On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-03-21 08:44:30
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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思いがけなく訪れた、知られざる歴史の転換点


( *「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の「危機一髪シリーズ」関連写真集 その2
 エルサレムのホスピスの内部に入り、こぶを背負った男性に案内されて、泊まる部屋に近づきました。
 質素な廊下が、誠実に清掃されている感じです。
『この人がひとりで、腰を曲げたまま掃除なさっているのかなぁ』と思いつつ、さぁ、修道僧らが巡礼の旅で泊まる部屋とはどんな部屋かなと、興味津々です。どこでも平気で寝られるので、特に心配はありません
 このホスピスのある旧市街は、古代からの分厚い塀、すなわちキリストが生まれる前に築かれた石壁に今も囲まれています。その壁の外の一部地域では、烈しい戦闘が続いている時なので、他に宿泊客はひとっこひとり、居ません。
 話には聞いていましたが、ほんとうに誰も居ません )


▼さて、「ことしも長かった予算委員会」×6年・・・明日3月22日火曜に、いったん終わります。
 朝9時から12時半までの予定で、「締めくくり総括」という審議を経て、「討論」という名の時間があります。
 これは質疑応答ではなく、新しい令和4年度予算に賛成か反対かの意見を各党の予算委員である議員が述べる時間です。
 それが終わると、いよいよ採決です。
 午後には、議員総会を経て、参議院の本会議がおこなわれ、もしも仮に順調なら、旧年度内に新年度予算を無事に、国民生活へ送り出すことができます。

▼最終日の明日も、審議は「片道方式」で行われます。
 ブログや動画で何度か説明したように、衆院にはない参院だけのやり方です。質疑時間に、政府の答弁時間を含まず、議員の質問時間だけをカウントします。
 その議員の姿勢によっては、質疑が果てしなく、延びます。
 それにじっと耐えると、前述の討論の時間も正直、じりじりと長く感じます。

 最後の最後まで、いつ終わるとも知れない質問と発言をじっと座って聴き続けます。

▼しかし、こうした時間を甘受していると、思いがけない出来事も訪れます。

 先週の予算委員会で、午後の質疑が始まるまでのわずかな隙間に、気がつくと、萩生田経産大臣が閣僚席から議員席にやって来られて、ぼくの左耳に、大きな身体を屈めて、話しかけられました。
「資源のない日本という言い方は、もうしないと、決めました」

▼え、え、え !?
 突然、日本の歴史を変える、画期的な発言が、現職の担当閣僚から降ってきました。

 不肖ながらぼくが長年、指摘してきた海洋資源の存在、メタンハイドレート、メタンプルームを筆頭にレアアース泥、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、熱水鉱床のなかの金銀銅などについて仰っているのは明らかです。
 国会議員となってからだけでも歴代の経産大臣、世耕さん、梶山さん、そして現任の萩生田さんと議論を深めてきました。
 それがひとつの歴史的な節目を迎えた瞬間でした。

▼萩生田経産大臣は「まずは、実用化にまだ時間がかかっても豊富な自前資源を持つ日本、と言うように変えます」と、さらに仰いました。
 そしてすぐ、閣僚席に戻っていかれます。予算委員会がすぐに再開だからです。審議再開のときに大臣が閣僚席にひとり居ないだけでも、大問題にされて審議が止まりかねないのです。

 ぼくはその広い背中に、「その実用化も、かなりの段階をもう踏んできましたよ」と応えました。
 すぐに予算委の審議が始まったので、最初の対話はここまでとなりました。

 しかし、これまでのぼくのささやかな経験でも、転換点というのは、短く、端的に、そして唐突に姿を現します。
 転換の始まりとして、充分な時間だったと考えています。
 みなさん、応援をありがとう。みなさんの支援があってこそ、努力が実らない日々にも耐えられるのです。




 
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