On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-05-14 03:29:31
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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(推敲しました)  【★明日日曜の「ぼくらの国会」リアル版@姫路は当日参加OKです】  長い嵐のあとも、やはり嵐だった



▼国会での質問はふつう、この写真のように立って行います。
 ところが、ひとつだけ例外があります。
 それは、どんな時か。
 学者、研究者、専門家やNPOの活動家に国会に来ていただき、自由に意見を表明なさるのを聴取してから、その意見に関連して国会議員が問うときです。 ( かつてぼく自身も何度か、専門家としてそのように国会に招かれ、議員からの質問を受けました )

 これを「参考人質疑」と呼びます。

▼どなたをお呼びするかは、自由民主党や共産党など政党の推薦が出発点になります。最終的には、その委員会の委員長が決します。
 個人的な印象をありのままに述べれば、自由民主党が推した参考人に党派性を感じたことは、あまりありません。
 一方、野党推薦の参考人には、強い党派性が表れることがあります。
 いずれにせよ、意見表明はまったく自由であり、党派性があっても無くても何も問題はありません。

 ここはロシア、中国や北朝鮮の独裁主義国家と違って、古代からオリジナルの民主主義を持つ国家、日本の国会ですから。

▼国会議員の質問に対して、答弁なさるのは誰か。
 いつもは、大臣や副大臣、政務官という政治家か、あるいは各省庁の行政官・官僚ですね。
 しかしこの「参考人質疑」だけは、前述の学者、研究者、専門家や活動家らが答弁なさいます。
 当然、そのかたがたに礼を尽くさねばなりません。

 参考人に立っていただくのは礼を欠くと考えて、質問者も座って発言し、参考人が立たれる必要をお感じにならないようにしているのではないかと思います。

▼このちょっと珍しい、座ったままの質疑を、ゆうべ、この動画にアップしています。
 よろしければ、ちらりとご覧ください。
 短めの動画です。
 参考人質疑は、自由民主党から無所属の議員まで、全て平等に短めの同じ時間で質問します。
 今回の経済産業委員会の参考人質疑では、ひとり12分でした。
 質問だけではなく参考人のかたがたの答弁、回答まで含めての12分ですから、あっという間です。

▼なお、このブログに届いたコメントを見ると、エネルギーをめぐるこの動画での質疑を全く誤解されているかたも、いらっしゃいます。
 ぼくは、参考人への問いかけのなかで、例えばこのように述べました ( 趣旨です。発言の通りではありません。実際はもっともっと短いです )
「海中のメタンプルームをまったく活用していない現在は、メタンプルームのメタン成分が海面から大気に出ていると思われます。メタンの地球温暖化効果は、二酸化炭素のおよそ25倍前後とされています。このメタン成分がどれくらい大気に出ているかはまだ、基礎的な調査が始まったばかりです。
 この現実と向かい合うためにも、海中の貴重な自前資源であるメタンプルームを、海の中に設置する人工膜でつかまえて、活用すべきではありませんか?」

 この趣旨を、質問の他の要素もすべて含めて、また参考人のかたがたの答弁ぶりもすべて予測して、わずか12分にきちんと収まるように、質問しました。

 ところが「この大気に出るメタン成分」のことを、「メタンハイドレート、メタンプルームの資源量全体のことだ」と解釈されて、なんだ、まだ基礎的な調査が始まったばかりか、落胆した、と憤慨されているコメントが届いています。
 しかし、これは善意の誤解です。
 期待なさるあまり、志を持たれるあまり、行き過ぎも生じているのでしょう。

 誤解や曲解は、ずっと以前から続いていますが、みなさんの日々も同じだと思います。ぼくだけが特にそうだということはありません。
 ただ、国会議員となってからの6年は、誤解の増え方に凄絶なものがあります。昼も夜も朝も、ずっと届きます。また「落胆」、「失望」、「絶望」という言葉が毎日、ぼくの頭上から降り注ぎます。

 特に、今回の「参考人質疑」は、上に明記したように、時間が短いです。
 大気に出るメタン成分のことも、上記のようには詳しく語っていません。それをやっていると、12分ではなく、間違いなく120分になるでしょう。
 国会はルールで動きます。
 ぼくはそのルールを守り抜きます。これまでの6年で36回の質問すべてを通じて、ただの一度も時間を超過したことがありませぬ。

 したがって、ある程度の誤解はありのままに受容するようにしています。
 ぼくにも命の時間は、1日に24時間ちょうどしか無く、また、誤解を正すことほど時間を要する営為も無いからです。
 
 外国の工作活動による誤解の意図的な形成、その外国から汚いカネをもらって協力する日本人によるコメント、それらは完全に無視です。
 嫉妬や自己利益のために寄せられるコメントも、放置します。
 そんなことに、亡き両親や、先祖の長い繋がりや、天がくださった命の時間を費やしません。

 しかし善意の誤解については、上記のように、時間を割いてでも解説を致すことがあります。

▼おととい5月12日木曜の深更、日付が変わる直前に、ノンフィクションの新刊「ぼくらの選択」全3巻の一挙発刊を実現する作業を完遂しました。
 きのう5月13日金曜は、その一夜が明けた日です。

 しかし何も変わらず、夜が明ける遥か前から、まずウクライナ戦争をめぐる議論を時差のある海外と行い、早朝に自由民主党本部に入って、外交部会です。
 突如、感染症爆発を告白した北朝鮮で、拉致被害者がどのような情況に置かれているかを含めて、さまざまに外務省、防衛省に問いました。
 ( これは当然、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」の次回収録で語ります )

 そこから衆議院の議員会館の会議室へ大急ぎで移動して、「海中の通信をめぐる新技術」の研究会に途中参加し、文科省のJAMSTEC ( 海洋研究開発機構 ) 、防衛装備庁と意義ある議論を交わしました。
 また大急ぎにて、国会議事堂に移り、議員総会に出席し、そのあとはやや長めの本会議に出席しました。

 それが昼の直前に終わると、議員会館の青山繁晴事務所へまたまた急いで戻り、秘書さんと至急のミニ協議をしたあと、経済産業省との議論に臨みました。
「経済活動上の人権」をめぐって、国連への韓国と中国の工作活動に、ナイーヴな日本が左右されないよう、ナマの現実を指摘しました。
 行政官、経産官僚の表情がみるみる変わるのを目撃しました。
 もともと前向きのかたですが、いちだんと、明るく積極的に、かつ毅然と背筋を伸ばす気配を感じました。

 自由民主党を中から変える努力と、日本の巨大な官僚機構を中から変える努力は、一体です。
 別の観点から言うと、道は一本しかないのです。
 日本の官僚機構は、世界屈指の実力と大きさと長い歴史を持ちます。
 そこから生まれる堅い、かったーい、固定観念をじりじりと変えるには、議員内閣制を生かして、すなわち政府と向かい合う与党議員が深い志を持ち、また官僚を上回る専門性と現場体験を持って、行政官・官僚に迫るほかありません。
 そのために、巨大与党の自由民主党を中からダイナミック ( 動的 ) に変えていくしか無いと考えています。
 どれほど命を削っても、この王道を往きます。

▼本会議が終わると、その時点で、国会議員はみごとに居なくなりました。
 金曜の午後に入りますからね、みなさん、選挙のために地元に帰るのです。
 しかし、ぼくは「選挙のために働かず。国家国民のために働く」という信念に依って、地元を作りません。後援会も作りません。後援会長はいません。

 すでに静まりかえって、まるで無人かのようになった議員会館で、青山繁晴事務所は、議員のぼくも、秘書陣4人(公設秘書3人、初めて採用した私設秘書1人)も、なんというか、火がついたように働き続けていました。

 そしてぼくは、午後5時から、東大生の有志に対するオンライン・ゼミナールに臨みました。
 気がついたら、午後7時を過ぎていました。
 非常勤講師だった時代を含めて、東大の教え子は、大半が行政官・官僚になります。なっています。
 たとえば防衛省には3人、居ます。
 このゼミの意義は、ちいさくないと思います。

▼そして今日、5月14日土曜は、滋賀県に向かいます。
 これは「ぼくらの国会」リアル版ではありません。党本部から依頼されている、憲法改正への行脚です。
 午後2時半から3時半まで、滋賀県第4選挙区の小寺裕雄代議士と共に、憲法改正研修会を開きます。
 近江八幡市鷹飼町80-4の男女共同参画センターで開きます。

▼明日、5月15日日曜、沖縄の祖国復帰50周年の日は、中高に通った懐かしい兵庫県姫路市で「ぼくらの国会」リアル版です。当日参加OKです。



▼「ぼくらの国会」リアル版は、公開情報です。
 水面下情報は、6月18日土曜に神戸で開く「独立講演会」へお出でください。ここで募集しています。短めの一定期間しか募集しません。





 
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