On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-11-10 04:58:49
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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不可解な中途半端は間違いです  現金とクーポンの支給に賛成できません  反対です


( 9月の総裁選で、新総裁に選ばれた直後の岸田・現総理の緊張感あふれるあいさつを、会場の一隅で聴き、撮りました。
 ほかの自由民主党幹部の表情も、厳しく引き締まっています。
 そのあとの総選挙を経て、ほんとうに主権者・国民のために働くのはこれからです。
 総裁選の初心、忘れるべからず。
 これは総理総裁から、ぼくのような当選1回の議員まで、にんげんとして基本的なことです。
 今回の支給をめぐる自公の合意は、その初心が生きているでしょうか。
 そうは到底、思えません )


▼自由民主党の現職の参議院議員として、真っ正面から申します、反対です。
「18歳以下へ、年内に現金5万円と、来春に5万円分のクーポン券」。
 一体なんでしょうか、この中途半端は。

▼この内容を自公の幹事長できのう11月9日に合意し、所得制限を設けるかどうかをさらに協議するそうですが、所得制限うんぬんの以前に、この合意内容に同意できません。
 また、これまで自由民主党の議員に、これを議論をする機会は誰にも、一切ありませんでした。
 今後に、自由民主党内の議論の場に掛けられるかとは思いますが、まずはひとりの与党議員であるわたしの主権者への責任として、反対を明確に述べておきます。

▼中国製の武漢熱によって、日本国民の生活、仕事、教育、文化、そして日本経済が大打撃を受けているのは事実です。
 このブログには「私の業界は増収増益だ。国民は困窮してない」という趣旨の長文の書き込みもいただきましたが、どんな危機にも逆に有利になる業界はあります。
 だからといって、追い込まれた国民に手を差し伸べない、まつりごとはあり得ません。その日本国民が多数、少数の問題ではないと、すくなくともわたしは考えます。民間の専門家時代から、変わりません。
 その意味で、岸田総理の仰る「分配」の必要性はあるとも考えます。
 しかし第1号がこれでは、先が思いやられます。

▼たとえば18歳以下という区分は何でしょうか。
 今のところ、同じ18歳でも大学生は含まない方向のようです。
 前述の通り、自由民主党の部会など平場での議論がまったく行われていないので、政府の内部から仄聞 ( そくぶん ) するだけですが、このような方向もおかしいです。
 近畿大学、東京大学の学生諸君への教育を通じて、大学生の武漢熱下の実態を存じていますが、アルバイトも対面授業も部活動も喪って、追い込まれている大学生は現に居ます。
 同じ18歳でも、大学生というだけでもしも排除するのなら、分配の実現どころか、むしろさらに追い込むことになるでしょう。若い国民のその精神が、深い部分で蝕まれる恐れもないとは、いったい政治家のどの口が言うのでしょうか。

▼分配を実践するのなら、逆累進性が明らかな消費税、すなわち所得の低いひとほど重くなる税である消費税を、まずは最低限8%に即、戻す、これが出発点だと考えます。
 岸田総理は『新しい資本主義』を掲げられ、総選挙もそれで戦われました。
 その中身、本質はいまだ明らかではありません。
 出発点が、今回の自公合意のような半端な中身では、新しい資本主義ではなく、腰引け自滅の資本主義になりかねません。





 
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