体的に明記されていることが重要です。
また女系天皇と、それに繋がる女性宮家の創設には、護る会の一員として反対します。
2.護る会は、中国・韓国をはじめ外国による国土侵蝕を阻止し、国土を回復することを提案しています。
現況は、第一歩となる重要土地調査・規制法が成立、これを基に前進する段階です。この課題をいかがお考えでしょうか。
→ 私は、国の究極の使命は「国民の皆様の生命と財産」を守り抜くこと、「国家の主権と名誉」を守り抜くこと、「領土・領海・領空・資源」を守り抜くことにあると考えています。
この考えに基づいて、私は野党時代であっても、自衛隊基地周辺や国境離島の港湾部など国防上重要な土地について、外国資本等による買収に歯止めをかける為の法整備に取り組むことを決め、2011年2月には、新勉強会を発足させました。それが、「安全保障と土地法制を研究する議員の会」です。
私はその際、以下のことを深く考えました。
外国人や外国法人に限って日本での土地取得を禁止することは、複数の2国間投資協定に違反する上、WTOのGATS違反にもなります。
また、外国人や外国法人に限って日本での土地取得を禁止する法律を作ったとしても、某国が本気で日本の国防上重要な土地を取得しようと考えたなら、同胞の1人を日本に帰化させて取得させることも可能ですし、実態は外資である日本法人を設立して取得させることも可能ですし、国防上重要な土地を既に取得した日本法人を買収することも可能です。抜け道が多過ぎます。
そこで、「安全保障土地法案(仮称)」の概要を作成するに至ったのです。
条約違反と法の抜け道の問題をクリアする為に、国籍を問わない組み立てにしました。国防上、特に重要な土地については「国有化」を進めることを基本に、場所によっては使用目的に基準を置いた「許可制」の導入を盛り込みました。
一方、同年2011年4月には森林法改正の実現に繋げました。これによって外国資本による森林買収に実効性のある歯止めを掛けることができました。
自民党が与党に復帰すると政調会長となり、党の正式機関として「安全保障と土地法制に関する特命委員会」を設置し、およそ10年のあいだ、歴代の特命委員長を中心に議論を続け、ついに2021年の通常国会で「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」が成立しました。
これは画期的な歩みですが、中国の国防動員法を精査すると、非常時に日本企業の資産や施設が中国軍に徴用される危険性まであることが分かります。
今後とも、努力を続けて参ります。
3.護る会は、日本のインテリジェンス能力を高め、いわゆるスパイ防止法を制定することを提案しています。
現況は、これに関連する経済安全保障の17か条を政府に提示しています。
この課題をいかがお考えでしょうか。
→ 経済安全保障の強化は、まさしく私の政策の中心のひとつです。
これは、深刻な「中国リスク」を踏まえて取り組まねばなりません。日本国内であっても、中国共産党の党員が3人以上いる企業や学校や研究所では、中国の「会社法」と「中国共産党規約」に従って、中国共産党組織を設置しなければならないことになっています。
こうした組織が、日本の先進技術や機微技術の流出拠点となる懸念も大きいのです。
まずは、我が国の独立と生存及び繁栄を経済面から確保するという観点から、経済安全保障戦略の早急な策定に取り組みます(形式は、独立したもの、または「国家安全保障戦略」に組み込むもので考えています。)。その上で、特に次の2つの制度作りに取り組みます。
第1に「国家安全保障・投資法」の制定です。外国為替及び外国貿易法などの既存の8本の法律を統括し、政令によって対象分野の追加を容易にするべきです。
また、外資による企業買収・合併や外国企業を買収・合併する場合のルールの策定と、審査体制の強化を行います。
さらに、安全保障貿易管理規程を整備し、その運用体制を強化します。
第2には、経済安全保障包括法の制定です。
現在の不正競争防止法では、日本の学術機関の研究成果が外国政府や軍に利用されることを防ぎ切れません。
新しい包括法では、まず、研究申請窓口の一元化を行い、先端技術・機微技術・戦略物資の研究を行っている学術機関・研究機関・企業を国が把握する法的根拠を作ります。
さらに包括法には、研究者や社員に対する秘密保全義務を罰則付きで規定します。さらに引き抜き防止のために、日本人研究者・技術者やOBの処遇改善と活躍の場の確保も行います。
日本の安全保障に資する研究に対しては、長期に多額の研究開発支援を行える制度も、この包括法に明記します。
この法が包括法であるために複数の法律を改正できることを活用し、特許制度の見直しも行います。軍事転用可能な技術を指定し、非公開にして中国軍や北朝鮮軍に悪用される恐れをなくすために「秘密特許」を可能とします。
B.【目前の重大課題についてのお尋ね】
1.中国の武漢から始まった感染症は、日本国民と世界の民の命を奪い、生活と絆を破壊し続けています。政府の緊急事態宣言をはじめとする対応は、充分な効果を挙げているとはとても言えません。ワクチン接種も自治体での接種や職域接種が積極的に行われようとするときにワクチン供給が滞るなど遅れの問題が解消されたとは言えません。
高市候補が総理総裁となられれば、感染症を一日も早く収束させるために、いかなる対策を、失敗の教訓も踏まえて執られるでしょうか。
→ まず思い切って国費を投入し、病床や医療従事者の確保、宿泊療養先となるホテルや旅館の借り上げをさらに進めます。
また、飲食業や宿泊業のみならず幅広い事業者に深刻な影響が出ています。
私は同志議員と共に、2021年5月に菅総理に提言書を提出しました。その主な内容は「コロナ禍前の令和元年度の課税所得と2年度課税所得の差額の8割を、還付金用口座に振り込む」、「小規模事業者には、100万円と200万円の持続化給付金を再支給する」、「生活困窮者に、特別定額給付金10万円を再支給する」ことです。これらの内容を新政権発足時の状況と照らし合わせて、実行すべきものをすぐに実行します。そのためには、必要な財政出動を可能とする補正予算の編成を急ぎます。
さらに、「消費急増期」への対応が必要です。
特に地方におかれては、「選ばれる商品・サービス」の準備を行い、地域資源を再評価して地域に人を呼び込む準備を進めておくことが必要ですから、これを支援します。
2.この感染症によるパンデミックは、日本国民の仕事をも不当に奪い、経済全体が「需要の一気消滅」といったかつてない壊滅的打撃を受けています。
政府は生活への直接支援、あるいは中小零細企業をはじめ産業支援を遂行してきました。しかし生活苦に直面する国民は多く、格差は拡大し、産業も業種による状況の差が大きくなっています。
高市候補が総理総裁となられれば、これらを急速に克服するために、いかなる新規対策を執られるでしょうか。
→ 確かに、雇用の減少、生活困窮者の増加、事業者の経営難への対応など、当面の社会活動の下支えが最優先となります。
国が、地方創生臨時交付金で強力に支援することに加えて、地方自治体がこの交付金を、事業主体を減らさないための施策に優先的に活用するという新しい姿勢が必要ですから、迅速に事業者に支給されるよう、地方自治体と連携します。
そして、「重症者数・死亡者数の極小化」、「自宅療養者数の減少」に重点を置き直します。
現在は海外生産に依存している治療薬について国産体制を整えます。あわせて、緊急時に新薬を迅速に実用化できる薬事承認制度を確立します。
また、訪問医療を含む、感染症対応医療機関への財政支援を強化します。
また私が提唱している「危機管理投資」は、感染症の発生や大規模災害といった緊急時にも「生活・医療・衛生・産業に必要な物資」を国内で生産・調達することを可能にするものですから、生産協力企業への設備投資支援、研究開発・生産拠点の国内回帰を促す税財政支援、基礎的原材料の確保という新規政策を盛り込むことになります。
3.パンデミックは、今や変異株によって若い命をも奪い、保育園から大学・大学院に至るまで教育現場にかつてない危機と困難をもたらしています。この事態への対策も、行き届いているとはとても言えません。
国の未来を担う国民を直ちに救うために、高市候補が総理総裁となったとき、いかに有効な策を遂行されるでしょうか。
→ 今回の新型コロナのパンデミックにより、こどもや若者が、安全に安心して教育を受ける場を確保することの困難性が明らかになりましたが、これをむしろチャンスとして、どのような状況においても子供の学びを確保する環境の整備・構築を進めます。
たとえば、ギガスクール構想のものと、今年の4月から、小中学校における一人一台端末環境下での学びが本格的にスタートしましたが、ICTの本格的導入により、オンラインも活用した新しい教育の在り方を充実させていきます。
しかしながら、教育の成果をより上げるには、対面での授業も欠かせません。そのためには、生徒・学生らに対するワクチン接種の円滑化と、マスク・手洗い・消毒・トイレでの感染防止など保育・教育現場での予防対策をあらためて徹底という基本的事項も当然進めなければならないと考えています。
中長期的には、教育のデジタル化をさらに推進させるためには、デジタル人材の育成が欠かせません。
そのため、AI教育の導入が重要です。高校において、AI技術を理解する上で欠かせない線形代数(行列)を数学において復活させるとともに、大学のカリキュラムにおいては、デジタル人材の育成のためにソリューションの提供をめぐる教育を、理系、文系を問わず充実させます。
さらに高専や専門高校の拡充と、実業志向の大学への編入拡大など、進学ルートをこの際、増やすべきです。
4.総体に、危機への弱さがあらためて露呈した日本を、国家危機管理が強靱な日本に変えるための策を、高市候補はいかにお持ちでしょうか。
→ 今後の国家危機管理を考えるときに、海外からのサイバー攻撃が激増している現実を踏まえることが不可欠です。
国民の生命や金融資産、個人情報を守り抜くために、特に航空、鉄道、自動車、医療、電力、ガス、水道、金融、クレジットなどの分野におけるサイバー防御体制の樹立と高度化を急ぎます。
迅速な攻撃者特定や反撃に必要な法制度の整備にも取り組みます。
そして、情報を安全にやり取りできる量子暗号通信技術の研究開発や社会実装を急ぎ、それに応じた「高度セキュリティ人材」の育成を急ぎます。
尖閣諸島などの危機に対しては、中国の「海警法」に対応できるよう海上保安庁法の改正に取り組みます。
さらに、新たな有事の態様に対応できる国防体制を構築します。衛生、サイバー、電磁波、無人機、極超音速兵器といったゲームチェンジャーに対応し、また迅速な敵基地無力化を可能にする法制度の整備、訓練と装備の充実、防衛関連研究費の増額に注力します。
(了)