On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-10-22 05:03:58
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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裸にひんむかれても・・・



▼著作のサイン会をやると、たまに、表紙も帯もすべて剥ぎ取られ、いわば裸の状態で本を持ってこられるかたがいらっしゃいます。
 わはは。

 表紙も帯も、自分自身で七転八倒して苦心して案を練り、文章をつくっているので、それがみんな無くなっているとちょい、「お」と思います。
 しかし、いつも申しているとおり、本はその読者に読まれて初めてその人だけの本になる、と考えていますから、そのまま受容します。
『なんかこう、装丁も帯も、とにかく何かが付いているのがお嫌なのかなぁ』と拝察したりしますが、理由を問うわけではまったくありませぬ。

▼ぼくが作った原案を、本の実物の装丁にしてくださるのは、多くの場合、新昭彦さん ( ツーフィッシュ ) のご夫妻です。
 紹介してくださった扶桑社の田中享編集長によると、ぼくの本の愛読者でもいてくださるようです。

 この新さんに、上記のような話を致したことは一度もありません。
 しかしひょうっとしたら『夜想交叉路は、もしも裸にひんむかれても・・・夜想交叉路だけの世界を維持できるようにしておこう』と考えてくださったのかなぁと思うような、深みのある色合いになっています。
 写真は、ゲラです。
 横にあるのは、色見合いの調整用です。

▼今回の小説新作は、処女作をうんうん言いながら全面的に書き直して、もう一度、産んだ作品です。
「すべての作家は、処女作に回帰する」という有名な言葉があります。

 作家としてのぼくは、ノンフィクション作家と、物語 ( フィクション ) 作家と、ふたつの分野を並行させています。いずれもぼくの職業のひとつですから、いわば物書きの二刀流ですね。

 後者の物語作家としては、これで処女作に回帰しつつも、そこに留まらず、前に進んだという気持ちです。
 そしてノンフィクション分野でも、まずは新潮社や小学館のための作品が未完となっていることをはじめ、取り組みを続けていきます。

▼ほんとうは、さらに童話分野も、考えているのです。
 公務が絶対優先で、このささやかな人生、さまざまに多様なものが並走しているので、そのなかで童話まで書けるのか、書く時間をどうやってつくるのかという問題ですが・・・。

「ぼくらの祖国」という作品があります。
 ノンフィクション分野でぼくの原点であり、思いがけず超のつくロングセラーとなりました。
 この「ぼくらの祖国」も、最初は子供たち向けの原稿を考えていたのですよ。
 いちばん大切なのは、子供たちであり、教育だと考えていますから。
 おおくのみなさんと同じだと思います。

▼さらに、「魂からの国造りを、この闇から、やり直そう」というコンセプト、思想で、ごく簡潔な、短い本を考えています。
「夜想交叉路」が上梓されたあとは、作家としては、まずはそれから取り組むかも知れません。
 これは、子供から大人まで広くカバーする本にしたいですね。

 実際は、どんな本でも、子供も読めるようにと考えて書いているのです。夜想交叉路もそうです。そして実際に、驚くほど年齢の若い、幼い読者もいらっしゃいます。

 こういう意識の物書き・作家であることには、ぼく自身がごく幼い頃から読者であったことも、おそらくは関係していると考えます。

▼公務は、きのう護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) の執行部会を開き、非常に有意義な議論ができました。
 いずれ、その主要なところは、護る会の総会などを通じて、広くお伝えします。
 公務は、この週末も含め、議員になってから6年と3か月のあいだ、1日の休みもありませぬ。
 ぼくが国会議員でいる限りは、それを変えません。

▼「夜想交叉路」は依然、予想外に沢山のみなさんが予約してくださっています。
 不思議です。まだ本文を読んだのは、編集者の田中享さんと、校閲のかたと、上記の新さんご夫妻と、そして初稿については三浦麻未公設第一秘書と、この5人しか居ないのですから。
 しかし正直、もの凄くうれしい気持ちです。

 もしもよろしければ、たとえば、ここの予約画面を見てください。



 
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