On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~

2022-11-25 15:35:01
この日時は本エントリーを書き始めた時間です
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硫黄島の今



▼写真の真ん中に背中で写っておられるのが、「硫黄島協会」の現在の会長、寺本鐵朗さんです。
 寺本さんは、硫黄島で戦死された英霊の遺児でいらっしゃいます。

 不肖わたしがかつて、硫黄島に英霊が取り残されている問題に取り組み始めたとき、硫黄島協会の幹部は、日本軍の兵士の生き残りでいらっしゃいました。玉砕の島から、わずかに生還されたかたでした。
 しかし今は、遺児が会長です。

 いまだ1万人あまりの英霊を、東京都に属する島から取り返せないでいる現実のひとつが、この背中にも表れていらっしゃると、わたしは思います。
 拉致事件と同じく、解決できない、解決しないまま永い時間だけが過ぎていくのです。

▼きょう11月25日金曜は、国会内で、超党派の「硫黄島問題懇話会」が開かれました。
 写真はそれです。
 英霊のご遺骨を故郷に取り戻すのは、政府では厚労省の担務です。
 たとえば、硫黄島の自衛隊基地の滑走の下に、たくさんの英霊が閉じ込められている怖れが強いことに対し、厚労省が中心になってボーリング調査などを行っています。
 その厚労省の説明を、硫黄島協会のみなさんとも一緒に聴いていると、「やっていてあげているんだ」とでも言うような本音が透けて見える部分があり、厳しく指摘しました。

▼硫黄島のことは、「青山繁晴チャンネル☆ぼくらの国会」でお話ししても、あまり視てもらえません。
 しかし一方で、とても深い関心を持っていてくれる主権者・国民のみなさんが確実にいらっしゃいます。
 今日はたいせつな最新情報の説明、あるいは超党派の議連であるこの懇話会の幹部陣から重要な決意の表明もありましたから、いずれお話ししたいと考えています。

 わたし自身の志は、この問題に取り組み始めたときと、毫 ( ごう ) も変わっていません。
 英霊が閉じ込められている滑走路を引き剥がし、そのご遺骨にふるさとへ戻っていただき、子供たちに「なぜ今、わたしたちは生まれてくることができたのか」を伝える、その志です。

 志の揺るがないことは拉致被害者の救出、自前資源の実用化、憲法9条の改正・・・日本が日本であるための根っこすべて同じです。

▼今日はこのほか、落選中の「日本の尊厳と国益を護る会」 ( 護る会 )メンバーの前議員からお話しを聞いたり、経産省、防衛省、エネルギー庁とそれぞれ議論したり、護る会の分科会の人事に携わったり、まさしく息つく暇もありません。



▼そして今は、議員会館の青山繁晴事務所から自由民主党本部へ移動して、経済産業部会です。
 テーマは、新しい型の起業(経産省は例によってカタカナでスタートアップと呼んでいます)をめぐる税制です。

▼このあと、再び議員会館の青山繁晴事務所へ戻り、外部の専門家とお会いしたり、外務省と協議をしたり、日本商工会議所からの来訪を受けたり、隙間をつくれないまま、今夜は会合があります。
 夜の会合は、独立総合研究所の社長から国会議員になると激減しました。と言うか、激減させました。
 ゴルフは、アルペン競技スキーやモータースポーツに比べるとスピード感があまりなくて、さほど好きではないのですが、独立総合研究所の社長時代は無理をしてでも、すこしはお付き合いしていました。
 しかし国会議員になると、まったく行かなくなりました。

 ふつうと逆ですね。
 国会議員というと、夜の会食とゴルフというイメージが、今でもテレビドラマ、映画、小説、ノンフィクションの本を問わず、せっせと流されています。
 しかし、少なくともわたしという国会議員は、まったく逆なのです。

 そして政治献金ゼロ、パーティゼロ、団体支援ゼロ、後援会無し、後援会長不在、地元も作らず、もちろん完全に無派閥、それから会食まれ、ゴルフ無し。
 こういう国会議員は、この世に居ないことになっています。

 さらに会食やゴルフの代わりに、深夜から未明にかけて小説を書いている国会議員など、絶対に居ないことになっているわけです。
 それが嘘であることの生きた証拠のひとつが、「夜想交叉路」です。
 ふはは。
 空しい笑いです。読むひとが居なければ、本はこの世に存在しなかったのと同じになります。
 しかし同時に、不屈の笑いでもあります。



 
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