On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2021-11-21 22:01:49
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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(もう一度、推敲しました)   光はあるか


( 半年後にまさかの参院選出馬となるのも知らず、独立総合研究所の社長として出張し、日本の山々を照らす光の美しさに感動したときです。西暦2015年12月撮影 )


▼10月の総選挙の遊説中、ぼくは首の激烈な痛みと、声が潰れて戻らないことが、実はなかなかたいへんでした。
 また、少なくない候補者と、苦戦をそのまま共有していました。考えの違う候補者であっても、考えに一致するところのある候補者であれば、そうでした。

 後半戦あたりから、身体のなかで、あるポップスの一曲がちいさな音ながら、聞こえるようになりました。
 MCを務めていた音楽番組が終わって、早くも何か月も経ちます。こんなことは久しぶりでした。
 なんの曲だと思われますか?
 
▼その曲は、デビー・ブーンの ” You Light Up My Life ”です。
 これはもちろんラブ・ソングとして聴くこともできます。
 しかし総選挙のときは、そういう感じで聞こえていたのではありません。

▼この曲の詩をそのまま紹介すると、それがぼくの和訳であっても、著作権のことが気になります。
 古い曲です。だから著作権のことも、あらためて調べないと良く分かりませんが、とりあえず詩を引用することはしません。
 ただ、タイトルを直訳すると、「あなたは私の人生を照らしてくれる」ですね。
 デビー・ブーンは、その言葉を、曲のサビで気持ちを込めて歌い上げています。
 このYouを、ふつうに「あなた」と訳せば、ラブ・ソングです。
 しかし、もっと広い意味、あるいは高い存在と考えると、誰の人生にも、照らしてくれる光があるとも、聞こえる歌ではないでしょうか。

▼総選挙のさなか、さまざまな痛みと不安がぼくに伝わってきました。
 候補者とそれを支える人々の苦しさでもありましたが、なにより、遊説を聴きに集まってくださったみなさんの、不安、期待、そして、まだ癒えてはいない痛みだったのです。
 政治家に裏切られ続けてきたための痛みではないかと、思いました。
 そして総選挙後に、再び落胆している人の声をこのブログを通じて聞くにつれ、この歌がもう一度、聞こえるのです。

 綺麗ごとを言おうとしているのでは、ありません。
 利害を超えた連帯のあるところ、光は消えずにある、そう考えています。
 裏切らない光もあると、この荘厳なクラシックでもないポップスの一曲を聴くと、感じるのです。

 そしてぼくの伝えたいのは、「大丈夫ですよ」という、ひとことです。





 
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