On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-11-01 19:09:03
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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日本ではF1パイロット初の国会議員  山本左近・新代議士、護る会新メンバーの印象に残るひとこと

▼かつて、自由民主党モータースポーツ議連の会合のときに、山本左近さん ( ぼくは左近ちゃんと呼んでいます。ひとつ前のエントリーを見てくださいね ) に、ひとつ、レースについて聴いてみたことがあるのです。
 ぼくが薫陶を受けた、かなり著名なレーシングドライバーが、かつて山本左近さんと同じレースに出ていた時期があったから。
「なぜ、左近ちゃんがF1にまで行けて、ぼくの先生は行けなかったのかな」

 山本左近さんの答えは実に簡明でした。
「あ、それは、度胸があるか無いかだけです」

 超高速でコーナーに入るときのブレーキングなども含まれるかも知れないけど、それはぼくの先生も負けないと思う。
 では、他車と競り合った時に、どこまで譲らず踏ん張るか、といったことかも知れない。
 いずれにしても、キーワードは、技術よりも腕よりも、度胸。

▼ぼくは下手なレーシングドライバーであると同時に下手なアルペンスキーヤーでもあるので、よく分かる。
 アメリカのスキー場は、未整地のトンデモ急斜面の入り口に、No Guts No Glory と書いた標識が立っています。
 あるいは、Ski on your risk とも。
 いずれも必ず、標識の色は、黒。
 決して「立ち入り禁止」とか「滑走禁止」とは書いてない。ましてや、ロープや柵で区切ったりしない。
「ガッツがあれば栄光あり」と書き、「あなた自身のリスクで滑れ」と書いてあるだけ。

 そして、見ていると、初級レベルに近いようなスキーヤーが何人も、きゃっほーという感じで叫びながら ( これは日本語。実際は何かの叫び声というしか分かりませぬ ) 、目の眩むような急斜面に飛び込み、当然ながら、あっという間にみな大転倒して、ちいさな雪崩ごと転落していきます。

 ぼくもそのあと、その斜面を滑りながら、よくまぁ、あの技術でこんな難斜面に飛び込むなぁと感心したのでした。
 そのとき、ふと、モータースポーツのことも考えました。つまりは度胸かな、と。
 だから、F1にまで駒を進めた左近ちゃんの言葉が、よく理解できたのです。
 これは、左近ちゃんに話してはいません。

▼というわけで、よき度胸と、怜悧な判断で、これからは、まつりごとのサーキットに進め、われらが左近ちゃん。
 ぼくと共に、また護る会と共に。





 
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