On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-09-30 01:18:51
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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【大幅に推敲しました】【もう一度、推敲しました】  総裁選の隠された、重大な意義  そして5刷となりました

▼わずか1年まえの前回の総裁選では、皇位継承のあり方が争点として扱われること自体、考えられないことだったのです。
 それも、1年まえに「自分で立つしかない」と、総裁選への立候補を覚悟した理由のひとつでした。

▼今回の総裁選は、ほんとうは驚くほかない、様変わりですよね。

 女系天皇を容認する発言をされていた河野候補が、みずから望まれて議員会館の青山繁晴事務所へお出でになり、「女系容認論者ではありません」と語られました。
 高市候補がしっかりと男系 ( 父系 ) 一系によって天皇陛下のご存在をお護りする意思を明示されたり、たいへんな前進でした。
 さらに野田さんも、護る会の質問状への回答のなかで、こうお答えになりました。
「女系天皇については、私としては今の皇室の在り方を根本的に変えてしまうことになるので考えに含めておりませんが、国民が判断する選択肢としては排除されないものと思います」

▼そして「女系天皇はあってはならない」と明言された岸田候補が、総理総裁となられます。
 みなさん、この総裁選になるまでは、岸田文雄・元政調会長から、このような発言を聴いたことがありませんね ?

 河野さんは、その女系天皇容認の発言を懸念した護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) と討論することをいったん、お受けになったあと、約束をキャンセルされたままになっていたのです。
 高市さんも、総裁選になるまで、父系一系についてここまで明確に発言されたことが、あったでしょうか。どこかであったかも知れません。しかし、皇位継承について常にアンテナを高く掲げているぼくであっても、聞いたことが無かったのです。
 野田さんも、女系天皇について「私としては今の皇室の在り方を根本的に変えてしまうことになるので考えに含めておりません」という発言が出るとは、総裁選になるまでは、ちょっと考えられませんでした。

▼ぼくらの祖国、わたしたちの日本の根幹の根幹が、民を宝として、民のために祈られ続ける天皇陛下のご存在です。
 それをお護りするうえで、実は極めて重要な前進があったのが、この総裁選でした。

▼しかし、油断はとてもできませぬ。
 みなさんも、岸田新総裁、実質的には新総理がほんとうに父系一系による皇位継承を確立されるかどうかを、どうか一緒に目を光らせていただきたいのです。

 日本社会はいまだ、大半の主権者・国民が、女性天皇と女系天皇の違いすらご存じありません。
 主権者・国民のせいではなく、学校が事実上のタブーにして、一切、何も教えないからです。
 そのタブーが、次期総理選びで争点になるとは、想像もできなかったことでした。
 オールドメディアは、それでも、この意義をほぼ語ることがありません。
 したがって、総裁選が終わってしまえば、またぞろ、女系天皇容認論や、「愛子さま(正しくは愛子内親王殿下)が即位されればいいじゃない」という俗論がどっと主流を占めようとする動きが出てくる怖れは強いのです。

▼なにより、国民が真実を簡便に、苦労しないで知ることが大切です。
 そのために2年がかりで、マンガの原作を初めて書きました。公務の合間、つまりは真夜中から明け方にかけて書くしかありませんし、日本書紀、古事記をもう一度、すべて最初から最期まで読み解くことも不可欠でした。
 正直、苦しかったです。
 しかしようやく原作が完成し、尊敬する弘兼憲史さんが、護る会の山田宏幹事長の紹介で会ってくださり、作画を受けてくださいました。
 ぼくが「現代日本でもっとも良心的な学者のおひとり」と考える、新田均・皇學館大学教授が丁寧に、誠実に全編を監修してくださいました。
 こうやって、みなさんのおかげで世に出た皇位継承まんがの『誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)』(扶桑社)です。たとえば、ここにあります。
 しかし、なかなか読んでもらえません。
 それでも、5刷になりました。
 増刷の1回分がとても少ないですから、遅々とした歩みではありますが、まさしく匍匐(ほふく)前進を続けています。

 みなさん、どうか、手に取ってください。周りのひと、子供たちと一緒に読んでくださいませんか。
 この総裁選では、敗戦後の日本が初めて手にした、天皇陛下のご存在をお護りするための土台となる議論ができました。
 それを再出発の起点に致したいのです。

▼さて、総裁選が終わったきょう、「青山さんが総裁選に立候補しようとして、高市さんに譲った、これはほんとうは総理になるつもりなど無くて、問題提起だけだったのでしょう?」という趣旨の書き込みもありました。
違います。
 7月28日に安倍前総理に決意を電話でお話ししたあと、もう一度、電話して「問題提起として立つのではありません。現実に、当選1回、閣僚経験無し、党四役無し、しかも ( 衆議院議員ではなく ) 参議院の全国比例の議員が総理になろうとしているのです」と念を押したのでした。
 安倍さんは「分かっています」という趣旨をお答えになりました。とても静かに仰いました。

 しかし高市さんの出馬意思を知ったあとは、高市さんと共通する部分のある支持層を割ることは絶対にできませんでした。高市さんのためにならず、国益にも反します。

 高市さんが、充分な支持を集められ、地歩を確立され、ほんとうに良かったと実感しています。
 それが、総裁選の終わった夜です。
 実は1年越しだった不肖わたしの総裁選が、ようやく終わりました。
 素晴らしい、いちにちでした。長い、いちねんの果ての、良き日でありました。高市総裁の誕生とはなりませんでしたが、高市さんのためにも日本のためにも実りがありました。



 
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